JP3-6 Judgeの5大「能力」②「猫への深い愛情」(3)
「真の愛が試される」--。
こう書くとベタな〝恋愛本〟のようになってしまいますが、猫を相手にするだけに、短い審査時間ながらJudgeは様々な場面を通じ、猫への真の愛情が試される、と言えるのではないでしょうか。
この講座で「愛情」を「能力」に分類していることから言えば、Judgeにおいてどれだけ愛する「能力」があるか問われているとも言い換えられます。
荒れた猫を、その「愛情」によって宥められればそれに越したことはありませんが、たとえ宥められなくても「愛情」深い対応(対処)とそうでない対応(対処)は出陳者側からすれば手によるように分かります。
想定外の咄嗟の場面で出る、咄嗟のJudgeの反応こそ、そのJudgeの猫への「愛情」が試される場面であり、この能力に欠けるJudgeに自分の愛猫を審査してもらいたくない…と出陳者に思われても仕方ないでしょう。
審査台から逃げようとする猫の押さえ方ひとつ取ってもそうです。
逃がさないように…と慌てる気持ちが出て当然ですが、猫への真の「愛情」があるのとないのとでは対応の仕方で大きな違いがあり、それは出陳者側からもよく分かります。
どれだけ「Standard Literacy(リテラシー)」がある(高い)ように見えても、猫への真の「愛情」に欠けるように見えてしまったり思われてしまったりしたら台無しであり、超一流Judgeへの道は閉ざされてしまうことを肝に銘じる必要があるでしょう。
審査リングから猫が逃がしてしまいそうになる咄嗟の場面は、Judgeにしてみれば何度も(あるいは何度か)経験した「ヒヤリハット」体験のひとつに過ぎないかもしれませんが、その猫の出陳者にとってみれば「あれはないわよね…」という場面の記憶は生涯消えることはありません。
咄嗟に出てしまう自分の反応までも意識してうまく制御することが可能かどうか難しいところですが、それでもそうした咄嗟の場面で出る咄嗟のJudgeの反応こそ、そのJudgeの猫への「愛情」が試されるだろうことを無自覚でいるより、常に自問自答しながら意識しておくことはとても大切であると言えるでしょう。