高知市 龍馬も泳いだ鏡川でバリアフリー・パックラフト検証
観光庁令和5年度「インバウンドの地方誘客や消費拡大に向けた観光コンテンツ造成支援事業」にユニバーサルツーリズムで参画し、私も少しお手伝いしている事業が高知市の取組み「2023年秋はりまや橋アクティビティ観光案内所開設 『高知マルチカルチャー体験:ユニバーサル観光とアクティビティで魅了される高知市周遊』滞在型観光造成事業」です。
1月14日(日)、鏡川でのパックラフト体験検証と関係者向けのユニバーサルツーリズムセミナーを実施しました。
※パックラフト:軽量、コンパクトに畳めるカヤック
朝9:00、会場となる鏡川緑の広場駐車場へ。
駐車場の入口脇には、高知市民憲章の碑、鏡川のきれいな水質を示す看板が設置されていました。
本事業の実施主体となる「土佐のきごころ」の村田さんによるレクチャーを受けるところからスタートです。
このポイントだと、川面のレベルまで階段が5段ほどあるため車いすユーザーをご案内するにはふさわしくありません。まずは一般客向けの体験をやったうえで、車いすでアプローチ可能な場所を確認することにしました。
一人用パックラフトは、カヌー等に比べると安定していますが大きなラフティングボートほどではないため、岸から乗り移る時は緊張しました。
いざ漕いでみると空気が入った枠の分だけ遠くにオールを入水させなくていけないのと、パックラフト自体が回転しやすい構造なので、前に進むには一定の練習が必要でした。
慣れてくると川の向こう岸付近までいって戻ってくることができました。
海から近い場所なので潮の満ち引きで川の流れも左右されるそうです。
ユニバーサルツーリズムプログラムとして提案する際には、漕げる人には漕ぐ楽しみを、オールを漕ぐ力が弱い障がい者や高齢者には川の流れに合わせてプカプカと川を下りながら、高知の街を川面から眺めるのはすごく楽しめると思います。
この岸の場合、私のように身体が重く硬い人はボートから岸に足を上げてから降りることはできず、上半身から這い上がるのが精一杯。(溺れて救出されているわけではありません)
その後、車いすでも安全に乗降できるポイントの検証に移動しました。
その後、ユニバーサルツーリズム視点のアドバイス意見交換を兼ねたセミナーのため、「土佐のきごころ」に移動しました。
ここでは、高知の「おきゃく(宴会)」体験も紹介していて車いすユーザーも1階に席を作って土佐のおきゃくを楽しめます。
戻ってからのセミナー(勉強会)・振り返りでは、高知県内で過去実施したドルフィンスイムやグラスボート、ヨット体験など段差のある施設やボート等に乗り移る際の工夫などを解説し、国内外でハード面にバリアがある観光地でのツアーの組み立て方などを紹介して、そのご意見交換を行いました。
終了後は「土佐のきごころ」でツアー中のランチとしても提供している高知の薬味を使った蕎麦を食べました。
〈ユニバーサルツーリズム着型プログラムとして販売するために〉
・今日の検証をもとに車いす等障がい当事者、関係者を交えた体験会などを実施し、安全に催行するための実地研修が必要。
・送迎、追加介助スタッフ付で費用が通常より割高になる場合は、購入を検討する人が納得できるだけの内容の見える化が重要。
・高知の場合はどこに行くにも二次交通が課題になる中で、高知市内でこんなプログラムを体験できるという発信と、その魅力のPRが一番重要。
・県や市、観光協会等との連携で鏡川にフォーカスをあてる拠点になる可能性あり。