居場所と負荷と次のステップ
●負担とは
5日間ほど、AllianceYouTooの仲間のひとりと、タイのバンコクを旅行した。
私は、ガンの治療のため腸を切除し食道に移植、喉頭を摘出するなど、身体に障害があり弱さもある。
こうした障害を持つ者の特徴の一つとして腸の動き健常者よりも鈍かったり食道を再建したため、嚥下力がにぶかったりする。
その身体的な特徴に付随して、食べて栄養を十分とることができにくく体力がすごく落ちていて疲れやすくすぐヘロヘロしてしまう。
めんどくさくてやっかいでゴニョゴニョしている自分が時に嫌になる。
たぶんずっと家にいて静かに過ごしたほうが安心安全で気持ちは楽だ。
同時に体力も気力も低下はする。
だけど、というか、だからこそ、何かを変えたい、進みたい、もっと元気にたくましくなろうと思ったら少し負荷をかけることが大切なんじゃないかとも感じる。
旅行に一緒に行った仲間が、楽しいはずの旅行中の時間を私のケアのためににさき、気持ちをくだいてくれたことに感謝しつつ楽しみ以外のアクティビティをさせてしまったことを、もうしわけないなとも思っている。
実際、体には負荷のかかる数日間だった。仲間がサポートをしてくれたのに、だ。
負荷はかかって、おやおやちょっとこまったね、な、小さな健康課題も生じた。
●描くことがあるんだもの、キラキラな未来に向かって
でも私にとってはとても良かった!ってことのほうが数百倍も大きい。
へとへと、ヘロヘロしながら歩いて「しんどいなあ、休みたいなあ」って思う時間も多かったけど、気づいたら、日に日に、時間ごとに、秒ごとに、私は元気になっていった。
へとへとヘロヘロしながら、心はすごく楽しくて心ワクワクしていて、バンコクにいる自分が幸せだった。
バンコクで、元気に暮らす自分を心のどこかにえがき、目指したいって思ったからかもしれない。
無理をしないで自分を労りながら、っていうのも大切で、自分を過信しちゃいけない。
同時に、何かを心に描くなら、こうなりたいって思うなら、「安全」な範囲で、いつもより少し負担のかかることをすること、少しずつでもそれを続けることが、もっと重要だと思うのだ。
●「そのままでいい」の意味
旅行中にその友人と話したことがある。
「あなたはそのままでいいよ」の意味は、あなたはいまそのままのところでとどまっていていいんだよ、というのとは全然違うよねと。
あなたの、そのありよう、もって生まれた良さ、特性みたいなものを無理にいじって変える必要はないよ、あなたはあなただから素敵なの、は事実だ。
一方で、「それは大変だった、あなたは悪くないんだよ、そのままでいいよ」と、「慰められ同情された」、ことに安心して安穏・ぬくぬくとして、自分は現状を変えることに向けて少しこ動くことをせずに過ごすこととは違うよね、と。
何をもってして次のステップ、というのかは難しいところだ。人にもよる。
私には正解がわからないし、絶対的な一つの正解もないんだと思う。
しかし一つ言えるのは、ちゃんと選んだ、未来を描いたうえでの「少しの負荷」は、望む変化に向けた大事なステップだ。