ネコ語はきっとあると思うニャ
↑ 着用写真の撮影中に目で意思を伝えるレゴンくん。言いたいことは分かりますデス。
それは私がまだ幼稚園に上がる前の話。
私と4歳年上の姉、近所に住む同じ年頃のまり子ちゃんとノブ君の4人で、家の前の路地で遊んでいた時のことです。そこは山の斜面を利用した宅地だったので、道の片側に面した家は、大人の背ほどの高さに積まれた石垣の上の敷地に建っていました。
奥さんがピアノの先生だったその家には、お婆さん猫、お母さん猫、そして生まれて2か月くらいの小さな子猫が4匹いたのですが、その日、石垣をふと見上げると、石垣のへりに可愛い子猫が横1列に4匹並んでこちらを見下ろしていたのです。
3匹が白い猫、右から2番目のこだけが白と茶のブチ。私達はそのブチの子猫を捕まえて一緒に遊びたいと考え、姉がノブ君をおんぶして、そのノブ君が手を精一杯伸ばしてみるも、到底子供が届く高さではありません。
それでもワイワイ騒ぎながら何回もチャレンジしていたところ、それを見ていた右端の子が隣のブチの子の耳元に口を近づけてコソコソと何かを喋ったと思ったら、次の瞬間、ブチの子がくるっと後ろを向いてサササッと小走りでどこかに消えていきました。
それから間もなくして、ナント、そのブチの子が怖い顔をしたお婆さん猫を連れて来たんですヨ〜!ヒャ〜!
お婆さん猫の「シャーッ!」という一喝で、私達4人はまるで人間の大人に叱られた時のようにシュンとなりました。「あのネコ、きっと『お婆さん猫を呼んで来い』って言ったんだぁー」「そうだよ、ナイショ話をしてたよね!」子猫のとった行動に、私達はその後大騒ぎになりました。
幼い私にとってもその出来事はあまりにも衝撃的なことだったのでしょう、もう大昔のことなのに、その時の光景が今でも鮮明に脳裏に甦ります。
この経験から、ネコも人間のようにネコ語を使ってコミュニケーションを行っているのだと長年信じて生きてきましたが、再度思い出してみて、今改めて思ったこと……この時の内容を人間の言葉に置き換えると、「きっと僕たちを捕まえようとしてるんだよ、危ないからお婆ちゃんを呼んで来た方がいいよ」と、いくつもの言葉が連なるのですが、多分、子猫の言葉は「ニャニャンニャ〜」と、このくらいの長さだったと思います。それを考えると、「お婆ちゃん」の一言と、それ以外の「危険」とか「呼んで来い」とかはひとまとめの気持ちとして、言葉ではなくテレパシーでやりとりしたんじゃないかなと思います。
猫の暮らしのモデルさんとして頑張ってくれているアビシニアンのレゴンくん、撮影で何回も会っているのに、撫でようと手を伸ばすとササッ〜って逃げてしまい、なかなか仲良しになれなかったのですが、とあるサイトに「猫と目があった時は、ゆ〜っくりと瞬きをすることで愛情を示すことができる」と書いてあったのを見て試してみたんです。
レゴンくんのいる撮影台の上に私のアゴを乗せ、ゆ〜っくり目を閉じて、ゆ〜っくり目を開いて、またまたゆ〜っくり目を閉じて。そしたら、凄いの😹 レゴンくんがゆっくりそばに寄ってきたと思ったら、私の瞼にそっとキスをしてくれたんですヨ!匂いを嗅いだだけなのかもしれませんが……
でもでも、すごいなぁ〜。一瞬で二人の間の壁が取り払われた感じ。これもまさにネコ語ですね。お友達の家などでネコちゃんに初めて会った時はどうぞ、ゆっくり瞬きをして「お友達になりたいの、どうぞよろしくね」ってネコ語で伝えてみてくださいね。