【日米野球’18】MLBチーム選手/STATS分析
「この相手に負けてはまずいぞ。」
日米野球で来日するメジャーリーグ選抜チームの選手の面々を見て、私が抱いた最初の感想です。前回2014年の日米野球もそうでしたが、今回のメジャーリーグ選抜チームも、野手には有名な選手が何人かいるものの、投手は野手と比べると知名度の落ちる選手ばかり。メジャーの40人枠を外れて、助っ人外国人選手として来季日本でプレーしていそうな感じでした。(日本シリーズ最終戦で投げあったクリス・ジョンソン(広島/アメリカ出身)やリック・バンデンハーク(福岡ソフトバンク/オランダ出身)のようなトップの助っ人外国人投手の方がレベルが上かも…。)対する侍JAPANの打者は、日本プロ野球のトップクラスの打者を揃えました。もちろん、メジャー選抜チームの中にも名前の知られた投手もいるのですが、このクラスの投手陣を侍JAPANのバッターたちが打てないようでは、次回2021年のWBCで勝つことは難しいだろう、という見方をせざるを得なくなりました。メジャートップクラスのピッチャーと対戦するよりも、返って自分たちの実力が分かってしまうことになりそうです。
一方で、メジャーリーグ選抜チームのバッター陣は、かなり強力だと思います。今季メジャーで20本以上の本塁打をマークした打者がゴロゴロいます。大谷翔平(SP/ロサンゼルス・エンゼルス)に匹敵する程の評価を得ていたロナルド・アクーニャJr.(LF/アトランタ・ブレーブス)、アクーニャと同じく新人王にノミネートされるファン・ソト(LF/ワシントン・ナショナルズ)と、今年活躍した未来のスーパースターが来日しました。他にも盗塁王ホイット・メリフィールド(2B/カンザスシティ・ロイヤルズ)や、世界一のキャッチャーとして評判高いヤディア―・モリーナ(C/セントルイス・カージナルス)など中々の面子が揃っており、WBC強豪チームの代表経験者も少なくありません。ただ、第4回のWBC準決勝アメリカ戦のように、日本代表の投手にはメジャートップのバッターに対して抑えられる可能性も十分あります。
今回の日米野球は、侍JAPANにとって「①打者は打たないといけない」「②投手は通用するか」です。試合展開には、乱打戦/投手戦/圧勝/完敗、全てが考えられます。今回はメジャーリーグ選抜チームの選手紹介とともに、チームスタッツについても分析してみたいと思います。
※侍JAPANのホームページでは、今回来日したチームを「MLBオールスター」と記載していますが、はっきり言って「オールスター」ではありません。当サイトではあえて、「MLB選抜チーム」と記載させていただきました。その意味するところは、”言うに及ばず”です。
1.MLB選抜 選手紹介
注目選手をピックアップしてご紹介します。
※選手成績データはFangraphs(https://www.fangraphs.com/)サイトより引用。
2.MLB選抜 チームSTATS
次にチームスタッツです。まず投手陣ですが、味方守備の影響を除いた疑似防御率”FIP”をベースに見ていきます。
MLBの平均FIPは、先発投手で4.21、リリーフ投手で4.06です。今回来日したメンバーの中には、キルビー・イエーツ(RP/サンディエゴ・パドレス/アメリカ)やコリン・マクヒュー(RP/ヒューストン・アストロズ/アメリカ)などMLB平均より優秀なFIP成績の選手もいますが、一方で平均を下回る選手もいます。
次は野手です。
バッターは出塁率と長打率を合計したOPSで見ていきます。予想スタメンだけでなく、リザーブのメンバーもMLB平均OPSを上回るような面子が揃っています。特に飛びぬけて見えるのが、エウヘニオ・スアレス(3B/シンシナティ・レッズ/ベネズエラ)、ロナルド・アクーニャJr.(LF/アトランタ・ブレーブス/ベネズエラ)、ファン・ソト(LF/ワシントン・ナショナルズ/ドミニカ共和国)のラテン系3選手です。長打率が.500以上をマークしており、非常に強力な打線と言えます。
※Team Stats元データはFangraphs(https://www.fangraphs.com/)サイトより引用。
一方で守備には少し不安があります。上のグラフは、今回のMLB選抜メンバーの各ポジションのDRS(=守備防御点:平均的な選手よりも守備でどれだけの失点を防いだか示す指標)を集計したものです。まずキャッチャーですが、来日した3人のキャッチャーの中で、特にロビンソン・チリノス(C/フリーエージェント/ベネズエラ)がDRS▲11点と守備で足をひっぱりそうな状況です。ショートでは、クリス・テーラー(UT/ロサンゼルス・ドジャース/アメリカ)がDRS+5点で優秀なのですが、アメド・ロサリオ(SS/ニューヨーク・メッツ/ベネズエラ)がDRS▲16点と足を引っ張ってしまっています。そして、レフトは、リース・ホスキンス(LF/フィラデルフィア・フィリーズ/アメリカ)がDRS▲24点と酷い成績をマークしています。そのため、ホスキンスはDHでの起用だろうと思われます。
メジャー選抜チームは、攻撃力は物凄いのですが、投手力や守備力でつけ入る隙がありそうです。果たしてどんな結果になるのか?全6試合の結果に要注目です。
今回も当サイトをご覧頂きありがとうございました。