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肥満児の世界が変わった。

2018.11.07 11:50


僕は中学校まで、超絶肥満児だった。

体脂肪率40%のマシュマロマン。そんな可愛いもんじゃない。

思春期を迎える男子にとって肥満は絶望に近かった、少なくとも僕には。

「将来は相撲取りだな!」って他人から勝手に将来の夢まで決められてしまうほどだから、太ってて良かったことなんて一つもなかった。

野球やってたけど、着られるユニフォームのサイズがなくて監督用のユニフォームを借りて試合に出てた。それでもボタンとボタンの間は開いてしまってた。

太っていることが理由かどうかはわからないけど、上級生からよくいじめられた。


転機は中学1年から2年になる越冬時期。

野球部の先輩とひたすら走り込んで、4ヶ月で22kg体重が落ち、身長は7cm伸びた。

春になると別人だった。22kgもの肉襦袢を脱いだ僕は完全に身軽で、運動能力も飛躍的に上がった。

100m走は18秒台だったのが12秒台まで縮み、高跳びは110cmギリだったのが170cmを超えた。幅跳びは3mから5m、長距離は走れなかったのに5kmのマラソン大会でも上から数える方が早くなるほどになった。


太っていて服を選ぶ自由が無かった反動からファッションにも興味を持つようになるのはこの頃。

ベースギターを小学6年から始めてたのに、バンドを組み出したのも痩せたこの頃。

見えている世界が変わったのかと思った。

身軽になったからなのか物事の進みが良くなった。


しかし元々が肥満児体質なので、この容姿をキープするのは容易ではなく、高校2年の時見事にリバウンドしてしまう。

そして肥満状態では周りの反応がよろしくなかった。

これで「人は見た目で判断する」と確信した。

知り合いならばともかく、初対面はほぼ間違いなくまずは容姿で人を算段する。



そこからの僕は見た目を維持するために自分を追い込むことにした。

30歳をこえてからは、ちょっとやそっとじゃ体重を戻せなくなったから食事や運動はかなり気をつけている。

独立してからはなるべく続けて走るように心がけている。それでも維持するのは簡単じゃない。


これは何も容姿に限った話ではない。

バンドマン時代によくライブハウスの店長から言われた言葉。

「正しい練習は嘘をつかない」

「ライブでは練習以上の演奏技術は出てこない」

その通りだ。練習もしかり、人間性も自分に対して正直に良心に従って色々判断して得られた結果に対しては、淀みなく受け入れられるようになるものだ。仕事だってなんだってそう。

これは自分が積み上げてきたものしか結果に反映されないという僕の経験上の理論だ。

そしてどういう結果を望むかで追い込んで行動する内容も変わるし、その行動に意味を感じることもできる。


いまの僕を見て「羨ましい」と言う人もいる。

そんないいもんじゃない。僕はもっともっと先に結果を望んでいる。まだまだ道半ばである。

それに、僕なんかよりももっと高い次元でストイックに結果を求めている人はゴロゴロいる。


人を羨んでても結果出ないしね。

無闇矢鱈に追い込めってことじゃないよ。体と頭、バランス良く使って効果的に積み上げていくことで自分を良い方向へ変えていける。僕はそう信じて、明日も走る。