「生活保護制度」を良くしたい
現在の生活保護制度には問題が多いので、早期に改良が必要である。
受給者も、受給者じゃない方も、皆で幸せになろうよ。
01 生活保護制度の問題点
問題点1 不公平感が強い
現状の制度では、懸命に働く低所得層よりも、生活保護受給者の方が実質的な可処分所得(自由に使えるお金)や医療費免除などの面で優遇されているという逆転現象が見受けられる。
また、長年保険料を納めてきた年金受給者の受給額と、生活保護費に大きな差がないことも深刻な問題となっている。
これでは「真面目に働くこと」や「備えること」への意欲を削ぎかねない。努力した人が正当に報われる仕組みこそが、社会のあるべき姿ではなかろうか。
問題点2 生活保護制度の運用が不完全過ぎる。
現在の運用は、申請者の善意に依存せざるを得ない側面があり、一部で不正受給を許してしまう制度的不備がある。行政の調査権限には限界があるが、性善説に基づいた現行制度の維持には無理が生じていると考えられる。
一方で、本来支援を必要とする方々が、窓口で申請を阻まれる(いわゆる水際作戦)という問題も看過できない。病気や予期せぬ困難で自立が難しい方が、遠慮なく公的扶助を受けられる確実なセーフティネットの構築が不可欠である。
問題点3 社会問題
一度受給生活に入ると、そこから脱却して社会復帰することが困難になる「依存の罠」が存在しる。労働と同等の対価が無条件で得られる環境は、個人の就労意欲や精神的な自律心を損なう。
また、就労の機会を失うことは、社会との接点を失うことと同義である。現在の制度には、受給者を社会から孤立させないためのフォローアップが不足しており、単なる金銭的支援に留まっている点が大きな問題である。
問題点4 財源
生活保護費の総額は年間約3.6兆円〜4兆円規模に達しており、国家財政を圧迫している。人口減少と少子高齢化が進む日本において、この莫大なコストを維持し続けることは、次世代への重い負担となる。持続可能な制度設計への転換が望まれる。
02 生活保護制度の改良案
改良案1 現物支給制度の導入と公営居住コミュニティの整備
生活支援の基本を現金給付から、衣食住を保障する「現物支給」へとシフトする。
【居住環境の整備】
国および自治体の負担で、必要最低限の個室(寝位・収納)を備えた共同住宅を建設する。食堂、浴室、トイレを共用とすることで、効率的な管理とコスト削減を図ることが出来る。
【ユニバーサルデザインの採用】
バリアフリー化を徹底し、高齢者や障がい者などの要介護者も安心して生活できる環境を整える。高齢の単身者を入居しやすくすることで、社会からの孤立や、孤独死を防ぐ。
【費用負担の適正化】
入居者には低廉な賃料(食費・光熱費・衣類提供費を含む)を課す。
【利用対象の拡大】
生活困窮者に限定せず、希望する全国民が入居可能な「行政サービスの住宅」と位置づける。収入に応じた適正賃料が発生するため、生活困窮者に限る必要はない。
【負担軽減の客観的基準】
年齢や心身の状況により就労が困難な場合は、専門医による統一的な診断に基づき、賃料や諸経費を段階的に減免する。
改良案2 仕事供給制度の創設
政府および自治体が、就労意欲のある受給者に対して適切な仕事を供給し、労働の対価として賃金を支払う仕組みを構築する。
【業務内容】
改良案1で示した共同住宅の管理(清掃・修繕)、介護補助、地域清掃、空き家管理、人手不足に悩む産業への支援など、多岐にわたる「公的な仕事」を創出する。
【目的】
収益性だけでなく、社会貢献や受給者の自己肯定感の向上、規則正しい生活習慣の維持を重視する。
改良案3 無料サービスを無くす
医療費や公租公課の一律無料化を廃止し、過剰診療や不正転売(医薬品など)を抑制する。
【応能負担の徹底】
就労不能の度合いに応じて、自己負担額を柔軟に設定する。
【専門医による判定】
判定の公平性を期すため、現物支給制度に精通した指定医が「労働能力」や「負担能力」を客観的に診断する。
03 改良案メリット
【国民感情の融和】
衣食住を現物支給とし、環境に応じた負担を求めることで、「受給者ばかりが優遇されている」という不公平感を解消することが出来る。住むところが限定されるが、その程度の不自由は受忍限度の範囲内である。
【確実なセーフティネット】
誰でも利用可能な居住施設があることで、申請が受理されない「水際作戦」の問題を構造的に解決できる。
【孤立の防止と社会復帰】
共同生活や公共就労を通じて社会との接点が維持され、精神的な自立や社会復帰への足掛かりとなる。
【社会的資産の有効活用】
費用対効果の面で見送られてきた公共サービスに労働力を投入することで、地域環境が改善し、日本全体の経済的・社会的なプラスを生む。
04 改良案デメリット
【行政コストの変容】
従来の現金配分業務は減るものの、施設の管理運営や仕事の創出・マッチング、評価などのために新たな人材と予算が必要となる。
【モラルハザードの懸念】
労働能力があるにもかかわらず、低コストな生活に安住し、負担金を滞納する受給者への対策(指導・罰則規定など)が必要となる。
05 総論
現在の「金銭を給付して放置する」制度は、受給者の孤立を深め、納税者の不満を募らせる結果となっている。
本提案による改革は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」を単なる生存権の保障に留めず、「社会との繋がり」という人間らしい尊厳を含めた高水準な支援へと昇華させるものである。支え合い、誰もが役割を持てる社会の構築こそが、真の解決策であると考える。