信用される医療
針灸マッサージと言えば、何だか分からないけれども身体のメンテナンスによさそう
そう思われているかと思います。
私が国家資格を取得したのは、かれこれ33年前。
当時は高校の就職・進学担当の先生にも
「あなたは目が見えなくなる病気にでもかかったの?」
とか聞かれたりしました。
当時は、針灸マッサージの世界に晴眼者で行った卒業生は居なかったそうです。
そして今更ですが・・・
もうそんなに経ってしまうとは、今まで何やってきたんだろうとも思ってしまいます。
以前は鍼灸の専門学校教員などもしながら、サウナや箱根のホテルでマッサージしたり、
かと思えば、東京の病院で針灸治療スタッフとして働いていたりと
まるで実践が伴わなければ、学が深まらないとばかりにがむしゃらでした。
みんながバカに思えるほど、そして世間の一般患者がなぜ手術を焦って行い、
身体障害となり仕事を離脱しなければならないのか?
そんなに手術を妄信して失敗するんだったら
まだ保存療法である本物の鍼灸治療やマッサージ治療を行ってみてはどうか?
などと考えた時もありましたが、
今はそういう考えは止めました。
何故なら、私は国家試験第一期生ですが、以前の鍼灸マッサージ施術者は
ろくに勉強もせずと言えば誤解がありますが、
戦後、白洲次郎がマッカーサ元帥に嘆願して視力障碍者のためにと
残された職業でもありますので、
無闇やたらにレベルを上げることが困難だったという事が背景にあるかもしれません。
そして、また労働災害が多発し、手術やリハビリなどでは癒しきれない
切断した四肢の幻覚症状を担う受け皿的存在であったという事もあったかと思います。
また更には抗がん剤もない時代に癌患者の痛みを癒すには
モルヒネとお灸の同時併用が有効であったことも否めません。
しかし、今現在、当時の事情とは異なります。
エビデンス在りきの医療体系の中で、鍼灸マッサージ業は完全に孤立し
無資格者の整体マッサージ、リフレ、オイルマッサージ、美容業界が勢力を増し
本来の医療行為という分野が薄れていることに気が付きます。
言い訳じみた表現ですが、エビデンスを出せないのは、
患者のニーズが多様化しているせいで、
その求めと満足度に合わせて施術していると統計がとりずらい状況なのです。
確かに業界が続いているのは、患者が効くと感じているからに他なりません。
また、鍼灸業界も学校経営の為に特色を出そうと、あの手この手で学生をかき集めて
質の高い資格者を排出できないことも背景にあるように思います。
いっそのこと、3年で国家資格をとったのちに、5年毎にライセンス更新制にでもして
研究論文発表で10点、学会参加3点、地方学術大会2点、
ボランティア参加1点などと点数を決めて
5年で30点を得なければ職業が成り立たないようにすればどうかとも思います。
私も18歳で入学して東洋医学を学びましたが、当時まだまだ理論が確立しておらず、
研究の余地は十分にあると感じました。
また、中国語文献の日本語翻訳の先生も知人で、
一生懸命学校用にと教科書を作ってくれていた時代ですし、
また経穴委員会というものがあって、
世界の鍼灸師のツボの概念を統一しようと擦り合わせに一生懸命であり、
ツボって一体何なんだと疑問符がたくさん発生しまくっていた時代でもありました。
そんな中で、誰かが書いた本を妄信し
おまじない的な理論で身体に鍼を打っている人もいれば
資格取り立ての治療経験の少ない若造が、
患者を実験台代わりに鍼を内臓まで深く刺すやり方を見てぞっとしました。
こんなことばっかり、みんなが適当にやっているから
医療事故も起こり得るし
医師にバカにされるんだよと思いました。
今でもそんな恐ろしいことが全国で多発していることを思えば
野蛮行為と言われて仕方がないとさえ思います。
症状に合わせて・・せめて、各筋肉を選択的に選び筋膜への刺激を行うとか
血管神経に当てて血管の拡張や収縮を目的に行うようにするなど
もう少し科学的に施術が出来ないかと思いますが、
それ以外にも体表の神経集約点であるツボと言われる場所に鍼や温熱の刺激、
または指圧などの刺激を行うと痺れが取れたり
凝りのような硬さが取れたりして、自律神経のバランスが整ってくることがあるので
一概に筋肉と血管と末梢神経だけでは語れない部分もありますので
東洋医学施術の難しいところです。
また、各人は骨奇形を20%ほど持っていて、その人に適用できないこともあります。
それが人間の神秘的なところです。
そんなことを思いながら
今後、正しい診察と正しい治療計画、妥当な治療法、納得のいく結果が得られるように
研鑽してまいりたいと思います。
最近、山形県の鍼灸マッサージの組織や組合が高齢化のために
バラバラになってきているように思います。
私の作ったホームページが未だに20年も使い続けられていることを考えると
恐ろしいことです。
そろそろ、もう一度組織の前面に参加して、組織をまとめていき
学術部門や保険治療部門でもう一度息を吹き返し
一般の方々への理解と、医師や地方公務員などへの理解を
深めていかなければならないなぁ~などと考えているところです。
今後、10年をかけて業界全体の勉強する機会を増やし
患者の生活の質を向上できるように頑張っていきたいと情熱が沸き上がってきています。
という事で、今後ともよろしくお願いいたします。
とにかく土日は固定客もあり、忙しすぎるので
予約は平日にお願いいたします。
m(__)m