棒高跳の旅 in アメリカ・ヒューストン 第2話
こんにちは、米原です!
前回は観光地やチームのスケジュール、そしてピットでの跳躍練習を行う前に行っていた、突込みやポール降ろしドリルについて紹介しました。
第2話となる今回はその続きとして・・・
実際にピットでの練習について、今やっていることを紹介していきたいと思います。
【ハンドシフトとノーハンドシフト】
僕が参加しているチームで行っている跳躍練習は大きく2つに分けられます。
① Hand-Shift
② No Hand-Shift
①は踏切を行う前に下の手をスライドさせ、両手を揃えた状態で跳躍を行います。
②はハンドシフトを行わない、実際に試合で用いるようなグリップ幅での跳躍です。
跳躍練習の日には、その日の練習の目的に応じてどちらの方法で跳躍するのかが決まります。
もちろん、目的に応じて助走歩数も変化します。
以下に跳躍練習の(特にハンドシフトに関する)ポイントをまとめます。
≪それぞれの目的≫
①:跳躍技術、動作のタイミングの修正
②:①で行った動きをより長く硬いポールで再現する(実際の跳躍に反映
ハンドシフト練習が技術の修正や改善に用いられ、ノーハンドシフトはより実際の動きに近い動きとして現状の確認や、技術の刷り合わせとしての目的で行っています。
≪ハンドシフトを用いる理由≫
Q. なぜハンドシフトを行うのか?
A. より体の動きが活きる跳躍を習得するため
ハンドシフトでの跳躍は竹ポールやメタルポールの時代に行われていた跳躍スタイルです。
その後グラスファイバーポールになり、ポールが湾曲するようになりました。
グラスファイバーでの跳躍において、選手の中に「ポールを曲げるための動き」が出てくるようになりました。それにより踏切後のポールスピード(ポールが立つスピード)が上がらず、併せてスイングやポールを操作する動きが活かせなくなっている、また動きのタイミングにもずれが生じている。と僕のコーチは考えています。
そして、この動きの改善やタイミングの修正を行うための方法として、ハンドシフトでの跳躍が非常に効果的であると考えています。
≪ハンドシフトのポイント≫
大きく5つのポイントがあります。
① 踏切位置:上グリップの真下、またはそれよりも遠く
② 踏切姿勢:体が伸び切っていること(肘や膝を曲げない)
③ 踏切後:体(特に肩から胸にかけて)が大きく伸展すること
④ スイング:スイングは大きく強く
⑤ スイング:④と同時に、ポールをバー方向に動かす(地面に対して垂直の角度まで)
ハンドシフトでの跳躍とともに、ノーハンドシフトでの跳躍練習の日もあります。
その日はハンドシフトで行っていた動きを、ハンドシフトすることなく跳躍する中で、再現できるのかを確かめていきます。
そして、動きが改善できている場合は、どんどんポールを長く硬くしていきながら跳躍を行います。
【ハンドシフトでの跳躍練習】
実際にこのハンドシフトでの跳躍を8歩や10歩、12歩と日によって歩数を変化させながら行っていきます。
実際にハンドシフトで跳躍を行っている様子を紹介します。
* 参考にポールサイズも載せています。僕は身長174㎝、体重68kgくらいです。
** グリップ位置は、ポールが簡単に起きる位置で初めは行い、動きの修正に集中できるようにします。動きが改善されるにしたがってグリップ位置を少しずつ高くしていきます。
8歩助走(湾曲なし)
*使用ポール:13ft 190lbs(14ft 170lbs, 15ft 150lbsで代用可能)
**グリップ位置:3m60cm
10歩助走(湾曲なし)
*使用ポール:13ft 190lbs(14ft 170lbs, 15ft 150lbsで代用可能)
**グリップ位置:3m80cm
12歩助走(小さい湾曲)
使用ポール:14ft 175lbs(15ft 155lbsで代用可能)
**グリップ位置:4m10cm
やや文面で伝えるには難しい内容ではありますが、現段階でのまとめとなります。
これから屋内試合が始まる中で、新たな発見や気づきがまだまだ起こりそうです。
その時は随時、紹介していければと思います!