数学を勉強する意味
「数学って何のためにあるの?」
「連立方程式とか2次方程式を大人になってから解くことある?」
そう聞かれたら、なんて答えますか。
まず生徒がこの質問をしてくる意図は、
勉強をしたくない、あるいは本気になりたくない。
だから”やらなくてもいい理由”を探しているんです。
なので、
「いいからやりなさい」とか、
「みんなやってるんだから」とか、
「将来使うかもしれないんだよ」
なんて言っても、納得なんかできません。
そもそも、納得させるために応えてはいけない質問なんです。
力任せな理論で納得させても、
「なんかむかつく」とか「なんとなくやだ」
という当たりどころのない結論で終わってしまうのです。
私たち大人がこの質問に応えるにあたり、
意識しなければいけないのは、生徒たちが「勉強したい」と思うようにすることです。
間違っても「勉強させること」にもっていってはいけません。
毎回、大人が勉強させるのですか?
それでも毎日根気よく勉強しなさいを言える保護者様もいますが、
そうすると、
「宿題以外やらない子」「言われなければ動かない指示待ち人間」
が生まれてしまいます。
数学については、私はいつもこう答えます。
「問題を解決する能力を育ててるんだよ」と。
何か困ったことがあったとき、それを解決するまでの計画を立てて、遂行するプロセスが、
まさに数学の問題を解くプロセスと酷似しているのです。
うちの塾生は数学好きが多いのですが、
数学の難問を解けたときに楽しい、うれしい、もっとやりたいと言うのです。
これは大人になってからトラブルを解決したり、プロジェクトを成功させたり、
問題を解決するプロセスと同じです。
つまり、数学が得意な子ほど、問題を解決する能力が高いと言えると思います。
もちろん、答えが出たところでそれを適切に相手に伝える必要もあるでしょうから、
英語や国語で培われるコミュニケーション能力も必要です。
ともあれ、勉強しておけばよかったという大人は大勢います。
しかし、勉強しなければよかったという大人は会ったことがありません。
つくづく思います。
こういう動機付けは塾の大きな役割である、と。
勉強したくなるように、生徒を導くこと。
これはインスタントにできる内容ではないなと思います。
ただ、どの子も塾に通えるわけではなく、スタプロも定員で入れないことが多いので、
出来る限り私の知っている技術や情報は発信していこうと思います。