一族の土地・祖国は、他のエコヴィレッジとどうちがうのか
ロシアの祖国コミュニティでとても知りたかったことの一つは、
「一族の土地・祖国は、他のエコヴィレッジとどうちがうのか」
というところでした。言い換えるとアナスタシアの方式の際だった特徴って、どういうものなのかということ。
今回現地で聞いたことと、その後日本でシェア会をやって語り合ってきたこととで、いくつかはっきりわかってきました。
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まずドミトリさん達がいっていたのは、大きく分けると二つ。
一つは直接的には「一族の木を植える」ということ。
アナスタシアは祖国で赤ちゃんを迎えることについて語る場面で、かならず一族の木を植える必要がある、といっています。
この一族の木は、数百年にわたって先祖から子孫まで見守る木。この大きな木は、おじいちゃんのおじいちゃんが植えたものなんだよ、と語り継がれるような。
僕の中では勝手に、クスノキの大木みたいな鳥たちがたくさん集まる大きな木のイメージになってるんですが、北海道だとどうだろうな。
まあとにかく、一族の木を植え、先祖からのエネルギー的なつながりと守護がある土地になる、ということが一つ際だった特徴。
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そしてもう一つは、人が創造主となって愛の空間を創るということ。
アナスタシアは、人間の役割の重要なものとして、他の生き物たちに使命を与えることを挙げています。その部分を初めて読んだときには、僕はちょっと抵抗がありました。人がそんなこと決めちゃっていいの?って。
でもよくよく読み込んでいくと、人がそれぞれの生き物の特性を深く理解することで、放っておいて「自然に」できるものよりも、もっと美しく調和のとれた土地が創造されるということがわかってきました。そこに生きるそれぞれの命が、もっと輝くような楽園を人間は創造できる。
それは生態系の一部として慎ましく生きるよりも、もっと積極的で創造的な在り方。
祖国を夫婦が共同で創造していくにあたって、すべての命がある意味自然を超えて生かされるように設計する。
僕自身が植物とコミュニケーションをとるようになって、たしかにそれは可能だなと思うようになりました。実際僕がどこまでできるかはおいておいても。
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そしてね、この前東京でシェア会をやったあとにこういう話を仲間の後藤 志果ちゃんと話していて、彼女が言いだして僕もたいへん共感したことがありました。
それは、この上の二つをほんとうの夫婦、ほんとうの家族で創ることがやっぱり重要なんだということなの。たとえば家族みたいな仲間・拡大家族とかじゃだめなのか、というのは僕の中でも前から保留になっていた疑問でした。でもそこがクリアになった。
一族の土地として創造すると、おじいちゃんがあなたのことを思って植えた森がここにあるのよ、って感じで、のちの世代への贈り物としての愛の次元空間がそこにある。生まれたときから、その楽園に守られてる状態、それがデフォルトの子ども達が生まれてくる。
その生態系が、生まれたときから赤ちゃんのことを知って守っている(祖国では、人間の情報をそこの植物に伝えていくから)。
だから当然のように次の世代に受け継がれるんですよね。
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僕が知る限り、これまでのほとんどのエコヴィレッジの試みは、生態系の持続可能性は考え抜かれていても、人から人へ受け継がれる、という持続可能性は手薄だった。
有名なレインボーバレーファームも、写真を見て人々の話を聞くだけで夢の国みたいな場所だとわかるほどだったけれど、そのまま引き継ぐ人はいなくて、買い取られてたぶんなくなってしまった(ご存じの方がいたら教えてください)。
人から人へと受け継いでいくにあたって、一族の土地として創造することの意義深さがよくわかるようになったのでした。
こういうことをどんどん語り合うことで、自分たちがやろうとしていることがなんなのか、わかってくるのがありがたいです。またシェア会やりますからね。
(写真はドミトリさん達が植えた一族の木で、カシワとかコナラみたいな植物でした。)