一夫多妻制ドキュメンタリーを見て思ったこと
高校生くらいまでは、「一夫多妻制」って、たまにテレビのビックリニュースで見て「ふーん。変なの。」ってボンヤリ思っていました。
それから大学に入って、仲良しの友達がアメリカのユタ州に留学に行ってから少し身近になったというか、興味を持つようになった。
というのは、ユタ州で多くの人が信仰するモルモン教(キリスト教の宗派)では、一夫多妻制の家族がとても一般的だから。一夫多妻制でたくさん子どもを産んで育てた方がキリストの恩恵を受けられる、という考え方らしい。
さて、社会人になり、仕事もなんとなくこなせるようになり、自分は1人の男性と結婚し、その間一夫多妻制についてなんて滅多に考えることなかったんですが、最近たまたま一夫多妻制のドキュメンタリーを見ました。
(なんせロンドンでは自由な時間がたっぷりあるのでNetflixの費用はモトを取りまくっている私です。)
題名は直訳すると「三人の妻、一人の夫」。
このドキュメンタリーはまさにアメリカのユタ州で撮られていて、実際に一夫多妻制で暮らしている現代家族の生活模様を追いかける番組です。1話1時間くらいで、いろんな家族を紹介しています。
日本のNetflixで見れるのかはわからないけど、どうかな。
面白そうだなと思い観てみたら、かなり面白かった。「一夫多妻制もこんなにいいんだよ!みんながイメージしてるカオスな状態とは違うんだから。」という内容のイメージを勝手に持ってたんです。だって、宗教自体のイメージが悪くなるような内容にはしたくないだろう、と。
たしかに、ドキュメンタリーの序盤は「子供たちがたくさんいて幸せさ!!妻たちの関係も良好!!何にも悪いことなし!」という感じで進んでいきます。
でも、だんだんと内容がリアルになっていき、一夫多妻制の難しさがクッキリ表現されている。
一夫多妻制の難しさ、いろいろと感じましたが、一番は「妻同士の関係性」だと私は思いました。
すっごく嫉妬するんですよ、妻が、他の妻たちに。
もちろん人にもよるんですけど、嫉妬深い妻の場合、例えば夫と他の妻が一緒にいるとき、電話やメールをしまくって邪魔をしたりとか。
この嫉妬に私は驚きました。
嫉妬、つまり独占欲というのは、後天的なものだとなんとなく思っていたから。
要は、先天的な三大欲求(食欲、性欲、睡眠欲)とは異なり、独占欲はヒトに元々備わっているものではなくて、生まれた後に「自分のモノにした方が自分に利益がある」という考えを思いついて初めて生じる欲だと思っていた。
この考えに基づくと、生まれたときから「一夫多妻制がフツー」の環境で生まれると、妻が他の妻に嫉妬するなんてことは無いことになる。
でも、そんなことはなくて、どれだけ一夫多妻制に慣れていたとしても、夫を独占したいという気持ちが出てきてしまうのだなぁ、独占欲とは人間誰しも元々備わっているものなんだなぁ、と、「独占欲」について考えさせられた話でした。
ここで一旦わたしのボヤキは終わるんですけど、この間男友達に聞いてみました。
三大欲求がなぜ先天的に備わっているかというと、生存するため(食べて栄養を摂り、健康に睡眠を取り、子孫を残す)である。一方で、独占欲はいったいどういう理由で人間に先天的に備わっているのか。
「そりゃあ、男性からしたら自分の遺伝子を残したいし、そうすると他のヤツを押しのけなければいけないし、女性からしたら、自分に食糧を与えて守ってくれる男性を確保しておきたい(原始時代の話の例)のは当たり前なんじゃない?」とのこと。
うーん、なるほど・・・
なんとなく、まだ腑に落ちないけど、そういう考え方もあるなぁと思いました。