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「猟毒人」第三十七集

2018.07.27 17:00

その夜、気落ちしている楚莹を江伊楠は心配する。楚莹は敏登のクーデターや、彼が処刑されたことがショックだったのではないと言う。あの処刑が嫌な記憶を思い出しただけだと。楚莹から王鵬(呂云鵬)が怪我をしたと聞いて伊楠は顔色を変える。楚莹は彼は軽傷で無事だと付け加え、やっぱり今でも昔の男を愛してるのねと微笑む。(※徐麗は王鵬が勝手に明山を出て音信不通になった事に怒って別れたという設定になっている。)伊楠は知り合って6年にもなるのだから愛情が無いわけがないと答える。


伊楠は小腹が空いたといって厨房へ。阿香がちょっとつまめるパンがあると言って手早く焼いてくれた。それをつまみながら雑談を交わす。阿香はみなし子で色んな所を転々として生きてきたそうで、ここへ来たのは6年前だという。

伊楠は暗号解読室の話を持ち出すが阿香は言葉を遮り、ここで暮らすなら余計な事は口に出さない方が賢明だと忠告して出て行った。


呂云鵬はそのまま医務室に閉じ込められっぱなしだった。やっと扉を開けてもらえたがすぐに楚莹に会いに行けと言われる。

連れてこられたのはお嬢様が暮らすに相応しい豪奢な部屋だ。並ぶ写真立ての中で一枚だけ裏返しにしてあるのが気になった。写真立てをひっくり返して見てみると…そこには楚莹と呂云飛が仲良く腕を組んでいる姿が。云鵬は凍り付く。楚莹がやってきて云鵬は慌てて写真立てを元に戻した。

楚莹は王鵬(呂云鵬)に、徐麗(江伊楠)にきちんと謝ってよりを戻せばいいと言う。何なら話し合う時間と場所を都合してあげると。そして楚門会に来たのは何のためかと問う。云鵬はカネのためだと答え、それ以外の目的はないだろうと笑う。楚莹はここで生き残っていくのは簡単な事じゃないわよと忠告する。

楚莹の居宅を出ると外で兵士が待っていた。そして今度は楚天南の元へと連れていかれる。

楚天南はなぜ敏登のクーデターをわざわざ報せに来たのかと問う。云鵬はパゴダがあなたの義理の息子なのだから彼についている方が将来的においしいだろうと思ったからだと答える。仁義ではなく利益を取るという云鵬に、楚天南はもし自分よりも高い報酬を出す奴がいたらそちらにつくのかねと問われ、云鵬は慌てて命より大切なものはないからそんなことはしないと答える。

楚天南はなぜこの業界に入ったんだと問う。云鵬はしばらくの沈黙の後に、兄のためだと答えた。兄はそこそこ名の通った売買人だったが、警察に殺された。それで自分は復讐のためにこの世界に入ったのだと。体力はないが自分にはクスリ製造の知識がある…。

その話が気に入った楚天南は彼を研究所長に就け、別荘に自由に出入りできる権限を与えた。楚天南の屋敷を出るとその前の広場には提颯をはじめとした敏登の手下らが拘束され並べられていた。そして一人ずつ頭を射抜かれ死んでいった…。


呂云鵬は乍莱を食事に誘う。そして何度も自分を助けてくれたその理由は何だと問う。乍莱は少し戸惑った様子で言った「あんた背中にあざがあるだろう、小さい頃地震で下敷きになった時に、兄貴に救出されただろう?おれは彼が弟と一緒に写った写真を見せてもらった事があった、だからすぐにわかった、あんたが孫宏宇の弟だって。」あの頃楚門会では裏切ろうとしている奴がいるという噂が立ち会長はピリピリしていた、そして宏宇のアニキが追われることになったと。宏宇は中国警察に助けを求め、その後別方面の逃げ口を探し、そして最後には捕まり楚天南に処刑されたのだという。

あんたが中国警察でないなら、兄の仇討のために単身楚門会に乗り込むなんてすごい度胸だと乍莱は頭を振る。だが云鵬は度胸の問題ではないと言う。人類を惑わし滅ぼす毒薬の存在、それを作らされる工場村の人々…こんな世の中であってはいけないのだ、これは人としての使命、単なる復讐じゃない…。


翌日、楚天南と一緒に食事を摂ることになり云鵬はパゴダに連れられて屋敷へ行くが、楚莹と江伊楠もやってきた。伊楠とは不仲ということになっているので云鵬はよそよそしい体を繕う。


魏海は坎納へ飛び呉新河が経営するホテルへ。呼び出された新河はにこやかに迎えるが、魏海はか弱い母子を人質にとるとは随分と卑怯だと罵る。新河は彼女らは自らの意志でここに遊びに来たのだと笑う。目的は何だと問う魏海に、新河は互いの利益のためだと言う。先日も呂云鵬の仕事を、なかなか大きな仕事を手伝ってやった、お互いの利益のために。

魏海は彼女らに何かあったらただではおかないと迫る。

 * * * * * 

うわーついにこのフクザツな事情を知っちゃった。でもまだ伊楠が知らないのか。伊楠からしたら相当たいへんな事になるな、うん、大変だ。