メキシコW杯遠征記 03|vsコスタリカ(グループリーグ第1戦)
2018年10月27日(日)、メキシコワールドカップ2018における日本代表チームの初陣の日。相手はコスタリカ。
私にとっても記念すべき初めての試合。しかし、前日の夕方に開催地サンフアンに到着したばかりで、右も左もわからないことばかりな状況。
試合中のスタジアムの雰囲気はどんな感じなんだろうか。
バカでかい声で応援したらどんな目で見られるのだろうか。
ヒッキのフラッグを掲出したらはがされたりするのだろうか。
これら以上にもっとたくさんの不安と疑問を抱えながら、試合開始2時間30分前にスタジアムに到着し、まずはこのワールドカップの雰囲気に慣れることから始めた。
当然ながら日本人の姿は見えない。私だけだ。
そんなさなか、日本選手たちがスタジアムに到着。選手たちと握手を交わしながらも、選手たちは既に戦闘モード。
「俺ら、やるよ。ゴール決めてくる。観ててよ。」エースのヒッキ(FCアウボラーダ)からの力強い決意を伴った言葉に、私も覚悟を決めた。
そうだ。こんな不安と戦うためにこの地に来たわけではない。
この地をHOMEにするぐらいの覚悟と気概を持ってやって来たんだ。
誰にどう思われようと、俺もやってやる。最高のサポートをしてやるんだ。
そして、私は多くの人が座るメインスタンドではなく、ゴール裏へと向かい、日本から持ち込んだヒッキの応援フラッグと日の丸を選手たちから見える位置に縛り付け、試合開始のホイッスルを待った。
そして、キックオフ。試合は終始日本ペースで進むが、なかなか決定機を決めきれないまま、前半が終了。
後半になって日本がより一層得点を取りに行く姿勢を見せていく中で、右サイドに張っていた星川(FC九州バイラオール)にボールが渡った。その星川から左サイドに空いたスペースをめがけて猛然と駆け上がるヒッキ(FCアウボラーダ)に美しい軌道のロングスルーパスが通る。
それを左足で受けたヒッキは巧みにクラッチを操り、鮮やかなステップで相手GKを交わし、ネットを揺らした。待望の先制点。
これを攻めながら守りきった日本が、1-0のスコアでワールドカップ初戦を勝利で飾った。
試合後、選手たちは私がいるゴール裏まで来てくれて、共に勝利を祝った。
写真をご覧いただくとわかるが、試合が終わった時点で私がいるゴール裏には20人ほどのメキシコ人がいる。
これは試合中に私の無邪気な応援に興味を持ったメキシコ人だ。
1人しかいない事情や応援の方法などを伝えて一緒に「NIPPON!!」とコールをしてくれたりもした。
その彼らには「明日はコロンビア戦。またここに来て一緒に日本を応援してくれよ」と懇願して、私が応援フラッグを外し、ゴール裏を後にした。
[試合ハイライト]日本 vs コスタリカ(グループリーグ第1戦)