2024年度西宮能楽堂公演
4月 7日(日)14時開演 「源氏物語」
女楽と舞楽の再現
大河ドラマ「光の君へ」の主人公、紫 式部が書いた「源氏物語」。紅葉賀の巻 において、光源氏と頭中将が舞っていたのが 「 青 海 波 」 。「 青 海 波 の 装 束 を 衣 紋解説後、舞をご覧いただきます。光源 氏の舞は、あまりの美しさにこの世のものとは思えないほどだったと紫式部 は記述しています。若菜下の巻において、源氏の邸宅「六 条院」で女性たちによる「女楽」演奏の 描写があります。明石の上の琵琶、紫の 上の和琴、明石の女御の箏、女三の宮の 琴、そして夕霧の息子の龍笛や玉鬘の 息子の笙が付いて華やかな演奏が奏で られます。装束と楽器演奏により、古の風景を再現します。雅楽を通じて「源氏 物語の世界をお楽しみください。
「青海波」装束衣紋解説
解説 中田 文花
衣紋者 女人舞楽原笙会
舞楽「青海波」※CD 音源
舞人 女人舞楽原笙会
女楽「越天楽」解説 & 実演
解説 中田 文花
豊嶋 くるみ(不易流行雅楽会代表)
演奏 女人舞楽原笙会
豊嶋 くるみ
5月 11日(土)14時開演 能「源氏供養」
紫式部の罪とは
安居院の法師の前に現れた紫式部は 「源氏物語」を書いたものの、その供養 を怠ったことにより浮かばれない旨を 述べ、願文を渡して作品と自分、源氏物 語の登場人物への供養を願います。そ して「源氏物語」を通じてこの世の無 常 、 仏 教 観 を 語 り 、「 源 氏 物 語 」の 世界を走馬灯のように表現し、実は紫式部こそ石山の観世音の化身であると言い残して消え失せます。ここには中世に流布されていた主流の、妄語や好色の戒めといった仏教的 観念や儒教的教戒観が根底にあります。
演目&謡と型の解説
能「源氏供養 げんじくよう」
シテ 井戸 良祐
ワキ 原 大
ワキツレ 原 陸 久馬治彦
笛 斉藤 敦
小鼓 上田 敦史
大鼓 森山 泰幸
後見 梅若 猶義 梅若 基徳
地謡 山中 雅志 山田 薫
上野 朝彦 梅若 雄一郎
6月 2日(日)14時開演
能「半蔀」より 「令和から見た夕顔」 ほのぼの見つる花
可憐ではかなく、つい庇護したくなる夕顔。「源氏物語」に描かれている夕顔は、作家・渡辺淳一を筆頭に昭和の男性から圧倒的な人気があります。さて、令和の今ではどうなのか?自らな んら積極的に行動しない夕顔につい て、ご一緒に深堀りしませんか?(たつみ都志) トークでは、たつみ都志と梅若基徳が「源氏物語」に登場する夕顔と能「半 蔀」の夕顔について解説します。最後に梅若基徳による仕舞「半蔀」をご覧いただきます。※能「半蔀」:五条あたりの寂しげな 家の蔀 戸( しとみど )が上がり 、夕顔( 亡 霊)が姿を現す。光源氏との恋の思い出 を語り、舞を舞う。僧にわが身の弔いを頼み、夜が明けぬうちにと蔀の奥へと入っていく。
講演「令和から見た夕顔」
た つ み 都 志(武庫川女子大学名誉教授)
トーク源氏物語と能「半蔀」
たつみ都志 & 梅若基徳
仕舞「半蔀」
能楽師 梅若 基徳
7月 6日(土)18時開演
和ろうそく能「葵上」
生霊となる愛
光源氏の正室葵上は、物怪のために 重い病の床にあります。その正体を知 るため、照日巫女が梓の弓を鳴らして物怪を呼び寄せます。枕辺に現れたのは、六條御息所の生霊でした。生霊は、光源氏との華やかな日々、愛を失った今の嘆きを綿々と述べ、激しい感情の高まりのままに、葵上を打ちすえて姿 を消します。急ぎ呼び出された横川の小聖の前に、再び鬼の姿を現した御息 所の怨霊ですが、法力によってついに祈り伏せられてしまいます。
演目&謡と型の解説 能「葵上 あおいのうえ」
シテ 梅若 基徳
ツレ 立花 香寿子
ワキ 福王 知登
ワキツレ 喜多 雅人
アイ 善竹 忠亮
笛 野口 亮
小鼓 上田 敦史
大鼓 森山 泰幸
太鼓 中田 弘美
後見 上田 大介 上田 顕崇
寺澤 幸祐 上野 朝彦
上田 宜照 梅若 雄一郎