下北へ、函館から意外と手軽な日常離脱
2018.10.20 03:01
北海道といっても函館は南の端、道内を旅するのは決して便利とはいえない。
たとえば、函館から稚内へは、紀伊半島の南端から能登半島の北端に行くのと変わらない。
道内各地へ飛行機で行くとしたなら、東京からの方が便数も多くて、はるかに便利。割引運賃を使えば、函館から飛行機や列車を乗り継いで行くより安くすむ。
さて、函館暮らしも8年目。道南の各地へは、そこそこ行き慣れているので、泊まりがけの小旅行をしても、なかなか日常気分から抜け出せない。
そういうわけで、困ったものだと思っていたが、下北半島へ行くという手があることに、遅まきながら気がついた。
下北半島・大間へのフェリーターミナルは、ぼほ北斗市に近い海岸町にあって、旧市街からちょっと遠いが、車だと別に苦になる距離ではないし、車なしでも函館駅発ベイエリア経由のシャトルバスも出ている。
運賃にしても、人間だけが乗る場合、スタンダードクラスの大人片道は、閑散期で1810円、混雑期で2600円、Web予約すると10パーセント割引になる。函館駅からバスで江差や松前に行くのと、だいたい同じくらいである。
さらに嬉しいのが所要時間だ。函館から1時間半の船旅で大間に着く。ちなみにバスなら、江差へは2時間半、松前へは3時間。心理的距離は、大間の方が近いといえる。