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NATURAL BORN HEROES

【超長文レポート】斑尾高原トレイルランニングレース(Madarao Forest Trails)

2018.11.06 05:16

5年連続出場。そんな大会はこの大会しかない。


斑尾高原トレイルランニングレース。


日本のトレイルランニングレースの中で、BEST3に入る大好きな大会だ。


トレイルランニング界のレジェンド・石川弘樹氏プロデュースによる本大会は、国内屈指の「走れる(走らされる)」トレイル。ホスピタリティに溢れ、前日から何かがほとばしるほど楽しい大会。石川さんプロデュースの大会は本当に間違いがないので、今年は奥三河、信越五岳、斑尾と彼のプロデュースレースを3つも走らせてもらった。全部楽しかった。


東京から長野はとても遠い。少しでも渋滞があれば、車移動で5時間くらいかかる。それでも毎年このレースに「通い」続けているのは、やはりそれだけ魅力的なレースだからだ。


そして毎年参加しているということは、毎年の自分の成長(退化)を図ることができる健康診断のようなレースでもある。過去四年間の成績は以下の通り。


2017年:023位 5:25:21
2016年:047位 5:44:37
2015年:152位 7:04:12
2014年:021位 5:20:36


そう、最初に参加した2014年が最高タイム、最高順位であり、人事に異動した2015年、2016年は大幅に退化している(特に2015年はひどい)。結論、人事は太る。


昨年は人事を辞め、体調管理に時間を取れるようになったので、2014年に匹敵するタイムを記録する事ができたが、女子1位の福島舞選手に敗北を喫し、悔しい思いをした。それ以来、勝手にライバル視している(一方的に)笑。


そんな僕にとって特別な意味を持つ本大会。実は少し心配なことがあった。


毎年人気すぎていわゆる「クリック合戦」必至の本大会。トレイルランニングをやらない人からすれば、山の中を50kmも走らされる罰ゲームのようなレースがエントリー開始数分で満杯になるなんて理解ができないと思うけど、昨年まではそんな大会だったのだ。


しかし今年はそのようなことが起こらず、しばらくの間エントリーが「可能」な時間が続いていたのだ。つまり満杯にならなかった。


どうした?


ある有名なトレイルランナーがこの現象を指して「トレラン人気もちょっと下がってきたかな・・・」みたいなツイートをしていたんだけど(心無いコメントだなぁと思いつつも)、確かにいくつか思い当たることもいくつかあり、ちょっと会場が殺風景になったりしていないか、熱量が下がったりしていないか、少しだけ心配していた。


しかし会場に到着すれば、そんな心配は杞憂であった。いつもどおり以上の熱気、トレイルを味わい尽くしてやろうという参加者たちの顔は明日のレースへの期待に満ち溢れ、むしろ成熟した楽しみに達したかのようにも感じた。


さて、スタートである。



週間天気予報では「雨」となっていたが、さすがは晴れ男(自称)。圧倒的な「曇り」模様で、絶好のトレイル日和となった。寒すぎず、暑すぎず。過去最高とも言えるトレイルコンディション。


例年より2週間後ろ倒しでの開催。例年より少し肌寒い。しかし走れるトレイルなら、これくらいがちょうどよい。


トレイルランナーとしてのレベルは間違いなく上がっている。気候も完璧だ。装備も例年よりも完璧に準備したし、コースマップを完全に頭に叩き込んである。


懸念は、唯一つ。


体重が・・・増えたのである。しかも5kgくらい。


いや、もはや驚くことではない。僕にはよく起きる出来事だ。


仕事の性質上、会食は避けては通ることができない。でもビッグレース前にはなるべくお断りをしている。今年は信越五岳(9月半ば)が勝負レースだったため、その前に会食はほとんど入れず、その分レース後(9月半ば以降)に集中して会食を埋めていた。結果、毎日会食という状態に陥り、当然、体重が増えた。


身体能力は◎、しかし体重が☓、というなんとも予想がつかない条件設計。


しかし、容赦なくスタートの号砲が鳴る。


自分の感覚を確認しながら進む。スタート直後、例年と少しコースが異なる道を確認しながら、ひたすら進む。登る。うむ、悪くない。体重の重さは感じるが、それ以上に筋力が上回っている。


予定通り、20位前後を維持するペースで突き進む。


スタートの斑尾スキー場区間を抜け、10kmほどの「走れるトレイル」区間をひたすら進む。このあたりは4'30-4'40/kmくらいのスピードで。想定通りだ。


13km地点からは緩やかに登る林道区間に入る。僕はシングルトラックの下りが最も得意で、次に平面、直登系の上りも最近克服してきたのだが、ダラダラと登る林道系の上りが非常に弱い。ここで5'50/kmくらいまでペースをダウンする。ある程度意図的に。


しかしここで思いもよらないことが起こる。一緒に出走していたこまっちゃんa.k.a.トムに追いつかれたのだ。


走力的には当然といえば当然なんだけど、全く負けるつもりがなく、多少体重が増えてても「勝てるっしょ!」と何故か彼を下に見ていた笑 大変申し訳なんだけど、追いつかれるなんて微塵も思っていなかったので、思わず「飛ばし過ぎじゃない?」と声かけちゃう始末。


ここで意外とメンタルをやられたのか、斑尾山の上りでは力が全く入らず、一気にこまっちゃんとの差が広がる。数人の後続ランナーにも抜かれながらピークハント、下りもあまり調子が上がらずA3レストランバンフに到着。


ここで初めて給水。うーん、ちとこのままだとまずい。Vespaをちょっと早いが投入し、ゆっくりとモルテンをフラスコに溶かす。5分位休み、集中力を改めて上げる。ここから、THE斑尾トレイルが始まるからだ。


しかし、そこまで調子が上がらない。袴岳ゾーンは昨年失速したエリアだが、今年もなかなか調子が上がらない。4回続くアップダウン。女子トップ選手とデットヒートを繰り広げる。上りで引き離され、下りで追いつく、これを繰り返す。昨年はこのあたりで女子一位の福島選手に抜かされてしまった。


当初の予定では袴岳山頂(約30km地点)からロングスパートする予定だった。袴岳山頂についた。カフェイン入のジェルをぐいっと入れた。さぁ、スパートだ。


僕の体は本当によくわからない構造になっていて、下りで一気にスイッチが入る。そしてカフェインと非常に相性がいい。ここから、逆襲が始まる。


すごい勢いで袴岳を下りきり、赤池エイドへ。このあたりからショートコースの人とコースが重なる。ぐんぐんスピードを上げ、ショートコースの選手を追い抜いていく。


「すいません、通ります!」

「ごめんなさい、右通りますね!」

「ゴールまであともうちょい、がんばりましょう!」


ショートの選手に声をかけながら、その自分の声すら力にして、順位をぐんぐん上げていく。斑尾山周辺で抜かれた人は、毛無山ピークまででほとんど拾うことができた。


あとはこまっちゃんだけだ。


毛無山からは数キロ走れるトレイルが続き、最後に100mほど登る。コースレイアウトは頭に入っている。今の体のコンディションなら最後までこの勢いは持つはず。


とにかくプッシュプッシュプッシュ。


呼吸を荒く「ハァ、ハァ、ハァ」とあえて大きくすることで、リズムを刻む。一人ひとり、追い抜いていく。しかしこまっちゃんの背中は見えない。「ハァ、ハァ、ハァ」、プッシュプッシュプッシュ。


一人、また一人、前を走る選手を追い抜いていく。この区間でかなりの選手を追い抜いた。そして、いつの間にか、ゴールが見えていた。


結果は、


総合13位 05:07:33


過去最高の出来だった。


こまっちゃんは僕よりも7分速い05:00:05(総合11位)。うーん、完敗。でも今の条件で出し尽くせたし、やっぱり斑尾高原は楽しかった。


しかし驚きだったのは、昨年このレースで出会って、時々やり取りをしている田中さん。昨年は途中まで一緒に走り、最後ちぎられ、総合18位(5:19:50)だった田中さんが、今年は総合3位に大躍進(タイムは04:26:19と激速)。


僕も一年で成長したけれど、田中さんの成長は半端ない。僕よりも年上の田中さんがこれだけ成長出来たのだから、僕もこの一年でもっとレベルアップできるはず。


来年の斑尾ももちろん出場予定、そして次こそは入賞狙って頑張りたいと思います。


#自分史上最高

#自分史上最速


【装備】

装備は概ね問題なく、非常に気持ちよく走ることができた。改善できるとしたらテラカイガーとR✕Lソックスの相性。シューズないでのズレが頻繁に起きて、久々にマメができてしまった。インナーファクトがやはり良いかも。

・シューズ:NIKE テラカイガー4(かなり名作シューズなのでアップデートに期待)

・ザック:THE NORTH FACE TR6(BLACK)

・パンツ:MMA Air Light Run Pants version GR(#GR)

・Tシャツ:answer4 “KEEP MY MIND”Tshirt

・ソックス:R✕Lソックス

・CAP:MMA GR CAP(#GR)


【補給食】

ジェルボトル✕3つ+Vespa Hyper+モルテン360✕2袋。補給はかなりカロリー多めの布陣で臨んだが、結論これほどはいらなかった。また濃度も高く、1ボトルあたりジェルを1袋減らし、水分で飲みやすさを向上させるよう改善する。メイタンCCCは相変わらず効く。まずいけど。

ジェルボトルA✕2

ジェルボトルB✕1

 A:粉飴ジェル3本+マグオンアップル1本

 B:粉飴ジェル1本+マグオンアップル2本+メイタンCCC1本