「高齢・独居・ペット」そこから見える問題|かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2023年5月号(21号)
川崎市公認の登録ボランティア、かわさき犬・猫愛護ボランティアの中から生まれた「かわさき高齢者とペットの問題研究会」より、ニュースレターをお届けします。
今回は、研究会が関わった実際のケース(CASE 14)をご紹介します。
高齢者とペットが共倒れ
今回は、他市の包括支援センターからいただいた「飼育環境が悪い中でペットを飼育している事例はあるか?」というご質問にお答えします。
答えは、残念ながら「あります」。むしろ、当研究会で把握している又はご相談いただく案件の多くが、飼い主もペットも劣悪な環境にあると言えるでしょう。特に「独居・認知機能低下・体調不良」の高齢者、さらに生活困窮が加わる場合は、より顕著です。
ふんがうず高く積もった不衛生な室内で、十分な食事や健康管理がなされないまま、高齢の飼い主とペットとが共倒れになってしまうケースが後を絶たず、社会問題化しています。
「人」と「ペット」は切り離せない問題
自分自身の暮らしさえ不自由な状態で、なぜペットを飼うのか、飼い続けるのか? 周囲や支援・介護の現場に携わる方々の、リアルかつ切実な思いも聞こえてきます。
ペットは人の暮らしを豊かにし、幸せを与える家族の一員という存在になりつつあります。一方で、現代社会は少子高齢化という深刻な事態を抱えています。人とペットが密接に結びつく以上、切り離しては解決できない問題が、今後ますます増えるでしょう。
人の支援・介護関係、動物関係、そして行政等、様々な立場から多面的に協働する体制づくりが必要ではないかと、当研究会は考えています。
豆情報:シンポジウムでも意見交換
2023年3月5日に開催されたシンポジウムでも、上記の問題に関して介護関係者、獣医師、ボランティア、教員等、多方面から現状報告、課題提起、実際の取り組み例といった貴重な発言をいただきました。今後もこのような機会をもちたいと思いますので、ぜひご参加ください。
かわさき高齢者とペットの問題研究会通信 2023年5月号(21号)
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