イベント報告:森あるきで二十四節気を楽しもう ~大寒~ 「冬越しの生き物を探そう」
今回の二十四節気は大寒! 一年の中でも最も寒い時期ということもあり、トヨタの森でも池に氷が張ったり、雪が積もったりと寒さが厳しくなったなと感じる時期となりました。今回はそんな寒さを乗り切って春を迎えようとしている生き物たちを探しに行きました。
まずは枝からぶら下がっている不思議な物体を発見。実はこれ、ウスタビガという蛾が作り、羽化した後の繭です。よく見ると、繭の下に黒い粒が付いているのが分かりますか? これはウスタビガの卵です。ウスタビガは卵で冬を越すのですが、メス成虫は自分の繭に卵を産み付けることが多いようです。
ちなみに蛾というと嫌なイメージを持つ方が多いと思いますが、ウスタビガはモフモフとした可愛らしい蛾です。ぜひ一度調べてみてください!
森の中にはこのような朽ち木が立っていますが、切り倒さずにあえて残してあります。
それはなぜでしょうか?
答えはこのブログの最後に書いてあるので、よろしければ最後まで見ていってください
森の中の倒木をめくっていくと、ムカデやヤマトシロアリ、モリチャバネゴキブリなど多くの生き物を発見!見つけた生き物をみんなで観察しました。
嫌われることが多い彼らですが、森の中の生態系を維持する大事な仲間たちです。
森の中で見つけても、そっとしておいてあげてください。
池の中にも冬越しをしている生き物たちの姿を見つけました。
1月だというのに、カエルの卵を発見!また、網で池の中をすくってみると何やら筒のようなものがたくさん…。
これも生き物でトビケラという虫の幼虫が筒の中に住んでいます。どちらも凍ってしまうような池の中で生きています。生き物たちの生命力の強さには驚かされます。
最後に薪棚と、シイタケ栽培で使った後のホダ木には何かいないかを参加者みんなで探してみました。
薪棚の中からは、コメツキムシや蛾の仲間が出てきました。
一方の廃材からは・・・
なんとクワガタの幼虫が!
これにはスタッフ含めみんなびっくりしました。
参加者の方からは、
「虫って頑張って冬を越しているな」
「冷たい水の中でも生きていると知って、すごいと思った」
「童心に帰る事が出来た」
といった感想を聞くことが出来ました。
上に書いた朽ち木を倒さずに残してある理由ですが、朽ち木は多くの生き物たちの住処や産卵の場になるだけでなく、エサにもなり、厳しい冬を乗り越えるための冬眠場所にもなります。ですので、危険がない場合には切り倒さずにそのままにしてあります。
昆虫採集の方法として朽ち木を割って採集する方法がありますが、この方法をやってしまうと生き物たちの暮らす場所を奪ってしまうことがあります。今回は使い終わったシイタケのホダ木を割ってみましたが、自然の中ではむやみやたらに朽ち木を割ったり、崩したりしないようにしていただけたら嬉しいです。
生き物たちのゆりかごを守るためにも、生き物や植物を観察するときはマナーを守って観察するようにしましょう!
(写真・文 まっつん)