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Pianist由美子UNO が綴るショパンの情景

生家から帰り道

2018.11.03 13:12

私はフレデリックと昼食を済ませて、ショパンの生家を後にした。

標識や信号のない交差点に差し掛かった時、その道は戦時中ドイツの戦車が大挙してい

たとフレデリックが静かに話し出した。

なにもない草原のこの場所を眺めているとドイツ軍のタイガーが浮かんで見えるような気が

した。ポーランドは、地理的にそういった状況になる場所だったそうだ。

今でも弾痕のある建物などを見ると戦争の度に巻き込まれていた悲しい歴史を感じずにはい

られない。

車でワルシャワへ向かう途中に陽の傾きで道すがらの木々や草原が、とても濃く黒々と生茂

って見て取れた、日本やその他の国々とは全く異なった色彩を車中の窓から感じながら帰路

を過ごした。

往路より帰路の方が時間帯にもよるが、渋滞に巻き込まれ時間が掛かった。

私は、ホテルに到着した後、付近のお店を見に再び外出した。

その後ホテルに帰るとフロントに私の帽子が届けられていた。

生家を案内してくれたフレデリックがわざわざ届けてくれたのだ。これがパリだったら、ま

ずは私の帽子は戻って来なかったと思う。

親切なフレデリックとの出会いが、この生家への旅を色濃く記憶に残してくれた。

ポーランド人の国民性なのかフレデリックが親切なのかはわからない、しかし常に礼儀正し

くエレガントなフレデリックは私にポーランド人の心を教えてくれたのでした。

このあと、街に夕食にでます。