「宇田川源流」 ロシアでは何が起きているのか?デモと大統領選挙の候補者不出馬
「宇田川源流」 ロシアでは何が起きているのか?デモと大統領選挙の候補者不出馬
3月17日はロシアの大統領選挙である。プーチン大統領は、その大統領選挙で圧倒的な勝利を得ることを考えている。今回の大統領選挙は2022年2月23日に始まったロシアのウクライナ侵攻の正当性を国民に問うという選挙にkなる。その中でウクライナ侵攻の正当性を主張するためには圧倒的な勝利を得なければならないということになるのではないか。
選挙に勝つという事は、今のプーチン大統領のやり方であれば、選挙に勝つことは間違いがないであろう。しかし、問題は「勝ち方」である。
旧ソ連の指導者であったヨシフ・スターリンは『投票する者は何も決定できない。投票を集計する者がすべてを決定する。』という言葉を残している。
投票する者は『その他大勢の一人』に成り下がり、投票を集計する者は『そもそもその投票制度を作った人』だ。主従関係としては、そのシステムを作った側が『主』であり、投票する側が『従』である。主従関係が最初にハッキリされることで、しばらくの間その『主』の手の上で転がり続けることになる。それが『従』を選択した人間の運命だ。『主』は、そこを『しばらくの間』と理解していれば、まだ賢い。だが、『未来永劫』と考えているなら、単なる愚か者である。武力で押さえつければ表層上は長い間『従わせる』ことが出来るかもしれないが、実質の部分、心底の部分では人は、それに従うことは出来ない。よってエネルギーは衰退し、人々の心は冷め切って、いつの日か隙を突かれて、形勢を逆転されることになるだろう。独裁者というものは、未来永劫、歴史的な『恥』として遺り続ける。ただし、恥は恥でも、『歴史的な恥』ということで、一時的にでも膨張したその力の動き方は、注目に値する。
スターリンはこのほかにも『赤軍には捕虜は存在しない、存在するのは反逆者のみである。』『たった一つの死は悲劇だが、100万の死は統計に過ぎない。』というような言葉を残している。ある意味でスターリンの時代に生まれ、その思想のもとに「KGB」に入った共産主義者であるプーチン大統領の行っていることは、このスターリンの言葉に影響を受けているのではないか。
ロシアで再び記者ら拘束 動員兵の妻らデモ、当局「無許可」と警告
動員された兵士の早期帰還を求める妻らの抗議活動が10日、ロシア各地で開かれた。事前にロシアの検察当局が「無許可だ」と警告しており、再び記者や参加者が拘束された。ただ、デモの参加者は毎週のように増えており、警戒する当局からの圧力が一段と強まる懸念がある。
運動を呼びかけているのは「プーチ・ダモイ」(家路)。モスクワでは同日正午過ぎ、赤の広場近くの「無名戦士の墓」に、運動のシンボルである白いスカーフなどを頭につけ、赤いカーネーションなどを持った女性らが集まった。
先週の抗議活動では、モスクワで20人以上の男性記者らが拘束されたが、この日も参加者数は大きくは変わらず、献花の行列ができた。
2/10(土) 朝日新聞デジタル
https://news.yahoo.co.jp/articles/03db96b1d754fc858e561212f9f4b795a08f11b9
ロシア選管、反戦候補の登録拒否 3月大統領選「署名不足」
ロシア中央選挙管理委員会は8日、3月のロシア大統領選にウクライナ侵攻に反対の立場で立候補を目指したナデジディン元下院議員が必要数の有効署名を集めていないとして、候補者登録を拒否した。
選挙は通算5選を目指し無所属で立候補した現職プーチン大統領の勝利が確実視される。ナデジディン氏が失格になれば選挙戦で反戦を訴える候補はいなくなる。ナデジディン氏側は最高裁判所に提訴するとしている。
立候補には中央選管が10万人の署名を有効と認める必要があった。ナデジディン氏の陣営は10万5千人分の署名を提出。選管は6万人分のサンプル審査で9千人分余りに不備があったとし、失格を勧告していた。
2024年2月8日 19時56分 共同通信
https://news.livedoor.com/article/detail/25846366/
そもそもロシアは「ウクライナはロシアの領土の一部」という主張をしており、そこから氾濫してはなれNATOに入ろうとしたウクライナを併合するというようなことを中心に今の内容を行っている。その後キーウの占領ができないというようになってから、クリミア半島の併合と、そこまでの通路を得るために東部4州併合に目標を変えた。戦争を始めてから、その目標を変える、特にその内容を「小さくする」ということは、国力の衰退を意味しているのであり、そのことをもって大きな力を得られなくなるということになる。しかし、それをワグネルなどの傭兵部隊を使用し、戦死者をすべてそのようにして戦死者を少なくする偽装を行っていた。しかし、その様にしてお「実際に人がいなくなっている」ということは変わりがないので、その家族などにしてみれば、ごまかしようがない事実になる。
国力が衰退しており、戦争のために生活が不自由になり、そして家族が戦死でいなくなるという状態でありながらも戦争に対して国内のモティベーションを維持するのは、宗教的な指導力と勝てるという希望を持たなければうまくゆかない。戦中の日本もそうであるし、またイスラムのテロリストも、宗教的な価値観があるので、自分の命よりも国体が大事である、国体が維持されることによって子孫が幸せに暮らせるというような希望と宗教的な価値観を持つことでうまくいっていたのであろう。
しかし、現在は情報の時代であり、そのようなことができないということも十分にありうる。つまり、「不利で勝てない戦争から戦死者を返せ」という家族の叫びと、それを糾合するプーチンの反対派が増大しているということになる。単純に言えば、戦争反対派のナデジディン元下院議員の立候補に関しては、10万5000人の署名が集まったということになる。軍が募集している中で10万人を超える署名をするたっめに列ができるという事は、ある意味で衝撃的な内容であろう。また各地で戦死やの家族によるデモが発生しておりそれを取材するマスコミが拘束された。つまり「デモ」の発生も、またそれを報道されることも許されない雰囲気である、もっと言えば、プーチンの政治はそこまで危機が迫っているということにつながるのではないか。
さて、この状態であっても大統領選挙はプーチンが勝利するであろう。しかし、その後そのままロシアの国体を維持できるのかということが全く異なる。逆に言えば、ロシア国内において、膨大な政治的弾圧が3月17日以降に行われる可能性が高いのではないか。スターリンの言葉の通りに選挙を行えば、スターリンと同様の政治的な弾圧がロシアの末未来であるということになるのではなかろうか。