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りんだうの蕾をほどく風の星

2024.11.05 08:09

Faceboo0k清水 友邦さん投稿記事

夜の最終列車で、天河大弁財天社(奈良県天川村)の節分祭から盛岡に帰ってきました。

今年、岡野弘幹さん制作のCD『天河』が、英国ONE WORLD MUSICで総合1位に見事に受賞されました。

まことに、おめでとうございます。

そして、今年の岡野弘幹さんの天河大弁財天社の音霊奉納舞台は、20年目の節目になりました。

ニューヨークのアーティストの野村康生さんが、宇宙に3ヶ月ものあいだ晒されて地球に帰って、元々の素材とは全く違う物質質感に変貌したアート作品を能舞台に設置され、岡野弘幹さんの演奏とプロデュースによる、ウルトラゴングの水谷翔さん、鼓の祝丸さん、ソウルサウンドアイアーの清水プラダ、朗読の岡野純子さん、天河メディスンドラムの皆さんによって素晴らしい神事芸能が演じられました。

今回、節分前の2月2日、柿坂宮司社家に鬼を迎えいれる「鬼の宿」神事に参列させていただきました。

柿坂宮司の子孫は、役行者に付き従っていた前鬼・後鬼(ごき)の子孫と言い伝えられています。

鬼の宿神事は、松明に火を灯して社家まで歩き、祝詞やお経、ご真言を唱え、部屋の中に布団を二枚ひいて、神社の御神水を桶に汲み社家の廊下に置きます。

そして明朝、桶の中に鬼がお泊まりになったサインがあれば、節分祭が行われます。もし、鬼がお泊まりにならなければ、宮司が力を失なうことになり、節分祭を執り行うことができなくなるという、最も大切な神事なのです。

はるか遠い古代からの秘儀である、鬼の宿神事がおこなわれているのは、天河弁財天のみといわれています。

昭和の初期までは各地にかろうじてあったようですが、現在は天河以外のすべては途絶えてしまったようです。

今年も鬼が社家にお泊りになられたということで、節分祭が執り行われて採燈護摩厳修、年男の岡野弘幹さんによる福豆まき・福餅まき、恵方巻、ぜんざい、長寿酒がふるまわれました。

天河大弁財天社(奈良県天川村)の豆まきは「鬼は内、福は内」です。

鬼は内と唱えると、幸福が逃げて、自分が病気や不幸になるのではないかと、恐れる人がいるかもしれません。人は悲しみ、怒り、そして、恐怖に触れることを恐れています。心は今ここにいられません。日常生活の心は、不快な事や失敗した過去にこだわっています。

そして、それを未来に投影して不安になっています。世界を分離して見ています。

鬼を心の外に追い出してはいけません。心の分離が強くなり、余計に苦しみます。

福と鬼を分けないで受け入れることで分別心に気づきます。

鬼を含んで超えるのです。ですから鬼は内です。

もし、自己と他者という垣根を取り払う事が出来なければ、自己は一なる全体から分離したまま、自己中心的な自我の葛藤の中で、苦しみ続けなければならないのです。

鬼退治の段階は次の通りです。

第一段階、世界を分けて外側に敵を作って鬼を追い払おうとします。

第二段階、外側に鬼がいるのではなく自分の心の中に鬼がある事に気がつきます。

第三段階、心の中の鬼を追い出そうと努力します。

第四段階、鬼に実体がなく自分の心が作り出している事に気がつきます。

第五段階、心の境界が消えて全体とひとつになります。

第六段階、囚われのない自由な心で日常生活をします。

第五段階まではスクリーンに映し出される映像に相当するので、時々心を制御しないと鬼が現れますが、第五段階以降は段階がないんです。

今年の天河大弁財天社の神事の御託宣は『覚醒』と告げられました。 

それは、私達が、囚われのない自由な心を取り戻すことでもあります。

神さまの名前の後ろに、必ず「ミコト」がついていますが、誰でも、この世に役割(ミコト)をもって生まれてきています。ミコトの言霊が、自己の本質(ミ)に帰るコトです。

魂は肉体に宿ると、物質界に囚われて自分が誰なのかすっかり忘れてしまいます。

自由な心を取り戻すことで、誰もがミコトに気がつきます。皆様のミコト(神命)が達成されますように