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『ハード・コア』レビュー【たけ】

2018.11.01 03:33

平成の奇書!伝説的コミックが遂に映画化!

🎥特別招待作品🎥

ワールドプレミア

🇯🇵『ハード・コア』

監督▶︎山下敦弘

出演▷山田孝之、佐藤健、荒川良々、松たか子、石橋けい、首くくり栲象、康すおん


現代日本ー都会の片隅で細々と生きる権藤右近。純粋すぎるが故に世間に馴染めず、いつも居場所をなくしてきました。彼が唯一心を許すのは、共に埋蔵金探しの仕事をする牛山。そして2人を見守るのが、右近の弟でエリート商社マンの左近。ある日彼らの前に謎のロボットが現れ、人生が一変するような一大事が巻き起こる…。


真面目に生きているだけでは決して報われない世の中。そんな事は誰でも分かっているはずなのに、山田孝之演じる権藤右近は狂おしいほどに真面目に日本で生きている。それにより世間に馴染めず、居場所を無くしていましたが、仲間に出会う。と牛山、そしてロボオ。


右近は、真面目すぎるが故に、女の愛し方も

社会への溶け込み方も分からない。牛山は厳格な家庭のプレッシャーから心の声を失ってしまった。ロボオと呼ばれる不細工なロボットは、人の手によって作られたAI。裏表のないこの3人が必死に生きる様は、とんでもなく格好良く、でも笑ってしまう。


中でも、私が1番好きなのは、荒川良々演じる牛山です。号泣・ヨダレ垂れ流しのインパクトは凄まじいです。可哀想なんだけれども、それをコメディチックに演出できるのは、さすが名俳優です。決して彼を見捨てられない右近の気持ちも分かるぐらい、愛おしいキャラクターです。時々気持ち悪いですが。


平成も遂に終わります。2020年には東京オリンピックも控えている。時代の転機を私たちは迎えている、そんな中で、現代日本社会に一矢報いるため懸命に生きる、しかし、その方法なんて全くわからない。だから必死になる。笑いの中に、絶対に何か心に響くものがあるはずです。


山田孝之さんと監督・山下敦弘さんの盟友コンビが、愛読書であったコミック「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を完全映画化。R-15の猥雑な描写がより一層彼らの必死な様を引き立てるます。豪華キャスト、スタッフで贈る、切なくて可笑しい、この平成末期に必見の、不器用だけど真っ直ぐ生きる男たちの人生活劇です。是非ご覧下さい。


鑑賞者 : たけ