いいなと思ったら分析して左脳に
2024.02.10 03:43
昔バイヤーの先輩から「街を歩いてても店に入ってもどこかに出掛けて、素敵、いいと思ったら何がどういいのかとにかく分析しなさい」と言われた。なんとなくフィーリングや勘でなく。
料理をやってても思ったのは、味を再現できるのも大さじ1杯 とかではなく、上手いと思った時そのバランスや味を構成しているものを分析する。右脳での感動やインスピレーションを分析して左脳に落とす。
ワインやシガーが大好物だが、それはわたしの分析好きにど真ん中なもので。
昔から分析魔。分析するのが癖でもあるが
そうした今までの仕事もさらに拍車をかけている。
特に若い頃は生息するだけで「いま」を嗅ぎ分けた。
年齢がいくと意識を済ませないとならなくなるのを知る。
さらに年齢とともにこなれてくると
不変の良さと美しいということと洒落が中心になって。ただし「いま」というエッセンスも加えないと「古臭く」なる。
洒落 粋 というものは匙加減が大事だったりするので、日々研鑽。
引き算も大事で。てんこ盛りは「野暮」になる。
きっと「うわ so cool」と感じるものには、たいていそうした計算がある。
1番難しいのは色。
黒が無難と思っている人も多いが、黒も野暮と粋があって。
和の黒でも 漆黒 墨黒 とさまざまあって。とても難しい色である。
チープな色とモダンな色と
でもわざと効かせる色としてチープを持ってくる事もある。ただし分量と素材や質感を間違えるとこれまた残念な結果になる。
若い頃はこの質感に疎くてバランスも心得ておらず、ただ「頑張って」いて時に痛いことになっていたと思う。
無知だと口の悪い先達に言われたものだが、
それがどうしたらいいかは言われない。
くそおと奮起し、分析の結果 ある時ふと見えてきたりする。
そんな積み重ねがいずれ「洒落」にたどり着くのだろう。
センスのいい友人がいる。クリエーターなのだが、とにかく色づかい間が小憎いほど上手い。体に染みているのかと思うほど「分かって」いるのだ。
その点わたしは分析しなくてはいけないのだから天性はないのだろう。
天性は右脳に属するのか?すると左脳で補う癖のある天性を持たないものにも光はある。
洒落と粋は、意思から切り物なのでさても気軽な自分が纏うものなのだから。