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ピストの見た目をすっきりさせたい!リアブレーキにフロント用を流用する編

2018.11.10 03:59

ピストバイクのブレーキ問題

シンプルで見た目がかっこいいピストバイク。

しかして、ピストバイクにはブレーキを着けなければいけません。

日本の道路交通事情による決定事項です。



"前後の車輪(ホイール)"を制動するブレーキ機材が装着されていること

また、そのブレーキ機材については

時速10キロのスピードで走行したとき、ブレーキをかけてから3メートル以内で停止できる性能が有ること



このような決まりが道路交通法で定められていますね。



まあ正直、スキッドになれていれば、ピストバイクで10キロ程度のスピードで走行したとき、3メートル以内で停止できなくもないです。

しかしながら、路面やタイヤのコンディション、乗り手のコンディション、そのほか様々な要因で、スキッド=ブレーキングは確実な方法ではありません。

どれだけ乗りなれてても、です。



そして、ここは法治国家日本。

法は尊守せねばなりません。



と、言うわけで、ブレーキはしっかりマウントする必要があるわけです。

どうせブレーキをつけるなら、なんとかスッキリシンプルに付けたいもの。

なおかつ、制動力/ブレーキング機能もしっかりしていれば尚良し。



今日は、特にリアブレーキにおいて、とっても「手軽な方法」でブレーキを装着する方法を記事にしてみました!



リアブレーキの取り付け箇所

リアブレーキの取り付け箇所はいくつかあります。


今現在、国内で流通しているピストフレームは競技専用車両でない限り、ほとんどがフレームのリア三角のブレーキアーチに、ブレーキ取り付け用の穴が開いてます。


ここに、これまた普及数の多い"キャリパーブレーキ"を装着するのが一般的です。

(最近では"カンチブレーキ台座"が付いたピストフレームも結構ありますが、、割愛します。)

そして、リアブレーキのデフォルトの取り付け向き&位置は、こうです▼

こんな感じ。

一般的な取り付け方法です。

もちろん、これで問題は全くありません。


けど、何やら後ろから見たときに若干野暮ったく感じてしまうのは、、

きっと私だけではないでしょう。まあ価値観の問題ですが。


そこで、今回は【逆付け】をご紹介します。



リアブレーキの逆付け

逆付け。

天邪鬼な感じ。好きな人も多いんではないでしょうか。

さて、実は「逆付け」と簡単に言っても、


今ついているリアブレーキをそのまま逆付けする事は出来ません。


そうなんです。

実は、リアにデフォルトでついているブレーキは、ブレーキホール(つまりフレーム)に加工を施さない限り、基本使えないのです。

ボルト長が短い

これが全ての原因です。


そこで、

ボルト長がながいブレーキ

これを用意する必要があります。

ボルト長がながいブレーキ。

それはずばり、フロント用のブレーキです。

これがあれば、フレームの加工無しで逆付けが可能です。


ブレーキを逆付けする

もはや、作業自体の説明は殆ど必要ないかもしれません。

作業工程については、

--

・ボルト長の長い「フロント用ブレーキ」を用意したならば、

・ブレーキホールにブレーキ本体のボルトを通し、、

・最後にナットで締めて固定する

--

以上。

とてもイージーな作業です。

ただし、いくつか注意点はあります。

画像と共に注意点を挙げてまいります。


注意点1:フレームとブレーキのパーツが干渉しないように

ブレーキ本体には、意外なほどにナットやネジ、スプリングなどの小物が多く使われています。

逆付けの際は、それらがフレームに当たり、フレームを傷付けないように注意しましょう。

僕の場合は、ブレーキのボルトにいくつか金属のワッシャーを挟んで、フレームと干渉しないようにしています。

下の画像をご覧ください。

かなりギリギリなクリアランスです。笑

1mmのワッシャーを2枚使用して、なんとか隙間を作っています。

フレームのデザインや、ブレーキの種類によっては、そのまま付けても問題ない場合もあると思いますが、取り付け時には気をつけてください。


注意点2:ブレーキシューの左右を入れ替える

"ブレーキシュー"とはつまり、ブレーキアームの先についていて、リムを挟んで制動する重要パーツですね。

これ、意外と見落としてしまうのですが、しっかり「右用」「左用」が存在します。

ブレーキを逆付けすると、リムに対するブレーキシューの"右用"と"左用"が反転することになります。

なので、逆付の際は、元々ついているブレーキシューの右と左を入れ替えして使います。

黒々して分かり辛いですが、、

元来、ブレーキを搭載する場所は今回の逆付けではなく、正位置が一般的なため、逆付の際はブレーキシューの左右を入れ替えています。

ブレーキシューの向き確認は大事です。


注意点3:締めすぎ注意!

今回、ブレーキの取り付け/固定の際に六角ナットを使用しました。

(使用した六角ナットのサイズは「M6」サイズです。ブレーキは「シマノ105」)

六角ナットを締めこむとき、一般的にはメガネレンチやスパナを使うと思います。

その時、"締めすぎ"にご注意ください。

締めこみすぎると、パーツやフレームに余計な負荷を与え、最悪どちらかが破損します。

アルミやカーボンのフレームなら尚更注意です!


ナットを締めていき、少し手ごたえを感じたところから、ほんの僅かに締めてあげれば十分です。(感覚の話になるので説明しづらいですが。。)

ここは、それほどまでにガンガンに締め込まなくても、充分固定されます。


オーバートルクが心配な時は、"蝶ネジ"を使う手もあります。

人力で締めるので、レンチなどで締め込むよりオーバートルクになりずらいです。

実際、蝶ネジでの固定も良く実践される手法です。競輪フレーム/NJSピストのブレーキ取り付けでは、僕自身も蝶ネジをよく使います。



ブレーキ逆付けのメリット

ブレーキを逆付けして得られるメリット。

それは、「後ろから見たときのシンプルさ」です。

つまりは見た目。ルックスがすべてです。

そして横から見た時。

そして、斜め前から見た時です。

ちらっと、さりげなく。「105」のロゴが見えます。

こんな"さりげなさ"が個人的に好き。笑

"105"の愛称で有名なシマノのブレーキ。こなれた値段と制動力はさすがシマノ!



かように、"見た目の変化"がすべての逆付けですが、ブレーキの性能的にはさして変わりはありません。充分制動します。



さて、ぶっちゃけいうと。

個人的に。確かにピストはブレーキがない方がかっこいいと思います。

本来ブレーキがないのが、純粋なピストバイクです。

そして、本来の姿に機材としての美しさ、カッコよさを感じてしまうのは、ある意味仕方のない事です。


けれど基本街乗りメインでピストバイクに乗るならば、もしもの時にはブレーキレスのピストバイクは圧倒的に不利になります。

他者への配慮とルールの尊守。これは自分自身も守ることになります。


制動装置をつけて、無茶な運転をしないこと。

誰しもが楽しく自転車に乗れるためには、大事なことだと改めて思うのです。


そして。

まあ、ピストばかりを擁護するつもりは全くありませんが、、


ノーブレーキピストのみならず、全然ブレーキが効いていなくて制動できてない点では、ママチャリや軽快車なども、もう少し規制が敷かれて改善されてもいいのでは。


とも、思うのです。笑


miki