勉強が苦手な子が神奈川県公立高校入試数学で60点以上取る方法
さぁ、本日のテーマは「入試で60点を狙う方法」です。数学編です。
入試で楽する方法じゃないですよ。勉強に苦手意識がある子が、作戦としてどこで点数を取りにいくべきなのかをご紹介していきます。苦労はしっかりしてもらいます。
公立高校入試数学攻略法〜目標点数60点の場合〜
神奈川県の高校入試は、県が結構情報開示してくれるので、大体ですが「何点取れば合格できそう」みたいなのが事前にわかります。
参考までに2024年度の近隣高校の合格者平均点がわかる表を載せておきましょう。下の図の各高校の()内にある数値が合格者平均点です。
合格者平均点というのは5科目合計500点満点の数値ですから、単純に5で割れば一科目で大体何点が必要なのかが見えてきます。
入試の仕組みが気になる場合は、下記の『受験の仕組みをシンプルに説明してみた』をご参照ください。ここで重要なのは、勉強が苦手な子にとって、学力検査で60点が計算できる科目があるということは、だいぶ入試が戦いやすくなるということです。
そこで今回は、数学で60点狙う子用の勉強の仕方について説明していきます。こちら、あくまで個人的な考えなので参考までに。
ちなみに、2024年の入試数学の合格者平均点が55.6点ですから、60点を獲得すれば、見事平均点越え。
それでは過去の入試問題を使って内容を説明していきましょう。実際の入試問題は『教育委員会の学力検査のページ』にすべて載っています。
何年か分の過去問題を見ていただくとわかる通り、神奈川県の数学の問題は、ある程度形が決まっています。毎年多少の変化はありますが、概ねこんな感じです。
問1 計算
問2 小問集合
問3 小問(大問)集合
問4 関数
問5 確率
問6 空間図形
詳しい問題の中身については、こちらの図をご参照ください。2024年度の配点と正答率表です。毎年概ねこんな感じです。
端的に言えば、数学で60点取る方法の一歩目は、正答率が高い問題を確実に正答していくことです。
言い換えれば、60点取りたいなら正当率の高い問題は絶対に間違えてはいけないということです。
では、実際のところはどんな問題なのかを(過去問集にギリギリ載っていないことが多い)2018年度の問題を使って見ていきましょう。まずは問1の計算問題。最新の入試問題が見たいという方は、『高校入試対策』のページからどうぞ。
ここは確実に正解しておきたいところ。日々日々計算練習を重ねて、まるで九九のテストぐらい間違えない精度に高めておきましょう。
次の問2も基本的な問題が続きます。
ここの(オ)と(カ)はそこまで正当率が高くない問題ですが、基本的な「よく出る問題」なので、正解できるように準備を進めていきたいところです。そしたらプラス8点。
中1〜中3までの計算はもちろん、「関数」や「資料の活用」といった単元の基本的事項もここではしっかり押さえておきましょう。
続いて、問3です。
問3の(ア)は相似を使った難問です。60点を狙う際には無理して解く必要はありません。ここに時間をかけるのであれば、計算の見直しなどにその時間を充てましょう。
(イ)は、正当率的には狙いたい問題ですが、無理をしなくてもいいです。ただ、方程式や連立方程式の立式の練習は今後のためにもキッチリしておくことをオススメします。
昨年のような問3の問題であれば、一問でも正解できたら御の字です。最悪の場合はバッサリ捨て去る勇気を持ちましょう。
続いて、問4。見た目でうわっとなりがちですが、(ア)なんかは絶対に落としてはいけないレベルの問題です。一次関数と二次関数の式の立て方は身につけておきましょう。
逆に(ウ)は触らなくてもいい問題です。ここで(イ)が狙えたら、60点の壁は狙いやすいです。
さぁ、次の問5は確率の問題です。昨年は正当率が50%を切りましたが、(ア)は狙ってみたいところ。多くの場合h、6×6のマスを書いて一つずつ当てはめていけば解けます。詳しくは、『大問先生の確率対策』にて。
調子に乗れたら、(イ)も狙ってみましょう。ただし、時間のかけすぎに注意。
続いての問6にも絶対に間違えてはいけない問題が存在します。
(ア)は狙い目です。基本的な体積や表面積の計算方法は身につけておきましょう。
2018年度の問7(近年は問3に吸収されていることが多い)は60点目指しの戦法では基本解かなくてもいい問題ですが、全証明では無くなったのでチャンスありでした。図形が得意な子はぜひ狙ってみましょう。
問題はこれで終わりです。まとめましょう。
上記のような問題で、問1すべて、問2すべて、問4と問5と問6は(ア)、問3〜問7の中でどれか2つ正当ができれば、見事60点越えです。決して楽な道ではないですが、毎年しっかり対策をしてしっかり取ってきてくれる子が多いですから、不可能じゃありません。
では最後に、60点を取るのに必要な知識をまとめてみましょう。一年生から三年生の単元内容を記してある学習系統図を使います。
まずは赤色の50点ラインの基本内容を完璧に近づけること。ここでモノを言うのは徹底的に量をこなすことです。ノートまとめなんてしている暇があったら、一問でも多く問題を解きましょう。
次に、図形の体積や表面積といった基本事項を押さえていくこと。これも多くの入試対策教材にまとまっています。学校の先生や塾を使って理解してから、上記同様問題演習に励みましょう。
これで60点の完成です。
「え、先生、でも急に問題傾向が変わったらどうするの?」
ごもっともな質問です。予期せぬことは起こりますからね。
まずその「予期せぬことは起こる」と言う心持ちは持っておくこと。
ただ、教材を見てもらえばわかる通り、大体の受検生がガチガチにこの傾向の対策をしてくるので、傾向が少しでも変わるとみんなが慌てふためいて平均点が下がります。
入試は相対的な評価で争いますから、平均点が下がれば、結局傾向が変わらなかった「正解しなくてはならない問題をどれだけ正解できたか」勝負になります。
だから、できることを当たり前にできるようにしておくこと。それが必勝パターンになるのです。
本日説明してきたこの「60点獲得用問題」たちが、その「当たり前にできてほしい問題」たちです。まずはここから、しっかりと身につけていきましょう。
基本がしっかりすれば、そこから一気に積み上げていって、厳しい受験勉強を経て、数学が得意になる子もいます。
人生で一番勉強する冬。何が起こるか、楽しみですね。
本日もHOMEにお越しいただき誠にありがとうございます。
こうやってやるべきことを明確にすることで「心の力」が強まり立ち向かっていけるようになる子もいます。