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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

新王朝誕生3-麗し強し英王妃百年戦争の種

2018.10.16 11:51

1307年、英国王の急死でその子エドワード2世が即位した、23歳。翌年仏王フィリップ4世との約束により、娘イザベラと結婚、父王似の彼女は「麗しのイザベラ」と呼ばれる美貌だったが、またしても英仏王家の血が混ざり、100年戦争の原因となる。そして女傑アリエノールの血をひく王妃は美貌だけではなかった。

新王は幼な友達の側近ピアーズ・ギャビストンとイチャイチャし、摂政にまでしてしまう、オイオイ同性愛じゃねーの?そうしている間にスコットランドではロバート1世が着々と勝利を重ねていく。不満を持つ諸侯は王妃のもとに集まり、1310年議会で王に詰めより、11年に「改革勅令」が出され、ますます王権が縮小。ギャビストンは追放され、戻ったところを12年に斬首された。

王はいいとこ見せようとスコットランド遠征を行うが、14年6月バノック・バーンの戦いで大敗。議会対宮廷の戦いは激しさを増し、22年改革派指導者が処刑され宮廷派の政権奪還。しかし23年に遂にスコットランド王はローマ教皇から正式に承認され、24年仏王が英領ガスコーニュへ侵攻。実は王妃はロンドン塔に幽閉されていたが、英領土安堵のためフランスへ行き、そしてチャンスと、フランスに逃れていた愛人マーチ伯モーティマーと共に反乱を起こすのである。

帰国した王妃軍は歓迎され、側近達は逮捕されて処刑。王は逃亡したが逮捕されて幽閉された。そして27年王は議会によって廃位され、王太子がエドワード3世として14歳で即位した。憐れ夫王は、今や王太后となったイザベラに暗殺された。麗しのイザベラは「フランスのメス狼」と呼ばれたという。
下は凱旋する英王妃イザベラ