この小さな世界から大きな空へ
Facebook伊藤 研人さん投稿記事【コロンブスの家】
ジェノヴァの街中にポツンと佇む古びた建物。小さな家。
この小さな世界から、彼は大きな海に出たのだ。
今思えば、幼い頃にコロンブスのストーリーを聞いて、大きな影響を与えられたと思う。常識を覆して、未知の海へ航海していく勇気。誰もやらなかったことを発想し、実行する行動力。自分もそんな挑戦ができる人間になりたいと、幼心に思った。のちにヨットを始めたのも、この人物の影響かもしれない。
しかし、大人に近づくにつれて、歴史と世界を少しずつ知っていった。「新大陸発見」というのはあまりにもヨーロッパ主観的すぎる歴史観であること。それより500年も前にヴァイキングが北米に至っていたこと。そして、コロンブスは航海した先の北米で、自らの富のために、先住民に対して虐殺や拷問、奴隷化などの残虐行為を繰り返していたこと。
そして、その先住民は心優しい平和で豊かな人々であったこと。
大学生になると、様々なことを自分なりに探究し、世界中の思想・哲学を貪るように学んでいた。その結果、北米の先住民の思想や哲学が自分にとっては世界一の叡智であるように思えた。
「自分に繋がる全てのもの」
すなわち「この世の全て」に意識を向け、理解する努力をし続け、現実をありのままに理解し、その全てに感謝を捧げる。その上で、その全ての存在の幸福を喜ぶ心を持った自身の幸せのために、人や社会や自然界に貢献する。
「富は所有しているものではなく、与えたもので測られる」
「7世代先の子供達の幸せを考えて今を生きる」
法律やシステムではなく、民全員の成熟した心で社会の秩序を保つ。心身ともに豊かな暮らしを送る。社会の運用コストは極小となり、全体の労働時間も短くなり、表現に使う時間を持ち、自身を深く理解し、世界を探究し、深い哲学を持ち、人々の絆は強くなり、心からの豊かさを築いていた。
その人々に憧れて、自分は海を越えて、世界に出た。
コロンブスの家を前に、複雑な気持ちになる。無常。
この、ヨーロッパの大航海時代を経て、世界は植民地化へと進んでいく。平和で心優しい人々ほど、簡単に制圧されていった。抵抗しないほど、より残虐な扱いを受けた。
それを見た日本は、「毅然とした態度で対抗しなければならぬ」と、江戸幕府を倒し、富国強兵に突っ走る。
そうして、ロシアに打ち勝ち、白人以外で初めて列強に食い込む。アメリカとも徹底的に戦い、敗戦したものの植民地独立の一因を作る。そして、経済大国として急速に発展し、経済の世界で全力で戦い続けてきた。しかし今、高齢化と、物質的豊かさの中で熱量を失った世代によって、その戦いも劣勢になってきている。
日本が、大航海時代以降、初めて得られた安全と豊かさによって、今方向を見失っている。
こうした過去から学べることは何か。
多くの場合、戦わなければ滅ぼされるという話になっている。
しかし、それ自体がそろそろ古い常識になっていく頃だろう。
大航海時代から約600年、世界中がお互いを認識し合い、搾取し、侵略しながら、グローバリゼーションが進んできた歴史の1区切りの終わり。
ここから、このまま続ければ、人類全体が崩壊していくという明白な事実を目の前にして、地球全体をどう運営していくかを冷静に考える時代に入る。
しかし、それは自動的に起こることではなく、我々が起こしていくべきこと。
さあ、今からバスに乗って、次はジュネーブ。国連ヨーロッパ本部。
改めて、今の世界の運営に触れてこよう。
https://peatix.com/event/3722208/view【第18回国際俳句シンポジウム】より
(土) 13:00 | オンライン | By 日本伝統俳句協会
隔年毎に芦屋の虚子記念文学館で開催してきた国際シンポジウム、今回は芦屋と東京の二つの会場を繋いた二元中継で開催します。リモート参加も受け付けておりますが、ぜひお近くの会場に足をお運びください!
2024年2月17日(土) 13:00-17:00
【東京会場】オフィス東京(東京都中央区京橋1-6-8コルマ京橋ビル2F) 3,000円(申込不要・現地支払)
【芦屋会場】虚子記念文学館(兵庫県芦屋市平田町8-22) 3,000円(申込不要・現地支払)
【リモート参加】オンライン配信 1名:2,000円
第一部 国際俳句の最前線
・俳句絵本の国際化 奥田好子 (著書「虹色のかぶとむし」)
・国際俳句への季語の紹介 向瀬美音 (著書「国際歳時記」春・冬新年)
・ヴェトナムにおける俳句の活動 グエン・ヴー・クイン・ニュー (訳書「俳句のルール」)
第二部 【シンポジウム】国際俳句から地球俳句ヘ‐伝統俳句の可能性
●パネラー 堀田季何 (「楽園」主宰・現代俳句協会理事)
●パネラー 山田佳乃 (「円虹」主宰・日本伝統俳句協会常務理事)
●パネラー 岩岡中正 (「阿蘇」主宰・日本伝統俳句協会会長)
国際俳句から地球俳句へ—戦争や環境問題・気候変動など、地球的課題が問われる時代となりました。俳句もまた無縁ではありえません。伝統俳句の世界観や「存問」は、国家を超えて重要な文化的資源となるのではないでしょうか? 広く協会内外の方々との対話を通じて、「地球俳句」の中の「伝統俳句」を考えていきたいと思います。(岩岡)
●司会 井上泰至 (日本伝統俳句協会副会長)
主催:公益社団法人 日本伝統俳句協会
file:///C:/Users/minam/Downloads/resonances2015_09_12.pdf 【俳句の国際化をめぐるパラド ックス】