今日の日記(11月6日)
2018.11.06 00:04
今、私はこうして人として生きている。
そして、私も含めて人類の愚かさに絶望を抱くことがある。
それはきっと、私の課題でもある。
ときどき夢で、金色の龍と地蔵菩薩が現れ、オンカカカと言葉を発し、私を慰めてくれる。
本当は、自分の力で乗り越えなければいけない。
私の本願は、地蔵のように人間のするすべての行いを、オンカカカと肯定することである。
それには、まだまだ道は遠い。私は人に会い人に触れ、人に対し肯を唱える旅をしている。
今書いている小説も、そのような旅の話である。
西行により反魂により生まれ高野に捨てられた醜い化け物、つまりは鬼が、西行を追って旅をしている。
その容貌から、ときには人に恐れられ、疎まれ、迫害される。
それでもときどきは人の優しさに触れ、鬼は少しづつ、人間に近づいていく。
利己的な人間の行いと、人間の持つ慈悲の心の間で、鬼は葛藤しながら西行を追う。
書きながら、道中で鬼の感じる絶望と、私の絶望とが重なる。
私は地蔵に助けて貰えるが、鬼はどうそれを乗り越えるか。
小説の中で、鬼に地蔵の夢を見させるわけにはいかない。超自然的なことで救われてしまったら、鬼が鬼であることの道理がなくなる。
鬼は道理を尽くし、旅の終わりに西行についに出会う。
そのとき鬼の出す結論が、西行への復讐なのか、人類への絶望なのか、それとも肯なのか。それがまだ書けずにいる。