真の恐怖を描いた作品
①新耳袋
実話怪談をまとめた本。全十巻。関連作品も多数出版。
出版当初は百物語の装いで全百話収録されていましたが、一日で読み切った読者から「怪異が起こった」という報告が相次いだため、その後改編して現在は全九十九話収録で発売されています。
全て実話なので本当の心霊現象というものを疑似体験できます。
ドラマ・映画化もされており、なかでもリアリティがあり高評価で恐怖指数の高い作品が『庭』です。
※最下部に動画添付 39分54秒~
②拝み屋怪談 花嫁の家
宮城で拝み屋として活動している郷内心瞳さんの実話怪談シリーズ。
全作品怖いのですが、この花嫁の家だけは別格です。
霊的な怖さも勿論ありますが、それを上回るほどの人間の怖さがここには綴られています。
気味が悪く現実離れしたような話ですがこれは列記とした実話。
多くの読者が過去一怖いと評しています。
因みに郷内さんはこの執筆中、何度も怪奇現象に遭遇しており、なかなか筆が進まず出版までにかなりの時間と労力を費やしたようです。
③残穢
小説。後に映画化。
●あらすじ(※松竹より引用)
小説家である「私」(竹内結子)のもとに、女子大生の久保さん(橋本愛)という読者から、1通の手紙が届く。「今住んでいる部屋で、奇妙な“音”がするんです」。好奇心を抑えられず、調査を開始する「私」と久保さん。すると、そのマンションの過去の住人たちが、引っ越し先で、自殺や心中、殺人など、数々の事件を引き起こしていた事実が浮かび上がる。
彼らは、なぜ、“音”のするその「部屋」ではなく、別々の「場所」で、不幸な末路をたどったのか――。
「私」と久保さんは、作家の平岡芳明(佐々木蔵之介)、心霊マニアの青年・三澤徹夫(坂口健太郎)、そして、「私」の夫・直人(滝藤賢一)らの協力を得て、ついに、数十年の時を経た壮大なる戦慄の真相に辿り着く。
だがそれは、さらなる事件の序章に過ぎなかった――。すべての事件をつなぐ【穢れ】の正体とは?
真実の先にある、予定調和を許さない驚愕のラスト まで目が離せない。
日本のホラー映画は「つまらない。チープ。B級」などと低評価満載ですが、残穢だけは次元が違います。
他作品のように効果音や特殊メイクのお化け役者を用いて視聴者を怖がらせようとはしません。
霊の姿も些細な怪異も全ての恐怖がリアリティの塊。真の心霊現象が表現されています。
ジワジワと恐怖が押し寄せ、話が進むにつれ恐怖度は増していきます。
パンドラの箱を開けるとはまさにこのことでしょう。
⇑『庭 39分54秒~』