小澤征爾さん逝く

今朝の新聞の一面トップは、世界的指揮者小澤征爾さんの訃報でした。

同世代、輝き続けたスター。才能は言うに及ばず、破天荒な行動力が人々を惹きつけました。

私、小澤征爾さんに握手をしていただいたことがあるんですよ。

所は、築地の場外市場にある珈琲屋の入り口。東京でも屈指の美味しい珈琲が飲める店として知られていますが、狭い上、椅子も粗末で、ただただ美味しい珈琲を飲むためだけの店。友人と珈琲を飲んで立ち上がったら、店のマスターが「これから小澤さんが来る」と言うので「あの小澤征爾さん？」と問いかける間もなく、狭い入り口にアノ小澤征爾さんが現れました。

出会い頭です。咄嗟に「握手していただけますか」と私。「いいですよ」とにこやかに微笑んで、両手で包むように握ってくださいました。

白くて暖かく柔らかい、繊細だけれど大きな手でした。

「世界の小澤と握手しちゃった」と自分の不躾を棚に上げて、はしゃぎ回った思い出です。

御冥福をお祈りします。