棒高跳に関わる審判と補助員について知ろう!
Boutaka Channel&石井棒高跳クラブの酒井です。
今回は棒高跳の競技を支える側!
”審判・補助員”のやり方についてお伝えします。
審判・補助員がいなければ私たちは棒高跳の競技に参加することができません。
どのようなことをしているのか?
しっかりと理解して、選手・審判・補助員が互いに気持ちよく競技会を作っていきたいですね。
審判員の仕事内容
1. 主審
ピットの側で旗を持っている人が主審です。
主審は旗を用いて、競技の開始・終了の合図、試技の成功・失敗を会場全体に知らせます。
旗は右手が白旗、左手が赤旗を持ちます。
競技開始の合図は、体がYになるように旗を「ハ」の形に
競技終了の合図は、頭上で旗を「X」の形にします。
競技中は、正しくバーが設置されているか、アップライトが合っているか確認し、主審が選手に合図(旗を振ったり、コーンを動かすなど)を送ることで試技が開始されます。
この合図に合わせてタイマーは作動します。
主審は選手がルールに則った跳躍方法で跳べているかを判断し、正しく跳べていれば白旗、誤った跳び方やバーを落としていれば赤旗を上げて成功・失敗を判断します。
大きな大会では副審もいて、主審とともに試技の成功・失敗を判断しています。
2. 高さ計測員(バーの水平計測)
棒高跳用の高度計(L字の機器)を用いてバーの高さが正しいか計測します。
計測のタイミングは試合開始前や高さが変更されるタイミングです。
高度計を地面に垂直に立てて、先端のLの部分がバーの中央に軽く触れているかを確かめます。
大きな大会では水平器を用いてバーが水平であるかどうか計測しています。
3. 記録担当員
選手の試技の結果を紙に記入あるいはPC上に入力します。
また、高さのパスやアップライト、公式練習の高さなどを把握し、競技会を進行する審判員でもあります。
選手はこの審判員に高さのパスやアップライトの変更を申告しましょう。
競技中は選手に合わせてアップライトの変更を補助員に対して指示します。
競技終了後には、正しい順位を決定し、記録の整理が正しいか確認をします。
4. 競技者担当員(呼び出しの係)
試技順に選手を呼び出します。
呼び出しの際には、選手の名前ではなくナンバーで呼び出すため、選手は自身のナンバーを覚えておく必要があります。
補助員の仕事内容
1. バーをかける補助員
バー上げ器(Y字の道具)を利用して2人で協力してバーをかけます。
バーは最も湾曲した部分が中央になるように左右バランスよく乗せなければならず、支柱の定められた位置にかける必要があります。
コツはバー上げ器でバーを挟んだ後に捻ってから上げることです。
これによりバーが固定されて上げやすくなります。
風が強い時には支柱の紐を跳躍のぎりぎりまで引くことで、バーを落とさず競技会を運営することができます。
2. 支柱を操作する補助員
支柱に関する操作を行う補助員です。
下記が主な仕事です。
・選手の申告に合わせてアップライトを変更する
・バーの高さが上がる時に高さを合わせる
バーをかける補助員と支柱を操作する補助員がスムーズだと、競技会運営もスムーズに進行することができます。
3. ポールをキャッチする補助員
選手が跳躍後に放すポールを地面に落とさないようにキャッチします。
ポールは傷がつくと折れる危険性が増すので、落とさないように気をつけましょう。
4. タイマーを操作する補助員
主審の合図に合わせてタイマーをスタートさせます。
主審が成功・失敗の旗を上げたらタイマーを止めてリセットします。
選手がなかなか助走を始めずに残り15秒になった時には、黄色旗を上げて選手に残り時間が少ないことを伝えます。
5. 記録表示板を操作する補助員
現在の試技者とその高さが分かるように記録表示板を設定します。
全ての数字を入れたら表示板を一回転させて会場中に分かるようにします。
(大きな大会では電動で実施されます)
以上が棒高跳の競技に関する審判員・補助員です。
しかし、W-UPエリアの審判員がいたり、招集所の審判員がいたり、他にも多くの審判員がいて、皆さんの競技が成立しています。
私が住む石川県では悲しいことに競技者よりも審判員、補助員の数の方が多いこともよくあります。また、審判員が不足し、一人でいくつもの審判の役割や補助員の役割をこなすこともあります。
競技ができるのは多くの人の支えがあってこそです!
そして、競技することだけが棒高跳ではありません!
支えることも棒高跳という種目の一部です。
競技者として一区切りついた選手は、ぜひ審判員の協力をお願いします!
選手の皆さんは感謝の気持ちを持って、棒高跳を楽しみましょうね!
(writer:酒井)