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精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫

アシナガモモブトスカシバ

2018.11.07 06:49

Macroscelesia longipes yamatoensis Arita, 1992

開長・20-25mm前後 

分布・本州、九州 

環境省レッドカテゴリ・ 絶滅危惧Ⅱ類 

複眼は大きい。頭部と胸部は明るい茶色一色で、腹部は茶色や黒のゴチャゴチャした色彩。翅は細く、表面には薄く鱗粉が散るが、透けている部分が多い。後脚はかなり長く、全体に毛が密に覆っており、特に腿節部の毛は長くて目を引く。

奇妙な姿をした昼行性のガで、成虫は主に夏期を中心に姿を見せる。低空を高速で飛翔し、飛びながら花々を訪れて蜜を吸う様は、ある種のハチそっくり。蜜を吸う際には花上に止まらず、羽ばたきながら吸い続けるが、この時毛だらけの左右の後脚を互いにこすり合わせるような動きを見せる。この仕草は、ハナバチ類が花粉と蜜を集め、飛びながら後脚の花粉カゴに取り付ける仕草に極めて似ている。

食草は、湿性環境に生育するウリ科のゴキヅル。幼虫は、ゴキヅルの茎や実の内部に食い入り、虫コブを形成する。ゴキヅルが生育しやすい、開けた湿地や河川敷が生息地となるため、河川改修や土地の造成が本種の生息にとって脅威に成り得る。


※引用文献

後日追加。