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激マニアック物件「Maruhachi」がほぼ満室に!

2018.11.09 07:21


 福岡ボートレース場の入り口脇にある元質屋&角打ち物件という、パンチが効きすぎな物件「Maruhachi」がこの度、ほぼ満室になりました。"ほぼ満室"というのが、企画当初から予定していた募集区画は埋まり、1階のスタジオはレンタルスペースとして時間貸ししつつ、一応賃貸募集もしている、といった状況のためです。


 思えば、オーナーであるリーシングサポート五島さんから昨年この物件の活用についてご相談頂いた時、あまりにもエリア的なロールモデルとか前例がなさすぎて、なかなかこれだ!という企画が正直思いつきませんでした。そのうち「スモールオフィスで進めていきたいと考えている」というお話になった時に、うわ〜できるかな〜と不安だったものの、R不動産在籍時にスモールオフィスのリーシングはいくつかやらせて頂いたり、コンバージョン案件みたいのも多少関わってノウハウはある程度蓄積できていたので、そういうのを活かせればなと思い、参画させて頂いたのです。


 とは言え、前を通る人は100%競艇客だし、なんだか都会でも田舎でもない特殊立地で、こりゃ新しい人の流れ作るの大変だなと思い、「これ、オフィス以外でよっぽど何かしらの特徴作らないと人来ないですよ」と話しました。そして、思いついたのがレンタルスペース。これは中央区港の造船所近くというこれまた特殊立地で前々から企画・管理・募集等で携わらせて頂いてる90㎡のシェアスタジオ「スタジオポルト」の事例を合体させるというものでした。


 また面白いことに天神エリアでのレンタルスペース23箇所を調査したところ、なんと全て空中階で1階は皆無!そりゃそうですよね。店舗で貸したほうが安定しますから。でもここはこんな立地だから普通の商売は難しく、逆に時間貸しにした方が良いわけです。1階ですと、イベントやポップアップショップなどに活用できたり、撮影でも機材の出し入れが容易ですし。


 ということで1階の43㎡ほどのスペースをレンタルスペース、上は、スタートアップ・フリーランス熱が加熱している割にはまだまだ福岡で不足していると思われる、3〜4坪程度のスモールオフィスで組み合わせることに。また改装予算も抑えるために、敢えて未完成・ざっくりな内装にして、DIY型賃貸にしましょう、そして多くの人にとって頭の痛い原状回復義務をなくしちゃいましょうという提案も。これは樋井川吉浦ビルの吉浦さんからの学びです。


 自らDIYする方って殆どセンスが良いので、大体良い空間になってしまうんですよ。だから戻す必要なんてない。勿体無いし。グレーのパンチカーペットに白のクロス壁なんていうTHEオフィス内装なんて、そういう方々からしたら逆に嫌われるし、敬遠されるんです。そしてDIYすると部屋に愛着が生まれて、テナントさんが長く入ってくれたりします。これも全て吉浦さんや吉浦ビルの住人さんたちから教わったことなのですが。


 ということで内装設計は建築士鴛海さんのもと、壁は合板やコンパネむき出し。天井も鉄骨でかっこよかったのでむき出し。床もモルタル敷き。見る人がみたら貧相かも知れませんが、ハマる人にはハマるんです。アトリエでもいけますし。


 そしてクリエイターやセンス良い人を呼び込むためには、ブランディングも重要ということで、ストックデザインラボの北嵜さんがご担当。ロゴ・WEBからフライヤーからきっちりまとめ上げ、さすがプロ!って感じでした。完成後はアートイベントなども企画され、競艇場前とは思えない沢山のお洒落さん達を呼びこんだのです。


 余談ですが、僕は名前を考えるのが好きなので、建物名称を決める段階で沢山出した案の中で「Trashare(トレジャー)」が良いんじゃないですか?と提案しましたが、丸八質店の歴史をそのまま継承しようということで本名称に落ち着きました(笑)ちなみにTrashareとは、入居者間で仕事やノウハウを交換するという「trade」と、建物・文化を共有する「share」を合体した造語で、質屋だからつまりそれが宝(トレジャー=Treasure)となる、という意味でした。ボツになりましたが勿体無いのでまた類似物件が出てきたら提案したいと思います(笑)


 そんなこんなで、2018年2月頃から改装工事に入りつつ、同時進行でリーシングへと入っていったわけです。

(つづく。多分。)