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退屈と惰性と 改

HG デミギャリソン レビュー

2023.12.29 12:09

 今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード より、

“HGTWFM デミギャリソン” です。


 “機動戦士ガンダム 水星の魔女” に登場するブリオン社製の量産型モビルスーツ、

“MSJーOP122 デミギャリソン” が、

HG水星の魔女シリーズに登場。

 プレミアムバンダイ限定で発売されました。


 御三家の軍用量産機は一般販売されたのに、なんでデミギャリソンだけプレバン送りになっちゃったの?

 しかももうアニメの放送も終わって久しい 。

 これもベネリットグループ内の力関係によるものなのか・・

 いや、ダリルバルデ、ファラクト、ミカエリスの新装備も同様にプレバン限定になってるので関係ないか。

 アニメ放送と並行して展開するキットシリーズでは、後半に登場する機体がキット化されにくいという状況はままあります。

 とくに水星は2クールと過去のガンダムTVシリーズのおよそ半分の尺しかなかったわけで・・

 いやでも分割放送だったから、期間的には4クール連続放送とあまり変わらない?

 ちなみに、水星HGシリーズで一般販売されたキットの数は、prologue登場機体含め24種類。

 あのSEED(1期4クール)でも当時HGで発売されたキットは16種類ですから、いかに今回のプロジェクトに力が入っていたかがわかります。

 ただアニメも終わって間もなく半年。

 初版はなかなか買えなかったキットたちも何度か再生産され、結果現在かなりの在庫が溢れているという状況にはなんとも言えないものがありますが。


 それでは、レビューしていきます。

 キットはパチ組みに最低限の墨入れ、付属のシールを貼ったのみです。

 なおパッケージはいつものプレバン仕様ですが、説明書は一般販売のものと変わらない片面カラー仕様でした。

 機体や武装の解説も載っているのはありがたいですね。


MSJーOP122 デミギャリソン

 警備、軍事用に戦闘特化仕様として調整された、デミシリーズのハイエンド機。

 基本構造はデミトレーナーとほとんど変わりませんが、性能は数段向上・・というか、こちらが本来の数値なんでしょうけどね。

 御三家の機体のように、なにか突出した要素はないものの、平均的になんでもこなせるほか、整備性、コストパフォーマンスに優れています。

 デミトレーナー同様、多彩なオプションの使用も可能です。

 キットは多くのパーツをデミトレーナー、デミトレーナー チュチュ専用機から流用したもので、頭部や肩アーマー、膝アーマーなどを新規造形で再現。

 両肩に追加された大型のスラスターユニットのため、案外デミトレーナーとは異なるシルエットになっています。

 シンプルな訓練機ではなく、あくまで実戦仕様なんだな、とわかりやすい変化だと思います。

 さらに多数のプション並走も新規造形で付属。


 ということで、主に新規造形部を中心に各部を見ていきます。


 頭部は襟のようなグレーのパーツと後頭部に付けるロールバー基部パーツ以外が新規造形。

 額から後ろに繋がるトサカ状のパーツやビームバルカン、左側にいロッドアンテナが追加されています。

 メインカメラはクリアパーツで再現。

 後頭部にはカメラが追加。

 ロールバーもトサカパーツとの兼ね合いなのか、新規造形です。

 

 肩に装備するボックス状のスラスターユニットは新規造形。

 スラスターユニットは肩アーマーとの接続アーム含めけっこう動かせます。

 右肩アーマーのフロント管理社のマークはマーキングシールで再現。

 なお、各部センサーなどに貼るシールも今回は同様のマーキングシールとなっています。

 ちなみにフロント管理社とは、ベネリットグループ傘下の管理会社で、各プラントに警備部門を有し、多数のデミギャリソンを運用しています。


 ハンドパーツはトレーナーから流用の汎用持ち手、オプションパーツセットから流用の平手に加え、格闘戦時のナックルモードとされる握り手が新規造形で追加。

 平手のみ手甲パーツがグレー成型ですが、持ち手の手甲のパーツと交換できます。

 握り手の手甲パーツは専用になっています。

 しかし、わざわざ新規造形で付けたにしては造形がイマイチなんですよね、握り手・・


 バックパックもチュチュ機と同じもの。

 さらに基本仕様として左右側面にビームサーベルラックが追加されています。


 腰部はフロント部に装甲が追加。

 脚部はスラスターを備えた膝アーマーが新規造形。

 スラスターは上下にスイング可動します。

 脛即面に装備するのはチュチュ専用デミトレーナーも装備していたフレキシブルスラスター。

 回転、上下スライドが可能です。

 なお、足首にもチュチュ機と同じ延長パーツが追加されています。

 そう思うと、チュチュ機はデミトレーナーよりもデミギャリソンにより近い機体なのかな?


 踵部分はウィルダッシュプラスのローラーにさらに小型のスラスターが内蔵されたものになっています。

 地上戦はもちろん、空間戦への適応力も高めてあるということでしょう。


付属武装

ショートライフル

ミドルライフル

 ショートライフルは速射タイプの近距離用、ミドルライフルはチャージジョットも可能な中距離用のビームライフル。

 基部は共通で換装可能という設定ですが、今回はそれぞれ別個で造形され、分解、換装ギミックは再現されていません。


ロケットバズーカ

 実体弾式の大型のバズーカ砲。

 メイン、サブグリップがそれぞれ可動し、肩に担いだ状態で両手で構えることも可能です。


ビームサーベル

 近接格闘用の斬撃武装。

 ビーム刃はいつもの汎用パーツなので、正直ちょっと長い・・

 デバイスは先の通り、バックパック左右側面にマウント。

 軸接続なので回転可能です。


4連装ビームバルカン

 マニピュレーターと換装するタイプのバルカン砲。

 トレーナーでも使用していたもので、オプションパーツセットにも付属していたが、今回あらためて新規造形で再現。

 形状は同じものですが、左右分付属し、さらに前腕に装着するオプションカートリッジが追加されています。


ミサイルランチャー

 4連装のボックスタイプのミサイルランチャー。

 ビームサーベルに換えてバックパックの側面に装備します。

 これも2基付属。

 内蔵の可動アームとバックパックの接続面の2箇所で可動します。


 以上、すべて新規造形の武装となります。


大型ビームライフル

 チュチュ機がメインウエポンとして使用していた狙撃用のライフルもオマケ扱いですが付属。

 ただオプションセット同様、エネルギーチューブ用のリード線は付属しません。


シールド

 チュチュ機が左肩に装備していたシールドもオマケで組めます。


 その他、デミトレーナーおよびチュチュ専用機のパーツがけっこう余剰で出ます。

 これは、色違いのデミトレーナーやチュチュ専用機が組めるのかな? と思ってやってみました。


 こちらがデミトレーナー。

 惜しいですね・・

 メインカメラのクリパーツとバックパックや武装類のグレーのパーツが省かれているので完成はしません。


 そして、デミトレーナー チュチュ専用機。

 こちらはさらに惜しい・・

 カメラ用のクリアパーツと大型ビームライフルのエネルギーチューブ用のリード線が足りないだけ。

 ここまでできるならもう全部のパーツ省かずに入れといてくれればいいのに。

 100円200円上がってもいいしさ。


比較画像

 デミトレーナーと。

 デミトレーナーと較べると、脛の延長と肩のスラスターユニットの追加で一回り以上大きくなっています。

 御三家の量産型よりも訓練機と実戦機の違いが明確ですね。

 チュチュ専用機と。

 やはりチュチュ機はデミトレーナーというよりはデミギャリソンのカスタム機というほうがしっくりきますね。

以下、画像

 基本構造はデミトレーナー・・というかチュチュ機とほぼ変わらないので、よさも悪さもまぁいっしょ。

 個人的にこの型一番の問題は足首が軸接続のため左右回転しかできない点。

 前後スイングができないため接地性に難があり、ポージングの幅が狭いです。

 しっかり自立できるポーズが限られるんですよね。

 これくらいのポーズでも補助用のスタンドがないと厳しいし・・


 完全に浮かせるぶんには関係ないですけどね。

 劇中でも宇宙空間で使われていることが多かったと思いますし。


 一方、武装が豊富に付属するので、あれこれ装備を変えるだけでも楽しめます。

 ビームバルカンで。

 ミサイルランチャーでも。

 腰部のスイング可動もあって立て膝は綺麗に決まります。

 素手でも。


 豊富な武装類はデミトレーナーに持たせるのももちろんいいですね。

 御三家の軍用量産機にも合います。

 ゆえに、武装類についてがオプションパーツセットその2として一般販売してほしかったとは思いますね。

 いやまぁ、そもそもデミギャリソンも一般で売ってよ、という話なんですが・・

 1人だけこんな時期外れに、しかもプレバン送りになったオレの気持ちがおまえたちにわかるか? 


 以上、“HG デミギャリソン” でした。


 御三家の郡長量産機が一般販売されたので、当然こちらもと思っているうちにアニメ終わっちゃった・・

 まぁでも、みんなの記憶がまだ確かなうちにプレバンとはいえ発売されてよかったですね。

 既存キットの流用ではありますが、多数の武装含め新規造形パーツはかなりの量で、結果的にシリーズ最高額になるという・・

 いや、なかなかないですよ。ネームドキャラが誰も乗ってない量産機が主人公機やラスボス機より高くなるって。

 まぁ、新規造形の武器はどれも汎用性が高く、武器セットとしての価値はかなり高いと思います。

 デミギャリソン本体については、まぁデミトレーナーおよびチュチュ機とほぼ同じもので、見ためはいいんですがやはりクセのある足首の構造がネックです。

 なんで普通にボールジョイント接続にしなかったのか・・

 延長パーツとの兼ね合いなんでしょうが。

 その点さえ慣れれば・・あるいは気にならなければ、よいキットだと思うんですけどね。

 

 さて、来月にはダリルバルデ、ファラクト、ミカエリスの新装備のセットも発売(なおプレバン限定)されますね。

 その後は今のところとくに展開はないですが、プレバン限定ならばまだ水星HGシリーズ継続の可能性はあると思います。

 まず既存キットの流用で出せるものがいくつかありますね。

 量産型ルブリスとか、ハイングラとか。

 とくに量産型ルブリスはなんでこんなに引っ張るのか・・

 あとは、やっぱりガンドノートは欲しいなぁ。

 バックウエポンシステム(違う)も付けてとなると3,000円超えそうですけど。

 しかも完全新規になるし、ハードルは高いか。


 といったところで、今回は終了。

 またのご訪問を。