遺伝カウンセリングは必要?
著書「35歳で妊娠が分かったら読む本」から
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山村先生は、日本の認定施設でNIPTの検査を受ける、あるいは認定されていない非認定の施設で受ける両方の方法があることを説明しました。
非認定の施設で、だいたい18万円くらいの費用がかかり、その指定のクリニックで採血を受けて、その検体をアメリカ、イギリス、スペインなどに送られています。
2週間後に検査データが出てきて、この検査の精度は極めて高くてほぼ100%の確率で異常の有無が分かるようになっています。
ここで疑問になるのは、認定施設と非認定施設の違いです。
医療的または医学的な差はありませんが、認定施設では専門のカウンセリングを行える遺伝専門医という先生がいて、そういう先生が相談に応じてくれます。
非認定の施設では、検査をするのみです。
ですから、非認定の施設での検査で異常を指摘された後に、そのまま中絶行為に走る妊婦もおられると思います。
それから、異常を指摘されたがあくまで検査としてはスクリーニング(前段階)の検査なので、確定診断をするための検査を行っていくわけです。
その確認の検査というのが、羊水検査です。
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認定施設でも、無認定施設でも検査自体の差というものはありません。
つまり、検査自体はどこで行っても結果が大きく異なることはないと考えることができます。
そもそも、遺伝カウンセリングを行う意味とは何でしょうか?
検査の結果、陽性だと分かった場合、安易な中絶を防ぐために必要なのでしょうか?
だとすると、検査の前ではなく、陽性だと分かった時点で遺伝カウンセリングをするべきでしょう。
検査で陰性だった妊婦さんは、そのままお産に向けて準備をしますから、遺伝カウンセリングは不要とも取れます。
また、新型出生前診断を受けることで母子ともに、どちらの結果にしても精神的ダメージがあると報告されています。
それは、検査を受ける前に遺伝カウンセリングを行うから、陰性の方でも結果が出るまで「陽性だったらどうしよう?」と精神的にストレスを感じるのではないでしょうか?
遺伝カウンセリングの在り方に、問題があると考えるべきです。
アメリカのように、新型出生前診断の結果に伴って遺伝カウンセリングを勧めても良いと思うのです。
また、新型出生前診断を受けるに際して、必ずしも遺伝カウンセリングが必要だとは思えません。
もちろん、結果が陽性の場合は、遺伝カウンセリングはとても重要なものです、
やはり、時と場合、そして妊婦さんに応じた遺伝カウンセリングが展開されなければならないのです。