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『鳥さしの唄』ジャック・プレヴェール/シバタリョウ

2024.02.04 14:41

現在開催中のシバタリョウさんの個展「窓からの景色」ではメインビジュアルの絵はフランスの詩人、ジャック・プレヴェールの詩『鳥さしの唄』からシバタさんが絵を描いているのですが、今日2月4日はジャック・プレヴェールの誕生日でした。1900年なので、生誕124年ですね。

今回の個展ではこのメインビジュアルの他にもう1点、プレヴェールの詩から描かれたもの「血と羽根」もあるのですが、その紹介はまた後日。


『鳥さしの唄』(小笠原豊樹 訳)

とても静かに飛ぶ鳥

血のように赤くて暖かい鳥

とてもやさしい鳥 ひとをからかう鳥

だしぬけにこわがる鳥

だしぬけにぶつかる鳥

ほんとうは逃げたい鳥

孤独な狂った鳥

ほんとうは生きたい鳥

ほんとうは歌いたい鳥

ほんとうは叫びたい鳥

血のように赤くて暖かい鳥

とても静かに飛ぶ鳥

それはあなたの心だ 美しいひと

ひどく悲しげにあなたの心がはばたくのだ

こんなに重くて白いあなたの乳房の内側で



「鳥さし」と言うのは鳥を捕まえて生計を立てていた人のことのようです。

「鳥刺し(とりさし)は、鳥黐などを使用して鳥類を捕獲する行為、およびそれを生業とする人。古くから職業として成立しており、イソップ童話やモーツァルトのオペラ『魔笛』などにも登場する。また、狩猟の仕草を踊りや舞にした伝統文化が鳥刺舞、鳥刺し踊りなど各地に存在する」(wikipediaより)


プレヴェールはこの詩で鳥を、人の心と重ねて歌っています。

この胸の中にある、様々な感情が色めき揺れ続ける、この心が、この身体の中に埋め込まれている苦しさ、そして美しさ…。

わたしはこの胸の中の鳥を、あなたの胸の中の鳥を、そっと両手に包んで、抱きしめたかったのだ、なんて書くと、ロマンチックに過ぎるでしょうか。

シバタさんの描く絵とともに、プレヴェールの詩も、どうぞ読んでみて下さい。

店頭ではこの詩も載っている岩波文庫『プレヴェール詩集』も販売しておりますので、お手に取って、シバタさんの作品とともに見ていただけたらと思います。


<開催概要>

シバタリョウ個展『窓からの景色』

会期2024年2月1(木曜日)〜2月19日(月曜日)

12時〜18時/19日最終日は16時まで/水曜休み

オンラインストアは

2月7日(木曜日)から。