出会
おはようございます。
高槻市にある、民藝の器、暮らしの道具、食
に関する古書のセレクトショップ、お味噌や
発酵食品中心のカフェ、テマヒマ
プロデューサー、バイヤーの太田 準です。
明確な目的がなかったら見過ごしてしまった、ということはさまざまな場面で起こり得る。だが、目的があまりに明確だったから、目的以外のものを見過ごす場合も少なくないのである。
予期せぬ出会いを生む場である
ショップの方にお越しのお客様に、しばらく
店内をご覧頂いたタイミングで「何かお探し
のモノはございますか?」とお声がけしま
す。そして探してるモノがあるという方には
コンシェルジュばりに?一緒になって探した
り、出してないものをゴソゴソ出したり、提
案したりします。ちょっと過剰なぐらい?
いえ、特にはとか、色々見てとかという方に
は「そういう時ほど出会いがありますよね?
」とお話しします。自分の実体験としてそう
なので。
引用したのは、このテマヒマブログでもご紹
介することの多い日本経済新聞土曜日連載の
若松英輔さんの連載「言葉のちから」先程
読んだばかりの「本との出会い〜石垣りんの
詩と随筆」から。書店、特に古書店について
若松さんが書いた文章。そう言われなかった
ら、テマヒマにお越しになって僕と話した方
とかこのテマヒマブログをずっと読んでらっ
しゃる方とかならまた太田さん言うてはるわ
ぐらいに、僕も言いそうなことであり、テマ
ヒマが目指すとこでもあります。目的とは違った何かに出会い、持ち帰ってもらえる場。
雑誌や新聞などの取材を頂きその後校正をする際、その出版社さんごとに漢字の使い方に
ルールがあります。例えば民藝は×、民芸は⚪︎
とか。テマヒマで民藝とあえて使っているの
は、一般に流布してしまった民芸のイメージ
とは違う意味ですよという主張も含めてなの
ですが、その出版社さんが民芸で文字統一し
てるというルールであれば致し方ありません
。
サラリーマン時代もカタログの校正とかして
いた癖に、テマヒマを始めてから校正の指摘
で初めて知ったことに出会いと出合いの違い
があります。前者はヒト、後者はモノに対し
、使い分けるようです。なのでテマヒマでは
民藝の器に出会うのではなく、民芸の器に出
合うというのが多くの紙面表現となります。
でもやっぱり「出会い」だと思うんです。確
かに器はモノではあるけど、家族のような、
友人や仲間のような存在だと思います。若松
さんが本に対して「出会い」という言葉を
おそらく敢えて使ってらっしゃるのも同様か
と思います。
好いモノ、好いコト、好いトキをテマヒマで
。とことあるごとに書いていますが、モノで
あれコトであれトキであれ、テマヒマで目的
とは違った何かに出会ってお帰り頂きたいと
思います。なんだったら目的が無くてもお越
し頂けるような場所でありたいと思います。
年末になって、年内のうちにテマヒマに行っ
ておきたくてと、常連のお客様がお越し下さ
って本当に嬉しく有難く思います。そんな皆
様はもちろん、お買い物だったり、ランチや
スイーツを召し上がったり、という目的はあ
ってお越し頂くのですが、それを越えてテマ
ヒマという場に行くとか、そこで働くテマヒ
マのヒトたちに会いにとか思って頂けていて
本当に嬉しいです。ありがとうございます!
今日はテマヒマの2023年営業最終日です。
どんな「出会い」があるでしょうか?
今日も11時オープンで皆様のお越しをお待ち
しております。
それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを
テマヒマで。今日も好い一日を!
写真は内容とは全く関係ありませんが、火曜
日、芭蕉布展最終日にもう一度大阪日本民芸
館に行った際に撮ったもの。写真をよく見て
頂くと不思議なことに気付きませんか?大阪
日本民芸館という表示と、日本民藝館という
表示が同居しています。