星を繋ぐ猫達 第三章 [猫達、再び洋館へ]
あっという間に、もう2月です。バタバタの年始めを迎え、ようやく少し落ち着いたところです。東図書館での展示ももうすぐ終わり、次の展控えています。猫の作品を一堂に展示、11名の作家さんの作品が並びます。猫好きの人は
必見です。今回は、岐阜県内の作家さんを中心に愛知の作家さんもお呼びしています。
猫達は、ワクワクしています。寅次郎博士が住む村にも興味津々です。
猫沢さんは、昨日、カンタスカラーナから届いた資料と報告書を持ち、寅次郎博士に相談をしようと、ドキドキしているのです。まさか、あの悪名高いウィラード博士が生きているとは、思っていなかった猫沢さん…もちろん寅次郎博士も、その事を、知るよしもないでしょう。
寅次郎博士の住む洋館に着いた猫達は、主の猫のロシアンブルーのアルハンゲルに迎えられ、部屋に進みます。
「こんにちは、寅次郎博士!」
明るい声で入っていく猫達を迎えてくれたのは、寅次郎博士の笑顔と、小さなお皿に乗ったケーキです。猫達は目を輝かせ、ソファーに座ります。小さなカップと取っ手付き耐熱ビーカーに、暖かい紅茶が注がれ良い香りが、フワッと立ち込めます。
「寅次郎博士、再びお会いできて嬉しいです」
猫沢さんは、ペコリとお辞儀をすると、猫達も丁寧にお辞儀をしました。
「寅次郎博士、あれから、お加減はいかがですか?大きな変化はありませんでしたか?」
「あぁ、あったよ。ものすごく体調が良くなったよ。昨日は久しぶりに神楽屋で蕎麦を打ったんだよ。楽しかったよ」
「あとは?何か?」
「何かとは?」
「突然、宇宙意識と繋がったり 私達のような宇宙生命体と遭遇したテラ人達は突如として、奇っ怪な行動を取るのですが…寅次郎博士は、何事もなかったのでしょうか?」
猫沢さんは、少し心配そうです。そんな猫沢さんを横に寅次郎博士は、
「奇っ怪な行動?私は20年前にジャッコ博士と遭遇した頃から、奇っ怪な行動を取っていたよ。だから君達と遭遇しても、何も変わらないよ。変わったと言えば…全ての疑問が腑に落ちた事と、ようやく理解できた事だよ」
寅次郎博士は、上機嫌です。地球人として生きてきた彼にとって、本当の役割を思い出した事は、幸いなのです。真っ暗闇の中、自分がやって来た事が、良かったのか悪かったのかも解らぬまま、ひたすら貫いてきたのですから…
「変わった事か…昨日は全く平和だったが、20年前からある事なんだがね。類は友を呼ぶと言うのかな?噂を聞き付けた変な人間も訪ねてきた事もあったな…」
寅次郎博士は、少し困り顔です。
「変な人間?」
「変人の私が言うのもおかしな話だが、一緒に組んで大儲けをしようと誘ってくる奴等や、力を貸して欲しいだの、私を教祖として奉ろうとしたり…大抵の人間達は、欲望や企みに目が眩んだ者達ばかり来てね。うんざりしていたんだよ…ジャッコ博士から学んだ智恵は、ある種の人間を狂わせる…しかし私は、悪用等したくなかった。奇っ怪な行動とは、そのような人間達も含まれているかね?あ、紅茶、冷めないうちに飲みなさい」
猫達は、慌ててカップに口をつけます。猫は猫でも猫舌ではない彼等は、あまりの美味しさに、大喜びです。
「含まれています。私達がコンタクトを取ったテラビトの中にも、存在しました。危ない目にあった事もあります。何もお変わりないのなら安心しました。ところで、私達に手伝って欲しい事と言うのは、なんでしょう?」
猫沢さんは、別れ際に言われた事が気がかりでした。
「実はね、君達の探していた物が、この近くにあるんだよ…」
「それは、もしかして!!!!」