11月3日 津南町→秋山郷→群馬県昭和村(116km) 〜宮崎夫妻の「はらんなか」農園を見学〜
本当に久しぶりの快晴。道理で昨晩は星が綺麗だった。まるでモンゴルの草原で見た星空のようだった。
今日は、朝から宮崎君の車で、彼の畑を案内してもらう。
家のすぐ近くには、「全国名水百選・龍ヶ窪」があり、名水を汲みに来る車が何台も停まっている。
林の中の細い道をくねくねと登っていくと、その先は山頂であるというのに意外にも広々とした農地であった。
この辺りは河岸段丘の地形で有名とのことで、彼が案内してくれた畑の先は崖になっているらしい。
(「津南町ホームページ」より転載)
はるか眼下に津南町の中心街をのぞみ、中津川沿いに伸びる細い平地から、幾段にもなって上へ上へと階段状に農地が広がり、それがとても大きい。こんな地形はあまり見たことがない。
大豆畑は来週には収穫を迎える。
人参畑は緑の葉が大きく揃っており、一本抜いてみるとすでに立派に育っているが、もう少し大きくなるとのこと。
雪下人参は冬越しさせ、来春3月に収穫する。人参は2mから3mほどの深い雪に覆われて凍らず甘みが増す。しかもそのころは野菜の端境期なので、ちょうどいい。
収穫作業はシルバー人材センターなどを通じて人を雇うようだが、手間のかかる栽培方法で、家族経営により8haという規模をこなすのは、並大抵ではないと思う。
立派な倉庫も見せてもらったが、収穫を終えたばかりのサツマイモが保温庫に入れられ、30度の温度で4日間保管されていた。この処理により、皮が丈夫になるのだそうだ。
雪下人参ジュースとさつまいもチップス、炒り豆を分けて頂き、宮崎君とお別れ。
忙しい農作業の合間を縫って話を聞かせてくださり、有難うございました!
付記:人参ジュース、さつまいもチップス、炒り豆は、噂にたがわず本当に絶品だった。それ以上に驚いたのは、畑を案内されたとき抜いた人参である。数日後、土を落として皮を剥いて生でかじってみたが、人参特有の青臭さが全くなく、何か別の果物を食べているようだった。まだ冬越しする前であり、春になったらどれだけ甘くなっているのだろうか。
続いて、一昨日訪れた鈴木牧之記念館で購入した「秋山紀行」の舞台である、日本有数の秘境・秋山郷へと車を走らせる。
津南町の商店街を右に入り、国道を南下する。
右手に紅葉で彩られた屏風のような崖が目に入る。
これが例の河岸段丘なのだ。
先ほど見た宮崎君の畑は、あの崖の上に広がっているわけだ。
先に進むにつれ道はどんどん狭くなり、何ヶ所か片側通行となる。
しばらくして、結東という集落に到着。
この周辺には見玉不動尊や見倉橋、猿飛橋などの景勝地が多いのだが、キャンピングカーで深入りは禁物なのと、週末で思いのほか車が多いので、今が盛りの紅葉を見て満足し、ここで引き返すことに。
途中の食堂で昼食をとる。
壁に貼られた津南町のポスターには、「日本一大きな階段・津南町の河岸段丘」と書かれてあった。
十二峠を越えて塩沢へ向かう。日本三大渓谷と謳われる清津峡の入り口では、遥か遠方まで長蛇の列。恐ろしいほどの渋滞になっている。
しかし、どんなに美味しい料理が食べられようとも、並ぶ事だけは避けるというKY夫婦。当然ながら景勝地は全てスルー。
バブル期に東京都湯沢町と言われた街並みを眺め、湯沢ICから関越道に入り、赤城高原SA泊。今日で新潟の旅は終わる。