Element chair. PK-25
Designer : Poul Kjaerholm(ポール・ケアホルム)
Manufact : Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)、E. Kold Christansen(アイヴィン・コル・クリステンセン)
Year : 1951
Material : Steel・Flag Halyard
Size : W750×D690×H730 (mm)
Poul Kjaerholm(ポール・ケアホルム) によりデザインされ、Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン) により製造がされました。 Steel・Flag Halyard のモデルが製造されていました。1951年にFritz Hansen により製造が開始され、1960~1981年まではE. Kold Christansenが製造をしておりました。E. Kold Christansenが廃業後、1982年から再びFritz Hansenにて製造が続けられています。
ケアホルムはイェルリングの鍛冶屋で働きながら輪郭を描き、試作を始めました。それはコペンハーゲン美術工芸学校の卒業制作「Element」としてデザインされ、デンマーク美術工芸協会によりプロトタイプが展示されました。デンマークを代表する家具工場であるフリッツ ハンセンのディレクター、サレン・ハンセンの興味を引きました。 その後間もなく、ハンス・ウェグナーのアドバイスにより、Fritz Hansenはケアホルムを雇います。ケアホルムはそれから1年間Fritz Hansenでデザインと材料の研究を行いました。「Element」は当時Fritz Hansenでは量産に至りませんでしたが、1960年にE. Kold Christansenにより「Element」の製造を開始され、ケアホルムはそれを椅子番号 25 と指定しました。1982 年、Fritz HansenはE. Kold ChristansenよりPK-25 を含むケアホルムの家具の生産を引き継ぎました。
「Element」とは様々な環境で使用できるオブジェクトという意味を持っています。PK-25はスチールフレームにヨットで使用される編み紐であるハリヤードラインを巻き付けて構成されています。ハリヤードラインは1950 年にデザインされたウェグナーの「フラッグハリヤードチェア」からインスピレーションを得ています。スチールフレームは一切のジョイントを使用していない構造となっています。12 mm の鋼板上に平らなフレームに挿入用の穴を4か所開けた後、金属鋸でフレームを切り出し、プレス機で曲げて脚、座面、背もたれを形成します。 端をやすりで整え、鋸の跡を取り除き、フレームにマットなクロムメッキ仕上げを施します。 最後に自然色のハリヤードラインをクロスバーの周りに巻き付け、シートとバックパネルを完成させます。
この椅子はケアホルムの努力の結果、構造の明瞭さ、フォルムの単純さ、そして直接的な姿勢を表現しています。そしてケアホルムの今後の作品すべてを特徴づけるデザインや素材の表現の始まりでもあります。