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「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】清少納言の登場でうまく対立を演出

2024.02.13 22:00

「宇田川源流」【大河ドラマ 光る君へ】清少納言の登場でうまく対立を演出


 毎週水曜日は、大河ドラマ「光る君へ」について、様々好き勝手なことを書いている。私自身歴史小説を書いていることは書いているのであるが、平安時代の小説は何も書いていない。その様に考えると、基本的には素人がなんとなくわかったふりをして書いている文章でしかないのであるが、まあ、その辺の内容を皆さんで「小説家というのは、こんなことを考えているんだ」というような内容を見ていただければよいのかもしれない

さて今週は清少納言(ききょう:ファーストサマーウイカさん)が出てきた。まだ若いまひろ(紫式部:吉高由里子さん)とききょうの初対決はなかなか面白い。作家の大石静さんのやり方として「二人の全く違うキャラクターを対比させて、その二人を競わせるようにしながら好敵手的な信頼関係を生まれさせる手法」での作風は、なかなか面白いというような感じである。

その清少納言とはどのような人物であろうか。史実とされるものの中の内容を見てみよう。

清少納言の正確な生没年や本名は不明。要するに全くよくわからない状態ということになろう。父の清原元輔は、受領などを務める下級貴族であったが、『万葉集』の読解と『後撰和歌集』の選者(梨壺の五人)を務めた著名歌人として知られていた。曽祖父(系譜によっては祖父)は『古今和歌集』の代表的歌人である清原深養父。兄弟姉妹に、雅楽頭為成・太宰少監致信、花山院殿上法師戒秀、および藤原理能(道綱母の兄弟)室となった女性がいる。天延2年(974年)、父・元輔の周防守赴任に際し同行、4年の歳月を「鄙」にて過ごす。なお、『枕草子』第290段における船旅の描写の迫真性は、同段落に「わが乗りたるは(私が乗った船は)」とあるので、作者父親の赴任に伴い、水路を伝って行った実体験と考えられる。天元4年(981年)頃、藤原斉信の家司橘則光と結婚した。則光とは妹背の仲で宮中公認だったとされる。則光は武勇のほまれ高く、『金葉和歌集』に入選するほどの歌人であったが、『枕草子』八〇段では少納言の謎にも気づかず、歌も詠まない人物であると描写されている。翌年一子則長を生むも、「何ともなくて、 すこし仲あしうなって(なんとなく仲が悪くなり)」、則光が遠江介となった長徳4年(998年)頃に別離したとされる。のちに、摂津守・藤原棟世と再婚し娘・小馬命婦をもうけた。

一条天皇の時代、正暦4年(993年)冬頃から、私的な女房として中宮定子に仕えた。博学で気が強い彼女は、主君定子の恩寵を被り、一条院内裏の北の二の対に、局として小廂を賜っている。長保2年(1000年)に中宮定子が出産時に亡くなってまもなく、清少納言は宮仕えを辞した。その後の清少納言の人生の詳細は不明だが、家集など断片的な資料から、いったん再婚相手・藤原棟世の任国摂津に下ったと思われている。

「光る君へ」まひろに即マウント「バチバチ」清少納言ウイカ 大河デビューにネット沸く「陽キャ」ハマり役

 女優の吉高由里子(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は11日、第6話が放送され、注目のききょう(清少納言)役を演じるタレントで歌手・女優のファーストサマーウイカ(32)が初登場。鮮烈な大河デビューを果たした。オンエア終了後(午後9時)には「清少納言」が「X(旧ツイッター)」の国内トレンド2位、「ファーストサマーウイカ」が29位に入るなど、インターネット上で反響を呼んだ。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」など生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 第6話は「二人の才女」。まひろ(吉高由里子)は藤原道長(柄本佑)と距離を取るため、そのライバルの左大臣家で間者を続けることを決断。一方、道長は次兄・藤原道兼(玉置玲央)の口から、まひろの母の事件をもみ消したのが父・藤原兼家(段田安則)だと知り、一家が背負う闇の深さに戦慄を覚える。そんな中、宮中で勢いづく藤原義懐(高橋光臣)一派に対抗しようと、長兄・藤原道隆(井浦新)は藤原公任(町田啓太)藤原斉信(金田哲)ら若い貴族たちを招いて「漢詩の会」を開くことに。まひろは参加を申し出るが…という展開。

 まひろは父・藤原為時(岸谷五朗)と道隆の屋敷へ。為時とともに講師役を務める歌人・清原元輔(大森博史)が娘・ききょう(ファーストサマーウイカ)と現れ、初対面を果たした。

 「ききょうと申します。どうか、よしなにお導きください」「胸が高鳴りますわ。大いに楽しみましょうね、まひろ様」

 この日のお題は「酒」。道隆は「今の帝の世の揺るがぬ様」を詠んだ公任の歌を褒め称えた。感想を聞かれたまひろが「公任様の作は、唐の白楽天(白居易)のような歌いぶりでございました」と述べると、ききょうは即座に「わたくしはそうは思いません」「むしろ、白楽天の無二の親友だった元微之のような闊達な歌いぶりでした。そうじゃございません?」と異なる見解を口に。元輔は咳払いをし、娘に釘を刺した。

 まひろと道長の視線は終始絡み合い、会はお開き。ききょうは「まひろ様はお疲れなのかしら。私、斉信様がお選びになった歌が好きだったわ」。屋敷から帰る斉信は「やはり道隆殿だな。義懐殿じゃない。それよりは、元輔殿の息女、ああいうのも悪くないな」。公任が「あのようにしゃしゃり出る女子(おなご)は好かぬ」と言うと「あの小賢しげな感じ。鼻をへし折ってやりたくならぬか」と返した。

 SNS上には「初手からバチバチやんw」「陽キャ(笑)」「清少納言のマウント芸がとても清少納言」「無遠慮系女子」「俺たちの清少納言は空気を読まない」「清少納言と紫式部が会話しているだけで感動。面識なかったはずの2人だけど。いきなりバチバチなの、笑った」「公任くんと斉信くんの会話、財閥系商社マンのそれw」「ウイカちゃんの清少納言、ピッタリ」「思い描いていたまんまの清少納言で震えた」「ファーストサマーウイカ、(タイトルバックのクレジット)縦1行に収まった」などの声が続出。話題を集めた。

次回は第7話「おかしきことこそ」(2月18日)が放送される。

[ 2024年2月11日 20:45 ] スポニチアネックス

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2024/02/11/kiji/20240211s00041000162000c.html

 さて、紫式部と清少納言の仲は悪かった。ある意味でライバルであるのか、またはこの二人は完全に仲が悪かったのか、その辺はよくわからない。紫式部は『紫式部日記』において「清少納言こそ、したり顔にいみじう侍りける人。さばかり賢しだち真名書きちらして侍るほども、よく見れば、まだいと堪へぬことおほかり。かく人に異ならむと思ひこのめる人は、かならず見劣りし、行末うたてのみはべれば(清少納言という人はとても自慢げにしている人です。賢そうに漢文など書いていますが、よく見れば粗が多いものです。このような人と変わったことを好む人は、必ず失敗し、行く末も危ないものです)」と酷評している。

さて、ドラマでは「あまり遠慮せずずけずけと相手のことをけなしてその場でマウントをとる気の使えない女性」としてききょうが、そして「遠慮してその場の雰囲気を望むような受け答えをする女性」としてまひろが書かれている。まひろは、この物語では何回かの内容の中において、源倫子等との付き合いの中で、その様な「遠慮」を学んだということをうまく記載している。そのききょうの態度に対して父である清原元輔が険しい顔になっているということもうまく書いているのではないか。

そこに対応する内容として藤原道長(柄本拓さん)と藤原斉信(金田哲さん)をうまくここで分けてみている。将来道長についた紫式部と、定子についた清少納言の色分け(ある意味でチーム分け)をすでに行って、その中でうまく対立の構図を作っているという感じではないか。今回のような「漢詩の会」のなかで、そのような色分けをキャラクターを使い分けながらしっかりと改定あるのは、なかなか面白い内容ではないか。

逆に言えば、「何か事件があって、そのきっかけで人が変わって対立が起きる」というのではなく、今回の内容は「女性二人がその性格や育ちなどで、全く異なる性質を持ち、その二人が対立してゆく」ということになっているのではないか。まさにそのような「女性の生理的な対立」をうまく書きながら、物語が進んでゆくというのは、やはり面白いのかもしれない。