高島屋様で起きた崩れたケーキ問題を推察
今回の件でも詳しく的確に説明しておられます。
「パテシェ有賀のYouTube製菓学校」
オーモリ製麺工場では、生中華麺の製造や冷凍ラーメンを製造してたり、冷凍された食品も仕入れることもあり、冷凍や冷蔵の知識を経験から学んでます。
今回の崩れたケーキ問題の原因は、結構よくあるケースだと思われます。
では何故起こったのか、自分なりの推察しようと思います。
前述に申しましたとおり、弊社では冷凍されたものを仕入れることが多々ございます。
弊社では、商品が到着時に必ず開封して冷凍状態を確認しております。
これは冷凍してない状態で商品が到着するケースが多々あるからです。
凍結後、解凍されて商品の表面が濡れて届くケースも稀にありますが、多くは「まだ凍ってない状態」で納品されてくるケースが大半になります。
商品の状態を確認すれば、おおよその原因は分かってしまうので、取引先に連絡し状況を説明し、想定される原因と改善策を相談させていただきます。
今回の「崩れたケーキ問題」も恐らく同じだと思いますが、これはあくまで自分なりの推察です。
原因となるきっかけ
この「崩れたケーキ問題」で、通常と違うことが行われております。
苺の入荷が遅れて、冷凍する時間が20時間〜25時間だった。
シンプルにここに焦点を当てるべきことです。
冷凍庫に入れたものが20時間入れたら普通凍りますし、誰しも経験から凍るものだと思います。
製造して冷凍庫に入れて、翌日に発送してるだろうと思いますので、本当に最低でも20時間以上冷凍庫に入ってたんだと思います。
でもこれ、私は凍ってないことが起こったと思っております。
凍ってないケーキを運送会社さんが運搬したことで、今回の崩れたケーキが色んなところで多発したと思います。
では何故凍らなかったのか
今回、製造工場に委託してケーキの製造をしています。
ここでもあくまで私の経験上の推察です。
恐らく業務用の大容量の冷凍室を持ってて、そこで今回作ったケーキを冷凍してるだろうと推測しております。
冷凍室タイプというのは、正常に凍らせようとすると、実は思ったほど入りません。
どうやって冷凍してしまったのか
発送までの時間がなかったことからケーキの製造後、梱包用の段ボール箱に入れてから冷凍室に搬入したと思います。
もしくは、通常もこのような動作を行っていたのかもしれません。
これにより冷凍室内にケーキを積んで、冷凍できるので、想定通りの収納性を確保できます。
しかも宅急便を使用して発送するため、強化段ボール箱の使用は必須になるだろうと思います。
弱い、薄い段ボール箱は他の荷物の下に積まれると重さによっては簡単に潰れてしまうからです。
「断熱性能がかなり高いものになります。」
段ボール箱に持ち手の付いている穴がある場合、そこへの冷気の流入があるため、幾分早く凍りますが、持ち手がない場合には、かなりゆっくり凍ります。
正直20時間では全く凍らないです。
今まで通り2週間前から作っていれば、段ボール箱に入れてからの冷凍でも凍ると思います。
食品衛生の観点からだとあまり良くはないことだと思いますが…。
冷凍したものを発送する場合、冷凍してから梱包するのが、正しいやり方になります。
段ボール箱に梱包してから冷凍は誤ったやり方になります。
カタチは如何あれ、広範囲でこのトラブルがあるので、運送会社によるものではないかと思いますし、
運送会社さんが集荷して冷凍庫に入れてないならもう分かってるでしょうから。
解凍後の離水もないようなので
冷凍されたものが解凍されてこうなったものではないと思います。
こういったことは保健所に相談すれば、親身に相談に乗ってもらえるし、原因究明と再発防止は可能ですので、おすすめします。
また企業として原因究明や再発防止策を提示できれば、これだけ注目を浴びたニュースなので、こういう食品衛生の問題が少なくなり、社会貢献できると思います。
再発防止策は?
食品事故を起こさないための冷凍の仕方。
・凍らせる場合、極力冷気が直に当たるところに置くなどして工夫する。
・冷凍室タイプには棚等を設置し、収納性と通気性を確保する。
・冷凍する場合、「この状態なら何時間で凍るのか」を把握する。
・梱包は凍ったのを確認してから。
・冷凍庫や冷蔵庫の温度計だけを信用しない。冷気がでてるか、または冷気が届きにくいような隅等に温度計を置いてみて、温度が正常になっているか確認する。
・冷凍庫は業者から定期的にメンテナンスしてもらう。
・冷凍庫や冷蔵庫の冷気を塞がない。
・食品を段ボール箱の中に段ボール箱を入れる等、二重梱包はしない。
商品に全く冷気が伝わらず、冷凍庫に入れておいても溶ける場合があります。
最後に
段ボール箱に梱包してから、冷凍冷蔵をされているところは非常に多いです。
食品衛生上、危険な行為だと思います。
これを読んで気づいて頂き、少しでも再発防止に努めて頂けたら幸いです。