Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

ZIPANG-2 TOKIO 2020~不思議な不思議な町 遊佐・ゆざ~(その4)「【出羽國一之宮】鳥海山大物忌神社 古代から現代に至る信仰の山とは・・・」

2018.10.19 16:45

このたびの平成30年 7月豪雨、9月台風並びに北海道大地震により、亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。


鳥海山は山形県と秋田県との県境にまたがり裾野を日本海に広げる独立峰の火山(標高2,236m)で、古代から現代に至る信仰の山です。


大物忌神は承和5年(838)を初見に神階の奉授がくり返されています。
大物忌神社の祭神は近世以降倉稲魂神(農業神)とされていますが、古代の史料からは祭神は大物忌神であり、鳥海山を神体山とするもので、その神名は天変地異に対する畏れ慎みを意味する「物忌」に発すると考えられます。月山神社も同所に祀られ、神仏習合の進むなかで、「出羽国一宮両所大菩薩」等の呼称を生みました。


鳥海山には山形県遊佐町吹浦、蕨岡、秋田県にかほ市小滝、院内、由利本庄市滝沢、矢島の各登拝口があり、秋田県由利地方と山形県庄内地方を中心に信仰され、江戸時代には登拝口の間で鳥海山の祭祀権をめぐる争いがありました。

鳥海山山頂の鳥海山忌神社「御本宮」の雲海と夕焼け

険しい表情を見せる鳥海山。いよいよ神山の冬仕度が始まる…

鳥海山大物忌神社山頂「御本社」

鳥海山大物忌神社御本社遷座祭


明治13年(1880)、鳥海山山頂の社殿を「本殿」、吹浦・蕨岡に鎮座するふたつの大物忌神社をその「口ノ宮」とし、三社をもって「国幣中社大物忌神社」とすることが決められました。

古代国家の辺境にあって、古代には国家の守護神として、また古代末から中・近世を通じては出羽国の中心的信仰の山として崇敬され、特に近世以降は農業神として信仰された鳥海山の信仰の中心を担う大物忌神社は、古代から中・近世の宗教・信仰の実態を知ることができます。


御祭神

神社の創祀は欽明天皇二十五年(千四百余年前)の御代と伝えられています。

鳥海山は活火山で、噴火などの異変が起こると朝廷から奉幣があり鎮祭が行われた。 本社は山頂に鎮座し、麓に「口の宮」と呼ばれる里宮が吹浦と蕨岡の二ケ所に鎮座しています。


平成二十年には、山頂本殿から口ノ宮にいたる広範な境内が、国の史跡に指定された。


鳥海山大物忌神社蕨(わらび)岡口の宮

鳥海山大物忌神社蕨(わらび)岡口の宮御本殿 正面

鳥海山大物忌神社蕨(わらび)岡口の宮御本殿

桁行3間、梁間6間で、切妻造銅板葺とし、1間向拝を付ける。正面が実長で13.8mに及ぶ大型の社殿で、内部は外陣と内陣に分かれ、さらに内々陣を造る。絵様や装飾的要素は少ないが、木割が大きく、直線的意匠でまとめた、壮大な社殿であります。

鳥海山大物忌神社蕨岡口の宮神楽殿

西面する境内地の入口から、やや奥の南側に建つ。鐘楼として建立され、神仏分離の際に神楽殿に改められた。南北棟の入母屋造鉄板葺、内転びのある粽付円柱で、吹寄支輪付の出組とし、軒は一軒繁垂木。高欄付の板床で、格天井を張る。歴史的な変遷を物語る遺構です。

鳥海山大物忌神社蕨(わらび)岡口の宮随神門

西面する3間1戸八脚門で、切妻造鉄板葺。両脇前寄り1間に床を張り、金剛柵をたててあります。円柱で、柱上出組とし、中備に蟇股を入れ、軒は二軒繁垂木。妻は二重虹梁大瓶束とし、前方へ持ち出す。伝統的な手法で手固くまとめられた端正な八脚門であります。

鳥海山大物忌神社蕨岡口の宮随神門ファサード


大物忌神社は貞観四年(八六二)十一月官社に列し、延喜式神名帳には名神大社として、吹浦鎮座の月山神社と共に収載されています。

後に、出羽國一の宮となり、朝野の崇敬を集めました。 特に歴代天皇の崇敬篤く、八幡太郎義家の戦勝祈願、北畠顕信の土地寄進、鎌倉幕府や庄内藩主の社殿の造修など時々の武将にも篤く崇敬されてきました。


中世、神仏混淆以来、鳥海山大権現として社僧の奉仕するところとなりましたが、明治三年神仏分離に際し旧に復して大物忌神社となり、明治四年五月吹浦口の宮が国幣中社に列したが、同十三年七月に山頂本社を国弊中社改め、同十四年に吹浦・蔵岡の社殿を口の宮と称えて、隔年の官祭執行の制を定めた。 昭和三十年に三社を総称して現社号となりました。


鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮

鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮後神門及び玉垣

本殿と摂社月山神社本殿の側面と背面を総延長51メートルの玉垣が囲繞し、背面中央に後神門を構え、神域を区画。門は一間腕木門で、切妻造銅板葺。角柱を貫で固め、舟肘木で受けた腕木で桁を持出し、一軒疎垂木を配る。両開戸を吊り、貫上に横連子を飾る。

鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮摂社月山神社御本殿

本殿西に並び建ち、一間社流造銅板葺。身舎は円柱、組物連三斗、中備蟇股、二軒繁垂木。本殿と同規模同形式の社殿であるが、脇障子や蟇股、正面の琵琶板、懸魚などの彫刻が異なります。妻飾に加え、繰りの小さい肘木や虹梁絵様など、細部にも独自性が見られます。

鳥海山大物忌神社吹浦ノ口宮御本殿

鳥海山の西方、小高い山の南斜面に占める境内の北奥に南面して建つ中規模の本殿で、一間社流造銅板葺であります。身舎は円柱上に連三斗を組み、中備に蟇股を飾ってあります。妻飾は、虹梁上に巻斗と通肘木を2段積上げ、その上に笈形付大瓶束を立て、特異な形式をとっています。

鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮摂社月山神社御本殿(手前)と鳥海山大物忌神社吹浦ノ口宮御本殿

鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮中門及び廻廊

鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮中門及び廻廊

本殿と摂社月山神社本殿の前方に位置しています。登廊上端に接して妻入の中門を開き、その東西に桁行5間の廻廊が延び、両端間を神饌所として間仕切る。いずれも切妻造銅板葺、角柱で舟肘木を載せ、一軒疎垂木、妻豕扠首。端正な外観を構成し、静謐な空間をつくっています。

鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮拝殿及び登廊

鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮拝殿及び登廊

鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮下拝殿

境内の最下段に位置し、桁行7間梁間5間、入母屋造銅板葺で、正面に3間向拝を付け、軒をせがいで持出す。内部は中央後方の桁行3間梁間2間を上段として格天井を張り、背面の突出部に宮殿を祀る。特徴的な内部空間をもつ広壮な拝殿であります。

鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮下拝殿


山頂の御本殿は伊勢の神宮(通称:伊勢神宮)と同じく二十年毎に建て替える式年造営の制となっています。 現在のご本殿は平成九年に造営されたものです。


重要文化財

一、鎌倉幕府奉行人連署 奉書 国重要文化財


両所宮 (吹浦口の宮)の修造を北目地頭に北條義時の雑掌二人の連署を以て催促せる文書にして、建保六年差遣せる雑色が、翌承久元年源寛實朝が公暁のために害されたるを以て帰参せる旨、文中に記せるは興味ある。


一、北鼻顯信寄進状 一通 国重要文化財


顕信卿 (親房卿の第二子)の自筆にて、一宮両所大菩薩 (吹浦口の宮)に秋田県由利郡小石郷乙友村を寄進して、奥羽両国の静謐を祈願せられたときの文書である。


鰐口 県指定文化財


「鳥海山」の名は古くは北の山、飽海岳と呼ばれていたが、文字として現われたのは暦応五年(一三四二)の七月二十六日、藤原守重が息災延命の意趣をもって奉納した鰐口に記されたのが最古である。


祭事歴

1月1日 歳旦祭 御頭舞奉納

1月5日 五日堂大祈祷(五毅の占)

4月8日 祈年祭(吹浦ロの宮)

5月3日 蕨岡ロの宮例大祭 蕨岡延年奉納

5月4日 吹浦口の宮例大祭 吹浦田楽奉納

5月5日 吹浦口の宮例大祭 吹浦田楽奉納 ※上記と同じ

7月1日 鳥海山夏山開祭(吹浦ロの宮)

7月14日 鳥海山火合せ神事 (山頂、御浜、西浜、飛島、宮海など)

7月15日 月山神社祭(玉酒神事)

11月8日 新嘗祭(吹浦口の宮)

11月9日 新嘗祭(吹浦口の宮)※上記と同じ

11月12日 新嘗祭(蕨岡口の宮) 


年末年始祭事

古札焼納祭

吹浦口の宮 1月の第3日曜 午前9時
蕨岡口の宮 31日 午後4時

古い御神札・お守を神社にお持ち下さい。
陶器類やダイオキシンの原因になるビニール等は入れないでください。

※日時が変更する場合がありますのでお電話等で確認して下さい
※前もってのお預かりは致しかねます。


元旦祭

吹浦口の宮 午前0時
蕨岡口の宮 午前10時

年の初めに皆さまの1年の弥栄を記念する新春ご祈祷の申し込みは、大晦日の正午までにお願いします。
新年を寿ぎ縁起物の干支の置物を授与します。


五日堂大祈祷

吹浦口の宮 5日 午後7時

ご祈祷の申し込みは、5日の午後5時ごろまでにお願いします。祈祷者全員に錦守・交通安全ステッカーを特別に授与します。
祈祷終了後に福引き抽選で記念品をさしあげます。

※ご祈祷料は5,000円よりお受けいたします。
正月五日堂の交通安全祈願のお守りは、お車1台500円で申し受けます。
ただし、家内安全等と一緒に申し込みの方に限ります。


人形供養祭

吹浦口の宮 3月の第1日曜 午前9時

※日時が変更する場合がありますのでお電話等で確認して下さい。
※前もってのお預かりは致しかねます。 


縁起

当神社が東北の最高峰である鳥海山上に鎮座されたのは、今を去る1,400有余年前の昔、欽明天皇25年と伝えられております。貞観4年官社に列し、国家の祀典に預り、延喜の制には吹浦口の宮に鎮座の月山(つきやま)神社と共に名神大社に列し、後、出羽国一の宮の撰に預り、明治4年国弊中社となり、  戦後、昭和30年に鳥海山大物忌神社と改称し、現在に至っております。鳥海山を神体山とする信仰篤い大社であります。


祈 交通安全

吹浦バイパスに隣接する吹浦口の宮では、交通事故撲滅を願い、お車の無事故祈願を随時、申し受けております。

道中お気をつけて御参拝ください!


鳥海山

秀峰「鳥海山」は出羽富士と称され、百名山のひとつに数えられ全国の多くのファンが登山を楽しんでいます。 貴重な高山植物も数多く群生してあります。

後世により自然のまま残していくために大切な植物の採取はしないで下さい。 また、ゴミのお持ち帰りもよろしくお願い致します。 思い出深い楽しい登山にしてください。


登山ルート

鳥海山登山ルートの一覧です。


各登山ルート所要時間


宿泊について


宿泊予約のお問い合わせは、必ずお電話で!(連絡先電話番号:0234-77-2301)   例え、満員の状態でも電話で確認して下さい。キャンセル等でご案内できる可能性があるそうです。


続く・・・


冬の記憶

名古屋は台風が去ると、急に秋風が寒く感じ、丑三つ時になると足の指先から冷えてきます。 底冷えのする寒さが、仕事で30年も前に?しばらく滞在したことがあった長野県松本の冬と、盆地を囲む北アルプスの真っ白な雪を頂いた遠望するだけでも凍てつく峻厳な山々を思い出させてくれます・・・ それにしても、未だ10月…今年の寒気、早すぎませんか〜?


鎹八咫烏 記
伊勢「斎王」の明和町観光大使


協力(順不同・敬称略)

NPO法人 遊佐鳥海観光協会
〒999-8301 山形県飽海郡遊佐町遊佐字石田19-18 (JR遊佐駅内)TEL/0234-72-5666

鳥海山大物忌神社 山形県飽海郡遊佐町吹浦字布倉1(吹浦口宮)TEL 0234-77-2301

文化庁 〒100-8959 東京都千代田区霞が関3丁目2番2号電話番号 03(5253)4111


※画像並びに図表等は著作権の問題から、ダウンロード等は必ず許可を必要と致します。