Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

なぜ純正調を勧めるようになったのか

2018.10.25 08:30

今日は僕がなぜ純正調に取り組むようになったのか、ということについてお話しします。


合唱をはじめると「ここは第五音だから少し明るく高く感じた方がハモる」といった風に、自然とバランスや音程のことを気にして歌うようになっていくと思います。

僕も楽譜の音符一つずつに①③⑤⑦などの数字を書き入れて、自分の和音の中での役割を確認していました。

そして、自分のパートの旋律の中で、それぞれ⑤が出てきたら第五音なので、根音のパートに意識を持って聞く、というような作業をしていました。


ここで、一つ考えてみましょう。

このやり方、全ての和音で、根音をピアノで弾いた音をもとに歌うとしたら、一体、Cの音高は何種類出てくるでしょうか。

平均律のピアノのCを0セントとして考えてみましょう。

このように

①ドミソ→根音なので鍵盤の音と同じ 0セント

②ファラド→第五音なので少し高め 2セント

③ラドミ→短三度なのでだいぶ高め 16セント

④ラ♭ドミ♭→長三度なのでだいぶ低め -14セント

⑤ソドレ→第四音なので少し低め -2セント


といった具合に、各音に


①根音としての音高

②第五音としての音高

③短三度としての音高

④長三度としての音高

⑤第四音としての音高

などが存在します(実際はもっと多いですね)

それらの音をつなぎ合わせて各パートが旋律を作っていかなければ完璧なハーモニーは実現しません。

歌い分けなければいけない音程は何種類出てくるのでしょうか…

○種類の全音、□種類の半音、△種類の跳躍音程…

気が遠くなるほどの音程が出てくることと思います…


純正調は例えばハ長調の曲を歌う場合、Cの音をDoとして移動ドで読みます。

調の主音なので、その音は絶対にぶらさずに、そこから周りの音を設定していくため

Cはずっと同じ音高になります。

また周りの音もCを基準に設定していくため、複数の音高があったとしても、その種類は多くありません。

歌い分けるべき音程も両手で数えられる程度になります。


圧倒的にシンプル


なんですね。

シンプルということは、安定しやすいということです。

ハーモニーが安定すると、音楽がよりしなやかになるのでは、と思いこの理論を勉強してみようと思ったのでした。

まだその段階には行けていませんがσ(^_^;)

むしろ音程ばかりが気になって他が手につかなくなったりして(´・_・`)

まだまだ研究を続けていこうと思います!


という記事を書いたのは2015年。

あれから3年が経ち、僕もだいぶ進化しました。

もともとの純正調の師匠である犬飼将博先生が掲げておられた「純正調+ピタゴラス音律」を実行できるレベルに達することが出来たような気がします。


ハモる時→純正調

旋律をいい感じに歌いたい時→ピタゴラス音律


です。

純正調だけで歌う方が楽ですが、旋律的にもっといい感じに歌いたい!という時にはピタゴラスを。


文字面ほど難しくありません。

音程の取り方については、導音の問題などがよく話題になりますが(ソシレの長3度で低く or その調の導音で高く)、その辺の議論は全て選択肢として内包している素晴らしい理論だと思います。


それがグループ内で共有されると、きっとハモる相手の音程の取り方から、その人がどういう風に音楽を持っていきたいのかわかるし、その場の音楽をより深めていけると思います。


また、この理論は歌い分けるべき音程が数えられるほどしかない、というところがミソだと思います。

ケースバイケースが多くない。


ということは

訓練して鍛えられる

ということです。


僕はメソッドというものは、良い環境に恵まれて「天才」として育った人たちの境地へ「凡人」が近づくための道筋だと思っています。

パッと上手くハモれるなら良いですが、そういう人は小さなころから上手な聖歌隊とかで歌っていたり、良い環境によりそういう風に育ちました。

そうでない人は(ほとんどの人がそう)、使えるもの全て使って訓練して追いつくしかありません。


僕は幸運なことに、たくさんお金を使って、ボイトレや音程の取り方に関しては、非常にいいメソッドに出会えました。


純正調のレッスンもしています。

詳しくはLESSONのページへどうぞ!

合唱音楽、より深めていきましょう!