2月例会・合評会盛況裏に終わる!
昨日2月11日に今年二回目の例会・合評会を開き、秋山裕幸氏の司会で岸本(下尾)静江 作「さらばじゃ(家康最後の戦い)と守宮 槐 作「蛙の死」、「夢の景色」の合評会を行う。
「さらばじゃ(家康最後の戦い)」では家康に関する膨大な一次資料を読み解き、それを下地にして「権力者徳川家康の胸の内を炙り出したスバラシイ作品に仕上がっていた!」流石、さすが『家康とドン・ロドリゴ』を書いた作者で、更級日記千年紀文学賞選考委員の岸本(下尾)静江さんの円熟味を増した作品であった。
また、守宮 槐 作「蛙の死」は、萩原朔太郎の詩を題材にして、戯曲に再現して現代社会の中で生きる子供の世界を直視した鬼才の眼で描いていて、萩原朔太郎が生きていれば「よくぞ書いてくれた!」と賛辞をくれること間違いなしの内容の戯曲作品であった。また、「夢の景色」は10枚にも満たない掌編小説であったが、田鶏=蛙が百舌に捕らわれて生贄にされる直前に大空高く広い世界を見るというストーリー展開で、人間の価値観を問い直した、才能溢れる作家らしい高邁な世界観を持った鋭い問題提起の作品であった。かって、NHK銀の雫文学賞優秀賞を受賞し、今年も第3回更級日記千年紀文学賞優秀賞を受賞した作家だけに、着眼点が違うと敬服した。次は是非とも芥川賞を取って欲しいと願っている。
岸本(下尾)静江 作「さらばじゃ(家康最後の戦い)と守宮 槐 作「蛙の死」は『槇』46号に掲載していますので、読みたい人は手に取って読んでみてください。但し、同人誌ですので在庫に限りあります。(1100円で買えますが、売り切れていたらゴメン!)
また、文学グループ「槇の会」では、月1回(第二日曜日午後1時から5時まで)和気藹々! 且つ熱心に合評会(勉強会)をしていますので、小説や随筆・自分史を書いてみたいと考えている方、内房線五井駅前サンプラザ7階会議室にいらっしゃって、ご自分の眼で確認してください。:見学は自由です。メンバーは熟年の方々が多い(熟年の方々の熱意とパワーを観て欲しい! ) ですが、若い人も歓迎です! (「槇の会」代表、『文芸もばら』顧問 乾 浩 )