BETTAKO -其の271-
2024.01.03 16:33
題名:母ヲ祝ウ
あっという間に、3日が過ぎてしまった。
6年ぶりの上野。
パラっパラと小雨が降っていた。
和食に纏わる情報が詰め込まれた
その順路は、1月2日とは思えないほど、
数多くの人の流れで、満たされていた。
日本の食材と思われがちの食物達、
実は外来品種として伝来した歴史や、
水に纏わる話は、訪れていた人達も
驚いていた事だろう。
順路を巡り、出口に向かう。
久しぶりに訪れた場所を歩きながら、
アメ横で三席空いた、飲み屋で少し
暖をとる。
かつて…箱根駅伝を2度走った甥っ子も、
共に訪れた和食展の面白味に興味を
抱いたのか、酒と水との関係性などを
より詳しく聞きたかったのだろう…、
キラキラとした目で嬉しそうに聞いてきた。
日が登り目が覚めた1月3日。
今宵は母の誕生日。
御歳87歳。
母親でありながら、私にとっては、
商売人の塊な様な人でもあるが、
大晦日の日、久しぶりに店に立ち、
客人達と話をしている母は、
実に楽しそうに見えた。
大好きな栗を用いた洋菓子。
孫達に囲まれ、少し照れ臭そうな
素振りを見せる母。
そんな87回目をみんなで祝えた、
夜でもあった。