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エキウミ:茅ヶ崎のローカルインタビューメディア

【茅ヶ崎市観光協会の新谷雅之さん】そして天狗になる。

2018.11.06 21:00

(前回の記事はこちら→なにも考えてなかったし、とにかくいい加減だった。


■牛とか豚の世話をしてれば良いかと思いきや


――― 前回、新谷さんの学生時代のお話を伺いましたが、大学卒業後はどうされたのでしょうか。


新谷 北陵高校時代の同級生が「寒川で農協の仕事があるけど新谷どう?」って誘ってくれたんです。

でも私は農協のことなんてなにも知らないから「牛とか豚の世話してれば良いのかな」とか「それなら暇なときに好きなドラム叩いてられるかも」とか、しょうもないことを思っていたんです。


――― (笑)


新谷 それで農協の入社試験を受けたんですけど、当時の入社試験には「そろばん」があって、私がそんなのできるわけないじゃないですか。

だから試験中はそろばんをドラムのスティックに見立てて、シャカシャカリズムとって時間潰してるような感じだったんですけど、なぜか入社できちゃって(笑)


――― めちゃくちゃですね(笑)


新谷 入社できたのもびっくりなんですけど、入ってみたらJA共済とかJA貯金とか、そういう金融関係の営業の仕事を与えらて、もっとびっくりしました。

ぜんぜん牛や豚の世話をする仕事なんてないんですよ(笑)


――― あわよくばドラム叩いてようと思ってたら、いきなり金融商品を売ることになったんですね(笑)


■新たな営業手法の開拓


――― 農協での仕事はいかがでしたか。


新谷 だいたい農協って地元出身の子が入ったりするところなんですよ。

だから同僚は営業に出たら「ああ〇〇さんのとこのせがれか」みたいな感じで話が早い。

でも私は鎌倉出身で地域になじみがないから、「新谷」なんて誰も知らないんですよ。


――― それは営業的にかなり不利ですね。


新谷 みんなと同じようにやっていたらダメだと思って、いろいろ考えて営業先を変えようと思いました。

農協なので同僚は農家さんのところに営業に行くんですけど、別に金融商品は農家だけが必要なわけではありませんから、私は一般宅に行くことにしたんです。


――― 同僚とは違う作戦を立てたんですね。


新谷 はい。具体的には、一般宅でお財布を握っている奥さま方をターゲットにしました。

農協ってお米を売ってるんですけど、まずはそのお米を売りに訪問したんですよ。

そうやっていくうちにだんだんと親しくなって、最終的に貯金とか保険とかの契約をしてもらえるんです。

そうやって、別商品と絡めて金融商品を営業する発想っていうのが、当時はなかったんです。


――― これまでのやり方を変えたというのは、すごいことだと思います。


新谷 あとは、当時の農協は学校の給食費を回収しに行くとき、まず各学校に訪問して、封筒で受け取って、四人で手分けしてお金を数えるようなことをしていたんですね。

それがばかばかしいなと思って、キャッシュカードが出始めた時代だったので各学校に口座を開いてもらって、引き落としにしてもらったんです。

それを寒川の学校全部に採用してもらえて、寒川の学校に入るには農協の口座が必要という仕組みが作れたんです。


――― 営業センス抜群ですね。


新谷 まさに、そうやって褒められるじゃないですか。

実際、新米なのに先輩より営業成績は良いわけですよ。

だから、私は天狗になったんです。


――― 天狗になりましたか(笑)


新谷 なりましたね、天狗に(笑)

上司から営業の仕方で注意をもらったりすると、「おれの方が数字出してるのに文句言われたくない」って思うようになって。

30歳のときに、お客さんの紹介で商工会議所の仕事を紹介されて、「そうだ社長(会社経営)のことがわかるかも」と思って農協を飛び出したんです。


■商工会議所から観光協会へ


――― 商工会議所に入ってみていかがでしたか。


新谷 商工会議所に入っていろいろなイベントを経験していたとき、商工会議所の会頭と、観光協会の会長と、茅ヶ崎市長の三人から呼ばれたんですね。

そこで「茅ヶ崎の観光についてどう思う?」って聞かれたんです。


――― どう答えたんですか。


新谷 それまでの観光協会ってあまりパッとしないというか、商工会議所の2階の一部屋に2人だけいるような感じで、「観光の分野は市の仕事だから、あまり口出ししない」みたいな感じだったんです。

私は生意気だから「まず観光協会が全然ダメだ」なんて言ったら、「じゃあきみがやってみない?」って言われて。


――― 新谷さんが観光協会に入るきっかけは、市長からの要請だったんですね。


新谷 最初は、商工会議所から「3年間出向でやってくれ」って言われたんです。

でも期限がくる頃に「もう3年やってくれ」って言われて、そのうち商工会議所の定年に達しちゃって、「あれ、戻れなくなっちゃった」みたいな(笑)


――― もう観光協会でやっていくしかなくなったんですね(笑)


新谷 そうなんですよ(笑)

ただ長くやってて良かったと思うのは、大規模イベントなんかやるときは、やっぱり関係各所に話をしなければならないじゃないですか。

そういうときに、やっぱり長年の付き合いというのが良い方向に作用することってあるんです。


――― 市の職員だと3年とか5年で異動になっちゃったりしますよね。


新谷 そうなんです。ですから市の職員は関係各所とそういう関係を築くのが、仕組みとして厳しかったりするんです。

だから観光協会として、観光の分野でそういう役割をやらせてもらっているというのは良かったのかも知れませんね。

逆に言うと、「なにがあっても逃げられない」ということでもあるんですけども(笑)


(次回につづく→「道の駅」と「湘南スタジアム構想」を成功させたい。


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【Think Chigasaki】茅ヶ崎市観光協会の新谷雅之さん

・第1話 茅ヶ崎の大規模イベント仕掛人。

・第2話 なにも考えてなかったし、とにかくいい加減だった。

・第3話 そして天狗になる。

・第4話 「道の駅」と「湘南スタジアム構想」を成功させたい。




↓茅ヶ崎市観光協会

住所:茅ヶ崎市茅ヶ崎1-2-53/TEL:0467-84-0377/公式サイトTwitterFacebookYouTube




▼インタビュー・編集 小野寺将人(Blog / Facebook / Twitter

2015年、茅ヶ崎市に移住。「エキウミ」の管理人。住宅・不動産サイト運営会社、お出かけ情報サイト運営会社にて営業・企画職を経た後、現在は総合ポータルサイトにて企画職に従事。東海岸商店会の公式サイトの運営や、ハンドメイドアクセサリーブランドm'no【エムノ】のウェブマーケティングも行う。