「勉強の仕方」プリントを作ってみたというお話
「勉強法プリント」に関しては、ずっと構想を練っていたのですが、iMacが届いたのを機に、仮版ということで作ってみました。
ちなみに、レイアウトの参考にしたのは、2015年に国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」です。画像検索したスクリーンを貼っておきます。オシャレですよね。
SDGsは「世界を変革するための17の目標」ですが、こちらはスケールをだいぶ小さくして「目の前の生徒のための勉強方法」を記したものです。
まぁ、子ども達一人ひとりの成長が、世界をより良くすることに大いにつながると考えれば、これだって壮大な意義のあるプリントではないでしょうか。うん、一旦そういうことにしておきましょう。
内容に関しては、あくまで僕が指導するときに使いやすいものになっているので、賛否両論あると思いますが、本日は一応プリントに沿って勉強の仕方を説明していきますね。
このプリントは、見ての通り勉強犬印の勉強法「STAR」が基盤になっています。
え?STARを知らない?え、あ、これは恥ずかしい。ちょっとさも当たり前感を出して「見ての通り」なんて言ってしまった1行前の自分を殴ってやりたいです。
いいでしょう、いいでしょう、このブログでも何度か触れているのですが、ここで改めて説明させていただきます。ちなみに、この度ちょっと変更したので、尚更過去は忘れてもらって大丈夫です。
それでは僕のオススメの勉強法「STAR」を説明していきましょう。
勉強法「STAR」とは
勉強法「STAR」とは、
【S】Set(準備する)
【T】Think(考える)
【A】Action(行動する)
【R】Re(繰り返す)
の頭文字を取って繋げた言葉です。ええ、勉強する上での4つの順序を考えていったら、たまたまSTARになったので「これいいな」と思って採用しました。
ここに「目的・目標達成までの期限」という時間の要素が定まると、【T】time(時間)が加わって、STARTするという勉強法です。ここは、「おお」とか言いながらちょっと驚いてくださってもいいところです。
その「STAR」を細かく説明したのが冒頭のプリントです。
このプリントは、「君の為の勉強法」がテーマ。
例えば「勉強がつまらない」と呟く君が、この「STAR」で勉強の方法を知って、成長して、「わかった」と「できる」を集めて、楽しくなってきて、ニコって笑うその煌めきの瞬間を目指しています。
そう、「STAR」とはつまり、君が光り輝く為の勉強法なのです。
だからこれまた例えば「勉強の仕方がわからない」と嘆く君に、「じゃあ、この順番でやっていけば、絶対に成長できるよ」というのを示すときに使うことを想定しています。
細かいところですが、一応各順序(STAR)の始まりの四角の色と右下の文字の色はリンクしています。Setが1〜3、Thinkが4〜7、Actionが8〜13、Reが14という具合ですね。
それでは一つずつの四角について端的に説明していきましょう。詳しくは稿を改めて一つずつ心を込めて書いていきたいと思うので、今回は全体像をさらう感じでさらりと参ります。
1 なぜ勉強するのかを知る
それはつまり、目的を知るということです。
目的が分かっていれば、人は強くなれます。また、大きく逸れた道を歩かずに済みます。
「●●になりたい」「○○に入りたい」「次のテストであいつに勝ちたい」「選択肢を広げる為」「モテたい」
目的自体はなんでもかまいません。君にとっての勉強する目的を見つけましょう。
それはきっと君の道中を明るく照らす、太陽のような存在になってくれるはずです。踏み出す勇気と元気と温かさだってくれるでしょう。
2 体調管理は自分の役目
これはもうまさにその通り。元気じゃなくちゃ勉強だってできません。
中学生であれば、0時までに寝るとか寝る前にスマホは見ないとかしっかり食べるとか適度な運動もするとか、基本的なことをきちんと実行していれば元気の塊のはずです。自分のコンディションは自分で整える。いつだって自分史上最高の自分でいるように心がけましょう。
まぁ、ここでは自分の役目と意識付けをしていますが、これは親の役目でもあるかもしれませんね。僕らも何か気づきがあれば、お節介ですがお声掛けさせていただきます。
3 心を整える
人間は感情の生き物ですから、心の状態も学びの量と質に大きく関与します。
嫌なことがあると大人だってパフォーマンス落ちますもんね。心が弱っているときは、まずそれを整えるところから。テンション上がりすぎも注意です。落ち着いて考えられないかも。さぁ、勉強にふさわしい状態へ、心を整えましょう。
もちろん、人によってベストの心持ちというのは変わってくるかと思います。めっちゃ凹みながらやったほうが学びが多いという方も中にはいるでしょう。
ただ、基本的には、適度な自信あるいはセルフエフィカシーと、安心感を持ち、そりゃちょびっと不安があったっていいし、思春期の君の中を色んな気持ちが巡っているとは思うけれども、それを整理して、なるべく万全の心持ちで勉強に臨むことをオススメします。
心に波風立つことなく、至って普通にさらっと勉強に取り組めるようになってきたら、しめたものです。
さぁ、ここまででSetの項目は終わりです。次は考えることについて触れていきたいと思います。
4 目的地(目標)を決める
5 ゴールまでの計画を考える
6 小さな旗(小さな目標)を立てていく
7 必要なものを用意する
ここからは一気に参りましょう。僕は藤沢市民なので、江ノ島を例に使って説明を進めていきます。
Thinkつまり考えることの始めは、まず目的地を決めることです。目的地とは、すなわち目標です。
目標があれば、足を踏み出す方向がわかります。何をやればいいのかが少し見えてきます。逆に目標がなければそこへ辿り着くかどうかは運任せになってしまうでしょう。江ノ島に行く気がないのに江ノ島に辿り着いた人を僕はそんなに知りません。行きたいと思わなければ基本行けないのです。
だから、まずは行きたい場所に思いを巡らせてみましょう。夢や希望や理想や願いだって構いません。全部含めて、ワクワクするものを、「こうだったらいいなぁ」と思うものを見つけましょう。それが自分の歩むべき方向を指し示してくれる目的地になります。
そして、行きたい場所を見つけたら、そこへどうやって行くのかを考えます。ゴールまでの計画というやつですね。
それを考える際に重要なのは、現在地です。今自分がどこにいるか分かっていなければ、もちろん目的地への行き方だってわかりません。
江ノ島に行きたいとき、藤沢からとアメリカからだったら行き方は変わってきますよね。それと同じです。まず足元を見て!そこから目指す場所への地図を確認しましょう。
電車で行くのかタクシーかはたまた飛行機か。地図の上に行き方を書き込んだら、次はポイントポイントで旗を立てていきます。旗とは小さな目標です。アメリカから江ノ島の場合は、空港や日本の駅に旗を立てることになりそうですね。これは計画上の大切な目印になります。
あまりに遠い目的地の場合、旗を立てないとたまに迷ったり見誤ったり心折れたりしてしまいますからね。この旗、つまり小さな目標の役割が重要になってきます。
もしも目的地に辿り着かなければならない期日が決まっているのなら、「いつまでにその旗にたどり着く」というタイムスケジュールが立てられます。
ちなみに、勉強であれば、週間や日毎や一回の授業毎に目標を立てるのがいいでしょう。
小さく目標を立てることで、スモールステップというやつで、成功体験が増え、達成感を得ることもできます。これが意外と心のエネルギーになるんですよね。
計画が立ったら、最後に、大きな目標や小さな目標を達成するために、必要なものを用意します。
例えば、教材ですね。自分と目標に合ったレベルの教材がなければ、何を頑張っていいかよくわからなくなってしまいます。
不明な単語は辞書を。心が折れそうならお気に入りの文房具を。サボってしまいそうなら誰かの目を。一人で進むのが無理なら先生を。使えるものは何でも使ってしまいましょう。この物語の主人公は君です。君に選ぶ権限があります。
あ、スマホの誘惑に負けてしまうなら、スマホを廃棄するのも「必要なものを用意する」ということですのであしからず。
これにてThinkの項目はおしまいです。
でもね、実はこの4〜7は、結構大変なんです。一人でできるようになったら大したものです。きっと最初は難しいでしょう。
だから、慣れてくるまでのコツをお教えまします。
もしも、目的地なんて見つからないと困ったら、そこへ辿り着く自分がイメージできなくて泣きそうになったら、ワクワクが全然見つからなかったら、
もしも、計画なんてけの字も立てられなかったら、自分の足元が深い闇に包まれていて見えにくかったら、そもそも藤沢とアメリカの違いがわからなかったら、
もしも、旗の立て方がわからなかったら、どこに刺していいか不安だったら、せっかく立てた旗が折れてしまったら、
もしも、必要なものが不明なら、用意するのが難しいなら、用意したけどやっぱり違っていたなら、
ほら、周りにいる味方のことを思い出してみましょう。君は、一人ではありません。
多くの大人は、君の知らないその道の創り方や歩き方を知っています。
誰かに助けを求めてみてください。「いや、そんな味方いないし!」ということであればプロフィールから僕へメールをどうぞ。
でもきっとすごい大人って世界各地にいるんですよね。探してみましょう。
8 とりあえず精一杯やってみる
9 失敗を恐れない
10 本番同様テストでアウトプットする
11 正確に丸付けをする
12 間違え直しを徹底的にやる
13 一人でできるようにする
ここまでで驚異的な長さになってしまいましたが、いよいよ終盤です。
上記のActionの項目を説明するには、スポーツに喩えるのがわかりやすいです。
君はサッカー選手になりたい子。サッカーを愛しています。でも、外へ出てサッカーをやって失敗するのが嫌で、ずっと部屋の中にいます。それではいけません。
いくら部屋の中でサッカーのルールブックを読んでいても、一向にサッカーが上手くなることはないでしょう。ルールを詳しく知るのは、もうちょっと後でいいかも。まずはほら、やってみましょう。
まずはボールを追いかけて、精一杯走ってみることです。どんなスーパースターだって、きっと最初はそうでした。うまくできるかよりも、まずは精一杯が大事なのです。
もちろんいっぱい失敗するでしょう。最初からメッシやロナウドのようにスーパーシュートを決められるはずもありません。でもでも、それって想定内でしょう?最初から素晴らしき大活躍ができると思っていました?いやいや、違いますよね。そうです、違うのです。世の中を甘くみてはいけません。
それに、物語に困難はつきものです。困難のない物語は無難でつまらないものだと、君も多くのドラマや物語から学んできたでしょう。そう、どうせだったら、自分自身の物語は最高の物語にしたいですよね。
だったら、失敗を恐れるな。
挑戦すれば君はきっと何度も何度も何度も失敗するでしょう。でも、そのことを決して恥ずかしいとは思わないで。それは当たり前で、だけど貴くて、しかもとっても重要なこと。
君は失敗する度、悔しがりながら、泣きそうになりながら、だけど確かに経験値を貯めているのです。少しずつ少しずつ貯まっていくその経験値は、いつかきっと実を結び、やがてちゃんと君にもレベルアップの瞬間が訪れます。
失敗は成功の母と言いますが、まさにその通り。失敗こそが、君を成功に近づける最大の成長チャンスです。中3の君がいくら九九を練習しても効果的でないように、既にできることの中に君の成長チャンスはほとんどありません。探すのなら、失敗の中を。間違いの中を。そこに必ず成長のヒントが隠されています。
え?もっとどんどんレベルアップしたいって?欲張りですね。それなら、いいことを教えましょう。
まずはなるべく本番に近い形で経験を積むことです。練習試合なんかいいですね。練習の時はできていたと思っていたことが、いざ実際やってみようとするとできないことが大人でもあります。本番に近い場というのは、それをあぶり出してくれます。
練習の中でも、時間制限を設けたり、相手を立ててドリブルしてみたり、工夫次第で本番のような負荷がかけられます。きっと失敗が増えますね。やった!それって成長のチャンスがいっぱい見つかるってことですもんね。
そして、挑戦することに慣れてきたら、挑戦した後の分析にも力を入れてみましょう。
まずは何が良くて何が悪かったのか、きっちり判別すること。○つけを正確にするということです。これはなるべくこまめにすることをオススメします。前のレベルのプレイに問題があれば、次のレベルのプレイはできませんからね。
判別をして、良かったプレイは自信にして心のエネルギーに、悪かったプレイは教訓にして未来への糧にしましょう。糧にするには、それにきちんと向き合って、なぜ悪かったのか、よくするにはどうしたらいいのかを考える必要があります。
一人でそれを考えるのが難しいなら、そうです、誰かに頼ってもいいですね。誰かと話す気分じゃないときは、人でなくてもいいのです。近くの本や、広大なネットの海に答えが眠っているかもしれません。
何度でも言いますが、その失敗や悪いプレイの中に、君の成功にとって必要な、大切な、超重要なポイントがあります。それを見つけたら、徹底的に反復練習をしましょう。
昨日失敗したことを今日できるようにすること。朝できなかったことを午後にはできるようにすること。さっき間違えたものを今できるようにすること。一人でできるようにすること。そう、それこそが成長です。
そして、それこそが勉強なのです。
14 繰り返す 継続する
あとは、そのプロセスを繰り返すだけです。続けていくのみです。
ね、勉強って簡単でしょう。
でも、その過程はとてつもなく険しいかもしれない。苦しくて何度も逃げそうになるかもしれない。
だけど、だからこそ、君の物語は、君は、美しく光り輝くのです。
さぁ、始めましょう。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
ここまで読んだあなたに勲章を贈りたい。
勲章じゃないけど、PDFを置いておきますね。