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雷霆を告げる音

走る、走る

2018.11.05 14:06

彼は走る、そこにたどり着くまでに。

まだ寒さが残る春の始まり、

お昼はもう春の日差しとしては申し分ない。


僕は陸上で短距離を練習していた、

春の大会にはとても自信があったが、

学生最後の晴れ舞台にしたかったのは事実である。


でも、大会一週間前に右足に痛みがあった。

その痛みは大きくなかったが、少しの不安が引っかかった。

また、学校で練習を繰り返すんじゃなくて、大会までは休んでと幼馴染に言われた。


人生最後のこの日に、

こんな些細な痛みに構ってられない、休むとタイムが下がるんだよ、と根拠のないことを言った。


僕は走った、その晴れの日を。

でもタイムは良くなかった、痛みは鈍く重いものになっていたのだ。

記録にも目立たなく、将来の希望も多分消えただろう。


心が折れ、涙が止まらず、人生が終わってしまったかのように気力を失った。


でも幼馴染の女の子は、

「大丈夫!これが貴方の全てじゃない。

足を治して一緒に頑張ろう!」と。


うん…。


頑張ってみるよ、僕